こえコン!Vol.7 感想(2024/11/03開催)

2024年11月3日。

予報では雨模様。
そんな天気を皆様の期待感が変えたのか、晴天となったこの日。
こえコン Vol.7が開催されました。

今回は、しなコンの受賞作のみが上演される、初の試みの回。
私を含めた受賞者の皆様も、このような舞台で上演いただけることを楽しみにされていたことでしょう。


『ユメカナイノ館』(作:栞星-Kanra-)

飯沼:ひらのあっきーさま
レオ:ベルナックルさま
ララ:楔雪氷さま
レレ:青井雅さま

リアルタイムでは、オンライン配信(=音声のみ)で拝聴しておりましたが、
後日、『ユメカナイノ館』のみ録画データをいただけましたので、そちらを観ながらの感想となります。

客席側に広がった台形。
手前にララ、レレ。奥にレオ、飯沼という立ち位置。

始まりのトランプ遊びのシーン。
位置関係としては離れているのに、それを感じさせない動きと、楽しそうなやり取り。

飯沼を出迎えてからのララ、レレの可愛すぎること。
明るく、好奇心旺盛そうなララと、その後ろを付いて回っていそうな控えめなレレ。

飯沼の「可愛いなぁ」が、しみじみと噛み締めている感じがして、
今後の展開を知っているが故に「ララ、レレ、逃げて!」と、言いたくなってしまいました。

お声も執事のようなレオの登場で、空気がフッと落ち着く館。
そこからの、演者紹介が格好良い!

二人のお手伝いをしてあげる飯沼は優しくて、ほんわかするひと時。
顔を見合わせて笑うララ、レレは本当の双子みたいで、とにかく可愛い!
飯沼も、だんだんと二人のお兄さんに思えてくる。

レレのみがいる部屋を訪れた飯沼。
自分で口を押さえて勢いよく後ろ(飯沼の方)を向く動作が、飯沼に無理矢理向かされたように見えて恐怖心が煽られる。
実際にナイフを見せつけながらの演技と表情に、現地で観劇してくださっていたリスナーの方々は、より恐ろしさを感じておられたのではないでしょうか。

ララも、同じように自分の首に手を当てながらの演技。視覚的にも苦しそう……。
ララが殺された後、そちらに目をやるレレの様子に、胸が苦しくなりました。

それを見つけたレオ。
今までの紳士的な応対から、唯一の声を荒らげるシーン。平常時との差が、緊迫感を伝えてくる!
そこから、一瞬で戻るところもかっこいいですね、もちろん締めの一言も。
終わりを告げた後のレオの声が、心なしかいつもより優しく聞こえるところも空気を変えてくれる。

飯沼の最期のシーン。
ララ、レレ、レオが、ゆっくりと飯沼に視線をやってからの場面転換という演出も素敵です。
セリフのない登場人物との掛け合い。
誰かが話しているかのような効果音が入っていて、その音がまた怖さを連れてくる。
叫ぶシーンは、後ろを向いておられて。表情が見えなくなったからこそ、その後を想像させられました。

そして最後。
今まで、登場する度に「可愛い!」と声に出して言いたくなるララ、レレが。
さらっと大人に変化。
館の女主たちであることを見せつけての終演。最後まで魅せられました!

飯沼がレレに構えていたナイフ。
レレが絶対に怪我をしないように、と、黒崎ろくさまが刃先を処理して下さっていたそうです。
色々なところで支えていただきながら、こうして演じていただけていることに感謝しかありません。

(さくらもちさまよりポスト返信にて)


『演者のいない演劇部』(作:さくらもちさま)

ヒナ :カノカノさま
リョウ:変態紳士さま
アマネ:みゆうチャンさま
ミズキ:雨宮水ノさま
ユキト:入谷円斗さま

最初から始まる、脚本家同士の熱いバトル!
3:1でユキトの肩身が狭い……部長なのに。

ヒナが現れた瞬間の、4人が一気に詰め寄る感じが良いですね。
そして、脚本家メンバーが得意なジャンルを語るシーンは、頷きながら聞いてしまいます。
そこは仕方のないことでしょう。

と、思っていたところに……ユキト!
まさかの、なぜあなたが演劇部にいるのでしょうか?! 部長なのに。
あなたこそ、まさしく裏方であるべき存在です!
ヒナは掛け合いが演りにくかったことでしょう。

アマネは、一人称に名前を言うところでキャラクターを確立していますが、
ミズキの「いいよ、遠慮なく言って」の言い方が、今まで溜まっていたものが、口に出したい言葉が喉まで来ている感じがして、
気になるキャラクターポイントを上げられました。
リョウは説得時の熱量が……! 正面に立たれて、肩を掴まれている雰囲気がします。

ヒナ、部長に任命された瞬間、急に青春脚本を体現し始めましたね。頭に白のハチマキが見えました。

ラスト。
ユキトは、決めていたのかと思うくらい、最後まで美味しく持って行きましたね。部長なのに。


『赤腕の亡霊』(作:月駆さま)

