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【キャラ紹介③】マリオネットとスティレット【アイコン付き】

【キナン】
年齢:41歳(外見年齢は14歳)
性別:男性
血液型:不明
身長:153cm
体重:50キロ
役職:白金剣級冒険者パーティのリーダー、大魔法使い

 アーティファクトと一体化した当時の年齢、少年の見た目を維持する猫系半獣人の男性。冒険者ギルド最大の魔力量を示す大いなる才能がある。学院にいた当時、もてはやされていた彼だったが、14歳で初挑戦したリミナルダンジョンで時空の歪みに巻き込まれ、極めて深い階層に、指導者役で共に挑戦していたサラマナザーラと共に転移してしまう。人材としての彼の才能を惜しんだギルド上層部は、すぐに救助隊として当時の白金剣級冒険者パーティを送り込む。そこで見たのは、瀕死の重傷を負ったキナンと、持ち前の異常再生能力の限界に達しつつあるサラマナザーラだった。そして、二人はただ救助を待つだけではなく、後に冒険者ギルドの最大の切り札となる最大のアーティファクト『重力法則(ローズオブグラヴィティ)』を確保していた。それをなんとしてでも魔法科学ギルドに渡したくなかった当時の冒険者ギルド上層部の決定により、重傷で意識がなかった彼の意思に反し、その体にそのアーティファクト本体、黒い四次元立方体が埋め込まれた。傷は快癒したものの、その時から見た目上の年齢は変わらず、老化が止まっている。本来の寿命のことはよくわからず、伸びているのか縮んでいるのか、いつか急激に老化するのか、なにも確かなことはない。なぜなら、冒険者ギルドにおいて、アーティファクトをその身に宿したまま永く生き延びた者はいないから。
 彼はその後、溢れる才能と埋め込まれた最強のアーティファクトのおかげで順調に出世し、20歳にして銀盾級から白金剣級へと一気に出世する。本来なら獣人も大歓迎のはずの冒険者ギルドだが、流石に白金剣級パーティのトップが半獣人だとプライド的にまずいので、普段は仮面をつけさせて性別すらわからないようにしている。声で正体がバレないように極めて寡黙。
 サルマナザーラが育ての親である。彼女こそ、獣人コミュニティから排斥されて死にかけていたキナンを拾い、子供の頃から育てあげた存在だ。彼女はキナンを最強の冒険者にしようと考えていたが、ある日事件が起こる。リミナルダンジョン内部での調査任務の最中、モンスターの攻撃でキナンが瀕死の傷を負ってしまったのだ。金槌級冒険者であった頃の出来事だった。その地位の冒険者としてはあまりにも大きすぎる発見である、レジェンダリーアーティファクト『重力法則(ローズオブグラヴィティ)』を見つけた直後に……。白金剣級冒険者の斥候が二人を見つけた時、規定によりその場で死にかけているキナンの救護のため、アーティファクト『重力法則(ローズオブグラヴィティ)』をキナンに埋め込むことは確定事項のはずだった。しかし斥候は、まだ少年に過ぎないキナンのために冒険者ギルド史上最大の発見を使うべきではないと判断。キナンを見殺しにする選択をした。それは、白金剣級冒険者として、レジェンダリー級アーティファクト発見の功績を自分のものにしたいとの理由からだった。それにサルマナザーラが激昂し、重傷を負いながらも斥候を殺害し、キナンを守った。仲間殺しによって自分が助かったことを成人後に知らされたキナンは、サルマナザーラを避けるようになった。しかし年月が経ち、彼女がだんだんと理性と記憶を失っていく様を見ていて、ある時点で心を決めた。死に別れるまで彼女の面倒を見る、と。なぜならその頃、ラウラという恋人をとある事件で失い、自分の運命を死と停滞に縛り付けることを決めたのだから。

