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ステージに立つ事を本気で悩みぬいた話。

打ち上げから帰ってきて、程よく酩酊した頭で、この感情が薄れない内に文字起こしを始めました。

翌日午前11まで昏倒しており、続きを書き始め、現在午後1800時。

第3回 楽しい夕に

誘ってくれたcalla。
一緒に演ってくれたkoyomiさん、SUZUちゃん。
何より、同時多発的に数多のイベントが各地で開催されたこの日に、レンガ倉庫美術館を選んでくれたお客様へ、大きな感謝を。

【セットリスト】
The Step in the Darkness
evergreen(MY LITTLE LOVER)
カレー曜日(MARCO)
Q.E.D.(新曲)
Keep it Clear
Don't look back in angar(OASIS)

5分オーバー。
申し訳ございませんでした。

自己採点。
ギター 50点
歌 70点
総合 60点

もっとできたはず、リベンジしたい、と言う内容でした。ギリギリ及第点。

普段、いかに満とムラに助けてもらっていたのか、下駄を履かせてもらっていたのか、改めて痛感しました。

以下、話しそこねたMCと、正直な心の内です。
(書き終えて読み返して、これ喋ってたらただのトークショーになる所だった)

本当は、弾き語りもといソロ活動は、もうやるつもりは有りませんでした。

まず、10数年前にやったソロが、私的にはトラウマになるレベルで納得の行かないパフォーマンスだった事。
果たして、今の俺の状況と環境で、人様の前で演奏できるレベルに持って行けるのか?

バンドでやっている曲を「ギターが弾けるから」「歌えるから」と、安易に1人でやって良いのか?
それはただの1/3容量の劣化コピーになるんじゃないか?
KamaitaChiと言うバンドを、満とムラとの3人の音を期待してくれている人を失望させる事にはならないか?

お客さんに来てもらえるだろうか?企画者の期待に応えられるだろうか?
そんな迷いを抱えたままで、人を誘ったり、ステージに上がる資格がお前に有るのか?

俺が音楽活動をしてきた中で、今でも本当に苦痛な事が二つあります。

人を誘う事と、人の誘いを断る事。

俺の信念と言うか仁義として、
前者には「絶対に来て失望はさせない」
後者には「絶対に今の状態ではステージに立てない」
と言う、相反する絶対的な確信と理由と言う「大義」が必要だからです。

だから、人を誘う時、誘いを受けるときは、本当に苦悩します。
そこに大義は有るか?一字一句、表現や伝え方、タイミングは適切か?

前者に関しては、ぶっちゃけ放棄してしまっているバンドや人もある一定見受けられます。それはそれで仕方ないのではとも思う。
気持ちは分かりますが、俺は絶対にここはないがしろにはしたくない。だからこそ毎回、悩みます。

後者に関しては、悪い返事をしなくてはならない場合、心に大きな傷を負う事になります。
事実、去年10月にKamaitaChiを再始動してから、既にバンドとソロ含め、5つの誘いをお断りしています。
9年前に一度、無期限活動休止を発表したのも、今年春に早々に活動休止を発表したのも「出演の誘いを承諾できないので、誘いを受けないようにしたい」と思ったからです。

でも、今回は少し、かなり、勝手が違いました。

過去遡れば、灰色少女やアンプラグド猿、最近では将太やSUZUちゃんは、自分のバンドやグループが活動できなくなっても、一人でステージに立ち続けてる。
それはきっとオファーも有るからなのだろうけど、何より「どんな形でも良いから表現したい」と言う強い意志が有るからだと思う。

6thMANから二人が脱退し、小西君は一人になった。
でも小西君の火は消えてない。昨日もKTBで一人でステージに立ってた。

仙台JUNK BOXが移転に伴い営業休止。
それに伴いn.e.sが数年振りに姿を見せてくれた。花を添えてくれた。
その後LIQUID DESIGNSの直樹君と少し話をして、なぜあのステージに立ったのか、あのステージに立たなくてはならなかったのかを教えてもらった。

