仕事ができる人とできない人の差はなぜ生まれるのか?

仕事で大切なことは成果を挙げることです
仕事をやればいいんでしょ、という態度や考えの人がいますが、こういう人は成果を挙げることができなければ、たとえどれほど努力したとしても意味は無いということを理解しなければいけません
仕事は成果を挙げたその対価として報酬を得るものであるということを考えた場合、成果を出すのは当然のことだからです
また仕事とはただ単に成果を挙げればいいというものでもありません
仕事に対する取り組みが甘く、乏しい成果しか出すことができなければ、この人は仕事ができないと判断されてしまいます
大切な仕事を仕事ができない人に任せようと考える人はいません つまり、その人は何より大切な信用を失ってしまったわけです
その結果、その人がしていた仕事は、仕事ができる別の人に渡ることになり、その人には雑用みたいな仕事しか回って来なくなるか、または仕事そのものを失ってしまうことになってしまうことになります
成果を出すことができない人や乏しい成果しかあげることができない人は最後は仕事を失ってしまうので、成果を出すことが一番重要であると考えて間違いないと思います

そして実は成果を出すことと同じくらい大切なことがあります
先ほど信用を失ってしまったため、仕事を失ってしまうというお話をしましたが、それは仕事ができないと周りの人から評価されてしまったためです
そうなんです、この評価されることが、実は成果を出すことと同じくらい大切なことなのです
たとえ素晴らしい成果を出すことができたとしても、それに対する正しい評価を得ることができなければ、その価値は激減します
では仕事を評価するのは誰でしょうか?
それはあなたではなく、仕事をくれた上司やお客様になります
では、なぜ仕事をした本人は素晴らしい成果を出したと考えているのに、それに見合う正しい評価が得られないことがあるのでしょうか?
これは仕事を依頼して来た人の仕事に対する評価ポイントと実際に仕事をした人の評価ポイントが違うからです
では、お互いの評価ポイントがズレないように仕事をするためにはどうすればいいのかと言いますと、仕事を引き受ける前に自分の評価ポイントや仕事の仕上がり具合などを相手に伝えて、それでいいかどうか事前に確認してそこで調整しておくわけです
これにより、自分の評価ポイントと相手の評価ポイントが一致して、成果に対してより正しい評価を受けることができます