クリム :ねるねさま
リズ  :てんしさんさま
ビル  :えんちょぬるさま
マスター:ともぴさま

クリム。男性が演じられると思っていたので、女性の演者様であることに驚きつつ幕開け。

マスターは、夜のバーが似合いそうな雰囲気。ウイスキーグラスの氷を指で混ぜるお客様がカウンターにいらっしゃりそう。

リズ、登場から可愛いですね。
早口で、人の話を聞かないところが、表情もコロコロ変える、手振り身振りの多い子なんだろうなぁ、と、想像させられます。

ビルも、リズに対する言動から、いいおじいちゃんなのがわかります。
ビルがいるからこそ、リズも寂しくないのでしょう。

マスターの豹変シーン。
じわりじわりとにじり寄ってくるようにセリフを言っていたかと思うと、急に狂ったように変わることで、違った種類の恐怖を与えてくる。

効果音だけで状況を想像させられたり、
BGMによって次の場面に先行して頭の中が移動しているため、セリフがスッと入ってくる。
世界に入り込んで聴いているときには、それがあって完成されているからこそ意識することがありませんが、
音響の凄さを実感させられます。

解決した後の、ビルがクリムに話した心の内。
悔しさが伝わってきました。

リズからの温かい言葉、ビルの持論。
優しい風が吹き抜けていくような爽やかな終演。格好良くもあり、とても綺麗な余韻が残る。

クリムが女性だからこそ、段々と二人が年の離れた姉妹のように思えてきました。
いつか二人で旅をして欲しい……!

作者の月駆さまと同じく、
赤腕を「あかうで」と、読んでおりました。

(余談)


『ささくれ』(作:ものかきさま)

落合:バ美肉おじさま
秋庭:塩結ノ介さま

BGMをあえて採用しないことを選択されたグループ。
せっかく付けていただけるこえコンなのに勿体無い!
……と、思っていましたが、ないからこそ、演者様がすべてのリズムを制御できる。
「BGMなし」だからこその見せ方なのですね。

落合は、お声と口調から、着物を着て気だるげに、左下にずっと目線をやりながら話をしているのが浮かぶ。
秋庭は、登場シーンは明るく先生を振り回す、いえ、あしらうことが得意な女性のイメージから、段々と淑やかさを纏い始め……。

気付いた心をそのままに、素直になればいいものを。
けれどもそれが彼ら、なのだろう――

どっぷりと、その世界を広げたままに、そっとと本を閉じられた

拍手の音で、現実世界に引き戻される。
不思議な感覚の中に浸ることができました。


『魔王城の7人』(作:雪のキシイさま)

バーナー:ねすとさま
ジョウロ:フキヤさま
コイル :孫我さま
シャベル:いぬのはにゃさま
ファン :采さま
メテオ :むのうさま
カーテン:KKさま

カーテン、メテオペアの魔王、大臣のお声が、役職にピッタリで。
登場人物が多いからこそ、登場人物を確認しなくてもよいのが有難いです!

バーナーが関西弁イントネーションで話す……いえ、話そうとする度に笑われるリスナー様の反応に、
一緒に笑ってしまいました。

ジョウロ、頭の良さが話し方からも納得ですね。
ですが、うっかりカーテンの可愛さをアピールさせてしまう結果に……!

ファンのサラリとした雰囲気が、まさしく「風」。
コイルは可愛い。身長も一番可愛いのですね……と、皆様が並ばれた姿を見たくなってしまう一言も。

と、思っていたら、今度は、ファン。心の内をメテオにだけ打ち明けているのが、性格が出ていますね。

実は、大臣の後任を決めるため……ということが明らかになってからは、今まで以上に笑ってしまいました。
皆様が一言発せられる度に笑いが止まりません!

最後は、カーテンまで混ざってしっかちゃめっちゃか……。
さて、新魔王は誰の手に――


『崩壊家族』(作:らてさま)

父:入谷円斗さま
母:青井雅さま
姉:さくらもちさま
弟:愛の伝道師しょーさま

父は、『演者のいない演劇部』のユキト
母は、『ユメカナイノ館』のレレ

レレがお母さんに……! と、聞き入ってしまいました。

姉は、作者として現地入りされた、さくらもちさま。
父との会話にイヤそうな顔をしていることが分かる。
演者もこなされるなんて、流石です!

しっとりとした最後の日。
思い出のアルバムを捲る……。

が……、お母さん?!

娘に彼氏がいることを、父のみが知らないあるある。

唯一の味方と思っていた弟に振った後……
象牙……! 可愛いお声で、さらりと、はっきりと何度も告げてくるところが、笑わせてくる。のに……可愛い!

最後の日が最後の日ではなくなった瞬間。
三人の切り替えの早さが、またいいですね。

お父さん……。ユキトが父親になったら、きっとこんな家族になるのでしょうね


全体感想

やはり、こえコン
さすが、こえコン。

音響もですが、どうしてこんなにも演者様がお話に合っているのか。
いえ、合わせることができるのか。

一作品の作者として、楽しい、幸せなひと時をありがとうございました。
最後は、たくさん笑わせていただきました。

これからも、こえコンの開催、配信を楽しみにしております。

開催して下さった、こえコン運営の皆様。
演じてくださった、演者の皆様。
そして、会場から笑い声を届けてくださったリスナーの皆様。
本当にありがとうございました。

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