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人生初の一人登山で身も心もちょっと軽くなった話

2021/3/18宝登山(野上~長瀞アルプス~宝登山山頂~長瀞)

有休をとって、人生初めての一人登山(単独行とか言ってみたいけどちょっと照れる)!

埼玉県・秩父の長瀞町にある宝登山(ほどさん)に登ってきました。

初めての山登り

とにかく初めての山登りということで、数週間前から「山登り 初心者 関東」「登山 一人 初めて」なんてキーワードで検索しまくり。そしておすすめで絞ったのが

・高尾山(東京都・約599m)

・丹沢・大山(神奈川県・約1252m)

・鋸山(千葉県・約330m)

・筑波山(茨城県・877m)

・宝登山(埼玉県・約497m)

の5つ。

高尾山だけは10年くらい前に奇跡的に登ったことがあったので(といっても表参道の1号路を往路だけ登っただけでバテバテになった記憶……そして道が舗装されまくりだったので、登山感はあんまりなかった)、せっかくなので抜きにして、残ったなかで「3月の低山で、安心してゆっくり歩けそう」という条件を満たすのが、宝登山だったのです。

この日の服装は、長袖インナー(本当は綿でないほうが良いらしいけれど、綿しかなかった)+パーカー(同じく)+ダウンジャケット+キュロットパンツ(とにかく日頃スカートしか履かないので、家に唯一あったパンツ型の衣類)+厚手の靴下にキャンバススニーカー。山登りにしては非常に微妙だけど、おいおい揃えていこう……。

持ち物は、ビニール袋大小(色々使えて便利らしい)+行動食(チョコとナッツとドライフルーツ)+朝食のおにぎり2つ+山頂で食べるおにぎり2つ+500mlの水3本、モバイルバッテリー、タオルをいつもはパソコンを入れてるリュックに。コンパスはアプリでいいか。地図がないのが不安だけど、ルートはネットで調べたのでそれをブックマーク。雨具は早めに買ったほうがいいんだろうな。

野上駅から登山口へ

最寄り駅から東京駅まで出て、東京駅から上野東京ラインで熊谷駅まで。そして熊谷駅から秩父鉄道で、宝登山の登山口がある野上駅まで約2時間半。と言っても、前日までバタバタだったので、電車の中ではほとんど寝てました。寝てるうちに着いてました。

野上駅着10:44。

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うまくすればここで登山コースが書かれた地図くらいもらえるかな、なんて思ってたら全然そんなことなかった……ナニモナイヨ。

さて、野上駅から長瀞アルプスと呼ばれる山稜をたどり、宝登山山頂を目指す道は「万福寺コース」と呼ばれているそうで、歩く距離は約9km、かかる時間の目安は3時間半とのこと。往路だけならみんな2時間から2時間半で登ってるっぽい。

帰りは宝登山山頂からロープウェイを使うとして、私の足なら…うん、6時間見ておけば余裕だな! ロープウェイの最終便が17:20(2/21~6/10)だから、さすがにこの時間から登れば間に合うだろう。

というわけで、駅から登山口に向けて歩き始めたのですが……けっこうかかる。いや、普段歩き慣れてる人からしたらたいした距離じゃないんでしょうが、歩くの自体久しぶりなので、いきなり疲れます。

とはいえ、道自体はまっすぐで標識も出ていたので、ほどなくして迷うことなく宝登山登山口に着きました。登山口の近くにキレイなトイレがあるのでここで行っておくと良いかも。

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長瀞アルプス登山口から「氷池分岐」

登り始めるといきなり山道。

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ちょっと待って。ファミリーでも登れる気楽な山って書いてなかったか。しかもけっこうぬめるし! 焦りながらソロリソロリと山道を進む。

だんだん歩くのにも慣れてきて、道もなだらかになってきたところで、最初の「鳶岩分岐」発見。ここに切り株があったので、いきなり腰をおろして朝ごはんを食べることに。いいんだ、私はゆっくり行くんだ。安全第一なんだ。

ちなみに、着てきたパーカーとダウンジャケットはここで脱ぎました。この日は天候も良かったからか、もう暑くて暑くて! まあ装備としては万が一のためにも必要なのかもしれないけど、この日、少なくともパーカーはいらなかった気がする……。

さて、その後も、ちょこちょこ標識が出現。宝登山と書かれたほうに進みます。(まあこの話の流れで、そりゃあ野上駅って書いたほうには進まないだろうよ)

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さらに歩いて行くと、「坊山分岐」発見!なんだかんだで標識を見つけると、たどり着いた感があってうれしいし、道が間違ってなかったと分かって、ホッとするね。

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ときどきこれどっちに進むの!?みたいな箇所があったり(ここは左)、下り坂になっていて、本当に登っているのか!?と動揺したりしつつも、ネットに書かれていたポイントが所々出てくるので、基本的に安心して進めます。

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これもネットに書かれていた、自然林と人工林が明確に分かれている地点。

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ひとつ、反省したいのは、ネット情報をブックマークしまくったはいいけれど、ときどき届かなくなるんですよ、電波が。これは低山だからと思ってなめてたなと。まあちょっと歩いていけばすぐに立つんだけど、ブックマークじゃなくてせめてプリントアウトくらいしておいたほうが、今後は安心かなと。