【サラマナザーラ】
年齢:190歳
性別:女性
血液型:O型
身長:178cm
体重:85キロ
役職:女戦士、白金剣級冒険者

 歴史上最初にアーティファクトと一体化した冒険者。それは意図しない事故、他に選択肢がなかった応急措置でしかなかったが、それにより冒険者ギルドの発展の道がひらけた。
 魔族の血による身体強化を持つことができなかった絶望を、アーティファクトの力で補うことに成功した超人的な筋力の女戦士。狼の獣人の血が入っているが、彼女は獣人コミュニティを「負け組の集まり」として嫌っている。
 彼女に埋め込まれているアーティファクトは、『永遠の愛(アズアンドアンティル)』。驚異的な再生能力を付与する逸品である。その能力は傷の修復を超えて、肉体を物理的に強化し、「改善」し続ける。融合したものは、狂気にも等しい意志の力で「改善」によって体が制御できなくなる状態を抑えなければいけない。脊髄と脳さえ無事なら、どのような傷でもやがて回復する。それに加えて長年に渡って能力の暴走に耐える精神的疲労から、自傷行為がカジュアルなものから生死の境を攻めるものまで癖になってしまっている。キナンにはよく心配されるが、本人は肉体ではなく精神がそろそろ寿命、崩壊寸前であることを自覚している。何か少しでも耐えがたいことがあると握力で指の骨を折ったり、歯を噛み砕いたりする。
 義理の息子と言える関係のキナンには、冒険者としての全てを伝えた。彼に対しては庇護欲と恋愛感情と親子の情、あまりにも多くの感情を複雑に肥大化させて向けてしまっている。そしてサルマナザーラの病んだ精神は、容易にキナンへの重すぎる愛情を解き放ってしまった。しかしキナンから愛情が返ってこなくても、サルマナザーラは絶対にキナンを死なせたくないらしい。もはや「キナンを最強の冒険者にしてやりたい」という夢は消え、なんとしてもサルマナザーラ自身の依存心を満足させようとしている。そして今やアーティファクトに抵抗するために費やされた理性はほとんど消え去り、仮にキナンがいなければ快楽殺人鬼となって討伐対象になるだろう。

【へクサメトロス】
年齢:38歳
性別:女性
血液型:O型
身長:161cm
体重:44キロ(アーティファクト無し)、100キロ(アーティファクト有り)
役職:運命の占い師、白金剣級冒険者

 ヘクサメトロス(愛称へクス)は保有魔力量も平均並みの、平凡な冒険者だった。二十代後半の際、当時の金槌級冒険者がリミナルダンジョン深層に挑んだ無謀な挑戦に同行したとき、運命が変わった。アーティファクト『賽子遊戯(ヴェルフェルシュピール)』との出会いによって、彼女自身は人格を更新してしまったのだ。自身の大怪我を、このアーティファクトを体に埋め込むことで治癒し、その代償として記憶は維持したまま今までの人格を失い、別な名前を名乗るようになった。その思考も通常の人間とは異なったものになり、今では、サイコロを通じてのみ、世界を理解するようになった。
 この異常な状況はへクスに冒険者ギルドの魔術体系への理解とは異なる能力を与えた。彼女がてから生み出すサイコロは、運命に介入することができる道具となり、彼女は冒険者ギルド史上唯一の「賽子使い(シュピーラー)」として白金剣級冒険者ギルドに属する者となった。
 彼女に言わせれば、人間がその魂の中に二つ持つと言われる「賽子双命(ツヴァイゼクス)」の、片方を失ったのが彼女自身だという。人間はおしなべてみな、他人や共同体に奉仕するための「アインゼクス」と自分自身の欲望に従う「アンドレゼクス」の二つを持つと彼女は言う。そして自身は「アンドレゼクス」を失ったのだと。
 相手の言いたいことまで先取りして話すおしゃべりな彼女は、運命に対する深い洞察を持ち、他人の運命を善い方へ導くために自分のサイコロを使うことを選んだ。自分のためではなく、他人のためにサイコロを振ることで、彼女は人々が自己利益を超えて、より大きな目的のために生きるように導く。だがその傾向は、一般的な常識を超えた無私の奉仕に行きつき、社会的な生活はほぼ不可能なレベルでセルフネグレクトがひどい。今は冒険者ギルドの本部で、他のパーティメンバーと一緒にほとんど保護されている状態である。しかしギルドとしてもその方が都合がいい。
 へクスの能力には裏があり、『賽子一擲(ヴェルフェルトイマー)』と呼ばれる危険なゲームに、瞬間瞬間常に挑むことを余儀なくされている。へクスが管理するサイコロが転がるたび、彼女は確率と並行世界のランダムな渦に飲み込まれる。つまり、自分がいる世界だけでなく、異世界の情報までをもランダムかつ不可避に得ることになるのだ。索敵と未来予知に重宝する能力効果だが、これが彼女の元々の人格を崩壊させ、貴族の親が名付けたはずだった名前も、傲慢だった人格までもが消え去った主要因である。彼女にリンクされたすべてのサイコロが転がる限り、彼女は正気と狂気、生と死の狭間をさまよい続ける。その感覚は自我がバラバラにされるような感覚であり、過去にアーティファクト『賽子遊戯(ヴェルフェルシュピール)』に関わったものは皆発狂した。まだ奇跡的に狂気に陥っていないへクスはこの不確かな運命を受け入れているのかいないのか。もはや自我は奉仕の精神によって押しつぶされて知りようもない。自らの存在が他者に与える影響を意識することすらできず、最上位冒険者としてギルドと都市に奉仕し続けている。彼女の人生は、運命のサイコロの転がり方次第だ。彼女がヘクサメトロスになる前の、ラウラという存在は、すでに……。

