『叶わぬ願いとからくり箱』ボイスドラマ化準備
去年の夏。
『叶わぬ願いとからくり箱』という、声劇台本を投稿しました。
このお話は、終戦記念日に向けて書いたお話です。
そのお話を、ボイスドラマ化する話があり、動画用のイラストを作成しました。
描いたキャラクターイラストは、当日のお楽しみということで雰囲気だけでも伝わるものを。
からくり箱のイラストは、瑠莉奏ちゃん作です。
![](https://assets.st-note.com/img/1721396409185-Uyb5dv9Zkm.png?width=1200)
今年の終戦記念日に公開するべく、着々と準備が進んでいるようで、
私も観られる日を楽しみにしています。
せっかくなので、少しばかり物語に込めたことを綴りたいと思います。
戦争を経験したことのない世代。
語り継ぐ人も減り、近いようで遠いものとなった戦争。
もしも、また戦争をすることになってしまったならば――
高校を卒業したら大学に行き、就職して。
そして、いつか結婚する。
そんな未来を想像していた。
当たり前にできると思っていた。
けれども、戦争になってしまい、
その当たり前がなくなってしまう。
愛する人と笑い合って過ごす予定だった未来が、奪われる。
祖父から受け継がれたものも、途絶えてしまう。
祖父のときには、守ることができた、からくり箱。
受け継がれた孫の代では、守り抜くことができずに散ってしまう。
それはまた、からくり箱そのものだけではなく、想いも共に。
わずかな希望で危険と知りつつも、電源を入れたスマートフォン。
それは、愛する人からの連絡を受けたかったから、言葉が欲しかったから
知りたかったから、安心したかったから。
ただ、それだけだった――
そんな小さな祈りのためにしてしまった行動が
自分自身を
大切な人達と過ごしてきた思い出のある街を
家を、家族を
一瞬にして飲み込み、奪い取られる引き金になってしまう
伝統も。希望も。大切な人も……記憶も、命も。
何もかもを消し去ってしまう、戦争。
どうか、どうか、もう二度と。
そして、そんな悲しいことを強いられている国がなくなることを願って。
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