タクヤは逝ってしまった。
いくら綺麗事を並べても、タクヤに約束してた事も、タクヤに約束してもらってた事も、もう果たされる機会は無い。

マサシ君が、NIJIROCKFESの再開を決断した。
企画運営に2ステージまでこなした。
マサシ君を突き動かした物は自らの執念。
「誰に頼まれて」よりも「誰かの為」よりも、自らの執念。

MACARBLEは県外からの熱烈なオファーを受けて、到底無理があるであろうスケジュールに都合を付けて、TSUGARUを広めに行ってる。
俺らなんか比較にならないほど、スケジュール調整が大変な立場の人達ばかりなのに。

活動休止をXで表明してからわずか5日。
フーミンから来たオファーは「出演形態は問わないから出て下さい」と。

「細かい事は良いから、何でも良いから、今のお前を曝け出して見せろ!」
と言う事と受け取りました。

なるほど。
俺の中のちっぽけな苦悩など、フーミンにとっても、そして恐らく俺らを観に来てくれる人達にとっても、取るに足らない事だったみたいだ。

思い返してみれば20年前、フーミンと俺は逆の立場だった。
ライブハウスに居てバンド活動最盛期だった俺と、バンドを解散してソロで活動し始めたフーミン。
ジャンルも何も関係なく、フーミンには色んな人からの出演オファーが絶えず、ほぼその全てを受けてた。

以下、自問自答。
お前自身は、ステージに立ちたくないのか?表現したい事は無いのか?
約束はいつ果たすつもりだ?
やりたくてもできない人達の前で、やろうと思えばできるにも関わらず、やらないで逃げるのか?

・・・。

出演を承諾してからは、あらゆるつまらない拘りやカッコ付けを捨て去る事にしました。

エレアコにエフェクトと、演奏の粗さをカバーするギミックを導入しました。
ギターのストラップは弾きやすさを重視して限界まで上げました。
確実に衰えてきているであろう喉を労わるため、演奏中は飲まないと決めていた水も用意しました。
セットリストの半分はカバー曲。
これまでは絶対に晒したくなかった練習の様子も、少しでも興味を持ってもらえればいいと思ってガンガン公開しました。
粗かろうが不完全だろうが、これまでKamaitaChiを見続けてくれた人たちとの約束であった新曲も絶対にやると決めました。

全ては「会場の全ての人を1秒でも楽しませる」ため。

20年以上も音楽活動をやってて、ようやく気付き始めました。
俺の中での演奏者としての理想像と、俺が演奏者として求められている姿は、少し、かなり、乖離していた様です。

そうなのであれば、俺自身が恥ずかしかろうが気が引けようが、一人だろうが三人だろうが。
ギミックでも飛び道具でも外連でも何でも使って、皆さんに少しでも笑ってもらえれば。それだけです。

と言う訳で。

当面、一人になった清宮 from KamaitaChi.
俺が自分の意志で始めた「KamaitaChi」の看板を背負って、一人でできる限りやって行きます。

俺がやっていくのは、あくまでもソロ活動です。弾き語りには留まらないかも知れません。
打ち込みを使うかも知れないし、突然カラオケを始めるかも知れないし、とにかく人に楽しんでもらうためには何だってやる「音楽芸人」を目指します。

それが、俺の人生のコアであるkamaitaChiを守ると言う「大義」になります。

なので。

地元で活動する、俺たちアマチュア表現者からのお誘いが届いたら。
もちろん全てに応えて欲しいとも、リアクションして欲しいとも言いません。

たまーに気が向いた時にでも、久しぶりでもいい。SNSで動向を調べたり、投稿にメンションを送るだけでも構いません。
「見てるよ」「知ってるよ」と言う事を、俺たちに知らせてあげて頂ければと思います。

それだけでも、俺たちにとっては、大きな励みになるのです。
そして、その中から、あなたを腹の底から笑わせてくれるような、感涙させてくれるような、人に教えたくなるような存在がきっといつか出てきます。

俺は、メンバーと皆さんが帰って来れるように、信号を発信し続けます。

さて、練習するか。

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