『叶わぬ願いとからくり箱』ボイスドラマ化準備

去年の夏。
『叶わぬ願いとからくり箱』という、声劇台本を投稿しました。

このお話は、終戦記念日に向けて書いたお話です。

そのお話を、ボイスドラマ化する話があり、動画用のイラストを作成しました。
描いたキャラクターイラストは、当日のお楽しみということで雰囲気だけでも伝わるものを。
からくり箱のイラストは、瑠莉奏ちゃん作です。

今年の終戦記念日に公開するべく、着々と準備が進んでいるようで、
私も観られる日を楽しみにしています。

せっかくなので、少しばかり物語に込めたことを綴りたいと思います。

戦争を経験したことのない世代。
語り継ぐ人も減り、近いようで遠いものとなった戦争。

もしも、また戦争をすることになってしまったならば――

高校を卒業したら大学に行き、就職して。
そして、いつか結婚する。

そんな未来を想像していた。
当たり前にできると思っていた。

けれども、戦争になってしまい、
その当たり前がなくなってしまう。

愛する人と笑い合って過ごす予定だった未来が、奪われる。

祖父から受け継がれたものも、途絶えてしまう。

祖父のときには、守ることができた、からくり箱。
受け継がれた孫の代では、守り抜くことができずに散ってしまう。
それはまた、からくり箱そのものだけではなく、想いも共に。

わずかな希望で危険と知りつつも、電源を入れたスマートフォン。
それは、愛する人からの連絡を受けたかったから、言葉が欲しかったから
知りたかったから、安心したかったから。

ただ、それだけだった――

そんな小さな祈りのためにしてしまった行動が
自分自身を
大切な人達と過ごしてきた思い出のある街を
家を、家族を
一瞬にして飲み込み、奪い取られる引き金になってしまう

伝統も。希望も。大切な人も……記憶も、命も。
何もかもを消し去ってしまう、戦争。

どうか、どうか、もう二度と。

そして、そんな悲しいことを強いられている国がなくなることを願って。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?