そうこうするうちに、「氷池分岐」に到着。この氷池は、宝登山神社の参道にあるかき氷屋「阿左美冷蔵」の製氷池なんだそうです。

「阿左美冷蔵」、帰りに寄ってみよ。

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野上峠・小鳥峠・奈良沢峠~「毒キノコに注意」

「氷池分岐」からは、なだらかな道が続きます。平日だけあって、ほとんどすれ違う人もいなかったのですが、一回、すごい健脚おばちゃんに追い抜かれました。

「宝登山はこの先ですか?」と聞いてみたら「まだまだありますよ!」とニヤリ。ひえええ。

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小鳥峠を越えるとすぐに、奈良沢峠。ここで長瀞アルプスの山稜地帯は終わり、久しぶりにアスファルトの道と合流。

宝登山山頂に向かって進みます。

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アスファルトの道、けっこう長い。この頃になるとだいぶ疲れてくるので、ちらほら休憩を入れつつ。暑いので、行動食と水はちょいちょいとるようにしていました。水500ml×3本なんて絶対飲めないだろ、と思いながら持ってきたけど、全然なくなるね。

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そしてついに!!!

有名な「毒キノコに注意」の看板に到着! ここが宝登山山頂への登り口です。そして、ここからはラストスパートの階段地獄が待っているのです……。

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階段地獄~宝登山山頂

最後の難関と言われる階段地獄に備えて、杖のようなものをゲット。ちょっと長いけど、まあいいか。これがあるとないとでは、上り坂の負担がだいぶ違った。そのうちストックも買いたいな。

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ここからは600メートルくらいらしいのですが、とにかく木の階段が延々と続きます。

長い。

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引きで見るとすいすい上れそうに思えるけど、実際に登るのはこんな感じなわけで。もうゼエゼエハアハアの世界。

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まだまだ続くよ。とにかくどこまでも続く。嫌がらせのように続く。この階段、設置した人、マジですごいわ……。

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階段の途中でぐったり休憩。

なんだこの地獄階段。もういやじゃー。

でも、ここでボーッとしてたら、緑色のなんか知らない鳥が飛んでた。オレンジ色のキレイな蝶々もひらひら飛んでた。

山登りって、なんか一歩一歩登るごとに、いろんなものが落ちてく感じあるね。普段、けっこういろんなものを乗っけて生きてる気がするけど、登ってるうちに、それがだんだんとれていって、自分がどうしたいのか、何が一番大事なのか分かってくるような。

初心者の一人登山なんて迷惑千万と言われてもしかたないのかもしれないけれど、誰もいないことがこんなに心と体に沁みて癒やされるってすごい。あと無駄な高揚感と自己肯定感もやばい。なにこのセラピー効果。

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階段地獄の終わりのほうには岩場もあってギョッとしたけど、これは巻いて(迂回して)登ればいいんだな。はい、「巻いて」って言ってみたかっただけです。

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やっとのことで、山頂到着!!!!! やったー!!!!!

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一人でゼエゼエハアハアしてたら、長瀞駅のほうからロープウェイで登ってきたお母さんと息子さんに奇異な目で見られたので、隣の駅の登山口からずっと歩いてきたんですーゼエゼエ、って訴えたら、写真を撮ってくれた。親切だ。

山頂からの景色はやっぱり感動。蝋梅が咲いてる。街も見える。

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おにぎりをようやくムシャムシャします。ちなみに、この時点で14:40。平均2時間から2時間半のところ、4時間かかってるという。いや、いいんだ。私は私のペースで歩くんだ。ロープウェイの時間にもちゃんと間に合ったし。

おにぎり、おいし。

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ロープウェイ宝登山山頂駅~長瀞駅

山頂からロープウェイ駅に下っていく途中にある宝登山神社・奥宮に参拝。奥宮って響き、なんか秘密めいた匂いがして昔から好き。

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さらに下っていくと、蝋梅と梅の協演。蝋梅が咲いているのは知っていたけど、梅は全然予期していなかったので感動もひとしお。

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なにこれ桃源郷ですか。いや、梅だから梅源郷?

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宝登山ロープウェイ駅に到着。

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じつはこのとき、まだ下り1~2時間くらい歩けそうな体力はある気もしたんだけど。キャンバススニーカーで行ったら、とにかく滑るんですよ。このご時世に、単独行(言ってみた)で滑落とか、さすがに迷惑すぎる。

デザイン気に入ってるけど、こいつは街の子だな。シュミットボン!

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ロープウェイ「ばんび」号。レトロかわいい。

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こんなに時間かけて登ってきたのに、下りはロープウェイで5分でした。

ロープウェイを下りたところから、長瀞駅まで15分くらい。宝登山神社の参道になっているので、蕎麦屋とか蕎麦屋とか蕎麦屋とか、いろんなお店が並んでます。この蕎麦にかける情熱はなんなんだよ。

「阿左美冷蔵」発見。

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限定という響きに負けて、白みつかき氷を。1100円とはけっこうするな……と思ったけど、なにこれおいしい!!!!!

山登りのあとのかき氷とか、犯罪的においしい。やばい。そして、この氷があの山の氷池のものだと思うと、それがまたたまらない。


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参道をぶらぶら歩いて長瀞駅へ。

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帰りの電車もほとんど寝てました。疲れすぎて、熊谷と赤羽の乗り換えで乗り過ごしそうになって焦った。帰りは湘南新宿ラインだったので、赤羽で寝過ごしたら国府津まで行ってしまうわ……。

19:00頃に最寄り駅着。天下一品ってなんでこんなに疲れたときに沁みるんだろ。

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そんなこんなで、初めての山登り、ものすごい筋肉痛になったけど、とてつもなく良かった。

心も体もちょっと軽くなった感じ!

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