また、これはやり過ぎると逆効果ですが、成果をアピールすることも重要です
でも、控えめなさりげないアピールというのは普通の人にとってはけっこう難しいものだと思いますので、やり方を説明しますと、自分が気になった部分や注力した部分を1、2個簡単に伝えます
すると、相手が有能な人の場合はすぐに、あ、この人は仕事ができる人だと伝わります
なぜなら、仕事ができる人というのはただ漫然と仕事をこなしているのではなく、どうすればいい成果が出せるだろう?と常にあれこれ考えながら仕事をしているからです
そのため、簡単な報告に過ぎないさりげないアピールだとしても、この人はいろいろ考えて工夫しながら仕事をしているんだな、とすぐにわかります
ただ、この場合は成果そのものに対する評価というよりは仕事をした人に対する評価が上がることになると思いますが、実はこの評価が上がることが非常に大切です
なぜなら、何かあったらまたこの人に仕事を頼もうと思うからです
ただ漫然と仕事をする人と、どうやったらいい仕事ができるか自分であれこれ考えたり、調べたりしながら仕事する人では、この両者の差は月日が流れると大きな開きが出てくることは間違いありません
それはすべて積み重ねによって鍛えられた実力とそれに伴う正当な評価によるものです
このように同じ仕事でも取り組む人によって成果に差が出ることがわかりました
では、同じ仕事、同じ成果だった場合、どこで他の人と差をつけるのか?ということになりますが、ここで私がそのことについて考えた時のことを実例でご紹介したいと思います
私が高校生だったある日、国語の先生がこのように言われました
中学より高校、高校より大学の方が学力が近いので、それはつまり家庭環境や経済力、考え方なども近い人が集まっていると考えられるから、友達ができやすいです、みたいなお話でした
それを聞いた私はこう考えました
同じような考え、同じような実力だと仮定した場合、その中で私が選ばれるためには他人には無い何かが必要である、と
そこで私は言葉の表現力で差をつけることにしたのです
表現力は他人に伝えたり、アピールする場合、必ず必要になってきますし、一生使えるので身に付けて損は無いと考えました
私は表現力について以下のことを大切にしています
①豊かな文章表現により、相手の感情に訴えかける
②子供でもわかるような簡単な言葉を選ぶことでよりわかりやすい文章を心がける
③読んだ人の何か役に立ったり、相手に喜んでもらえるような表現や内容を心がける
ここは仕事というよりはコミュニケーションの部分になるかも知れませんが、仕事に対する真摯な姿勢を見せることで信用を得られることもありますので大切だと考えています
特にこれからのリモートワークや在宅ワークなど直接会わない場合は、その分マナーや言葉遣いなどから相手の人間性を判断するしかないような状況になります
つまり、乏しい情報から相手の人となりを判断するしかないので、その乏しい情報が不適切だったり、好ましくない表現だったりした場合、相手はそのまま判断することになります
せっかく素晴らしい仕事ができたとしてもマナーや礼儀が悪いために、いい評価を得ることができなかったとしたら大変な損失だと思います
こういう事態を避けるためにも先ほど私が挙げた3つのポイントを大切にすることで回避することができると思います
例えば①は人間は感情で判断し、行動するので、なるほど、正しいなと納得するだけでは行動するまでには至りません
しかし、これは素晴らしい、ぜひやりたい、そう思って頂けることで行動に移し、成果を得ることができます
②わかりやすくするのは相手に対するおもいやりからです
おもいやりとは相手の立場に立って物事を考えることです
つまり、難解な文章を送った場合、それを読み進めるのはかなりな労力になります
また相手の持っている知識量によっては理解できなかったり、誤った理解をしてしまう可能性もあります
そのため、読んだら誰でもわかる単純明快な文章だと読みやすく、また誤解も少なくなるので、ストレスなく気持ちよく読み進めることができます
③これはサービス精神が元になっていて、なんでもそうですが、足らなくてもいけないし、過剰だった場合、相手が押しつけられていると感じたり、しんどさを感じたりすることもあるので気をつけなければいけません
このバランス感覚を養うのはそれまでの人生経験からしか学べません
普段自分のことしか考えていない人はこのバランス感覚を養うことは不可能だと思います
私がこのバランス感覚を養う一番いい方法は普段から相手のことをよく考えた言動を心がけることですが、それが難しい人は自分が言われたらうれしいということなどを相手に伝えるようにすればいいと思います
いずれにしても相手は自分とは違う人間です、これはつまりどれだけ誤解がないように頑張ったとしても、自分が思っていたのとは違う解釈や受け止め方をする可能性があるということを忘れてはいけません
ただ、これらのことを心がけることによって、たとえ自分が思っていたのとは違う解釈をされて誤解などが生じる事態に陥ったとしても、事前にその可能性について考えておくのと、まったく予想していなかった場合ではスピードから何からその後の対応がまったく違うものになりますので、そういうことは事前に考え、備えておくことはリスクマネジメントとして大切なことだと思います

人は能力(仕事などで成果を出す力)と人間性(マナーや礼儀、モラルや周囲の人に対する気遣いやおもいやりがあるかどうか)で評価されるので、素晴らしい仕事というのは能力だけではなく、その人間性が伝わるものが人に感動を与える仕事になります

私が感心した例に湯呑みがあります
口をつけるフチの部分を厚くすることで熱いお茶でも口に熱さが伝わりにくいように工夫しているというお話です
で、ここは技術やテクニックの部分ではないんです
どれだけ素晴らしい技術やテクニックを持っていたとしても、それだけでこの湯呑みは作れないんです
なぜならこの湯呑みは熱いお茶を飲む人の情景そのものを思い描くことなしに作ることは決してできないからです
私は湯呑みや陶芸には明るくないのですが、素晴らしい技術を身に付け、誰にも負けない湯呑みを作ってやろう!と頑張って作った湯呑みは芸術品であり、そういうことは排除されて作られるのかも知れませんし、また芸術品としては素晴らしい評価を得ることができると思います
しかし、湯呑みを使う人のことを考え、フチを厚めに作った作品はたとえ見た目は悪く、芸術品としての価値は皆無だったとしても私はその人の優しい心に感動し、そのことを高く評価します
これからのリモートワークや在宅ワークでは実際にこういうことを実行するのは仕事的に難しくなることでしょう
しかし、こういうことを知り、そうしたおもいやりの気持ちを大切にしている限り、相手には伝わるものが何か必ずあるのではないかと私は考えます
どのような仕事であれ、仕事に対する優れた能力だけでなく、同時に人間性も磨いておいておかないと人を感動させる仕事はできないと思います

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