【ジェラール・ワトキンス】
年齢:37歳
性別:男性
血液型:B型
身長:177cm
体重:73キロ
役職:鉄錠級冒険者、階級は刑部(インスペクター)

 かつては銀盾級冒険者だったが、リミナルダンジョンで同じく冒険者だった妻を亡くし、自ら実戦を退いた男。貧民街から必死の苦労で冒険者に成り上がるのは、よく語り草になる割に、極めて例が少ない。大抵は、地方でちょっと魔法の才能を示して、煽られて育った人間が、街まで来てその才能を証明する。そういうストーリーが大半だ。そして村一番ともてはやされたはずの才能の輝きも、国家の頂点であるパラクロノスの街のギルド試験では、全く価値がない石ころ同然だった、ということもよくある話。ジェラールは後者の道を辿った人間が、貧民街に住み着いて産んだ子供達の一人だった。地獄のような幼少期を殺し合いの中のサバイバルのような気持ちで過ごし、裏金を積み、魔法の才能のなさを誤魔化し、貧民街の少年用心棒として磨いた剣術の腕だけでなんとか冒険者になる。
 しかし、才能のなさを誤魔化して金槌級にまで上り詰めた代償は、妻を失うという最悪の形で支払うことになる。愛し合い結婚して子宝にまで恵まれた、最愛のパートナー冒険者。彼女をリミナルダンジョンでのモンスターとの戦闘で、ジェラール自身の魔力不足に起因するミスで死なせてしまったのだ。仲間は慰めてくれた。見舞金も恩給もたくさん出て、獣人の乳母と人間の家庭教師を雇い、子供を育てることに不自由しなくなった。だが彼は知っているのだ。悪いのは全て自分だと。
 金槌級冒険者の地位を自ら降りた後、鉄錠級冒険者の隊長の地位に潜り込んだ。それ以来、堅実な仕事ぶりで街の治安維持の現場指揮官の地位を得る。中間層の居住区に一戸建てを持つこともできた。過去の出会いから、レカを自分の妹のように思い、その行く末を案じている。後輩からは、リミナルダンジョンでの冒険の経験もあることから、ベテランとして尊敬されることが多いが、そのような視線で自尊心を満足させられるわけもなかった。残酷な事件ばかり起こる街の、日々の事件の処理に疲れ切るだけだ。唯一の癒しはまだ十代前半の子供達との時間。

【ティトゥレー】
年齢:17歳
性別:女性
血液型:O型
身長:159cm
体重:50キロ
役職:鉄錠級冒険者、階級は刑吏(オフィサー)→銀盾級冒険者見習いへと配置換え

 天真爛漫、無邪気、未熟。そんな言葉でしか言い表せない、若き冒険者。まだ今の仕事に就いて一年目だが、早くも花形仕事への配置転換の要請が来た。彼女が冒険者になったきっかけは、10年前、とある事件において、当時すでにベテラン冒険者だったキナンや若き冒険者だったエリオンに救われたことだった。それ以来、エリオンに教育を受けながら、冒険者になると言う夢を膨らませ続け、ついには控えめで平凡な魔力量でも冒険者になれる唯一のルート、鉄錠級冒険者になった。日々を街の治安維持のために捧げる生活だったが、ついにある日、彼女のような小さな魔力量でも、やる気さえあれば積極的に銅板級や銀盾級に上げるという方針が表明される。彼女は試験的に選ばれた第一号の一人だった。
 出立式の日、とても喜び、希望とともにリミナルダンジョンへ入って行った彼女だったが、結果はご覧の有様だった。冒険者ギルド上層部は、この結果を半ば予期していたが……。
 明るく振る舞うその見た目とは裏腹に、その瞳はだんだん赤みを増している。魔族の血が覚醒しつつあるのだ。

【ゼゴ】

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