考えうる限り最悪の洗濯

朝からすごいものを見た。そんなことある??って1人で何回も言った。母は朝早くから仕事に出掛けていたので、母がボタンを押した洗濯機の中身を回収して干すのが今日の私の朝の仕事。バイトに行くまでにそんなに時間もないのでさっさと終わらせようとあくびをしながら洗濯物と対峙した瞬間、眠気は全部飛んだ。あくびも途中で止まった。多分。


確かに昨晩は疲れていた。大阪から帰ってきて疲れている体に親子してまあまあな量のシャンパンをぶち込んで、優雅に観戦していた日本シリーズはとてつもない展開が待っていて。身体も疲れたし感情も疲れた。適当に脱いだものを洗濯機に放り込んで寝た、と思う。確かに。

さて、今朝に話を戻そう。まず私の目に入ってきたのは、キスマイのピンクのタオルにこれでもかとこびりつく白い紙屑だった。ああ、やっちまったか、と察した。小さい頃からポケットにティッシュを入れたまま洗濯物を回して悲惨なことになった経験はある。面倒なことになった、とテンションはダダ下がりである。

しかし、今日の私の愚行はそんな可愛いものじゃなかった。次に目に入ってきたのは白いTシャツにポツポツとこびりつく砂粒くらいの大きさでジェル状の謎の赤い物体だった。頭の中にはてなが浮かぶ。よく見ると最初に見たピンクのタオルにも、見えづらいながらも赤い物体がいる。なにこれ。

次の瞬間、全てを察した私は全身の血の気が引くのを感じた。さて、察しのいい読者諸君はお分かりだろうか。昨夜の私はあろうことか、寝ぼけて使用済み生理用品もろともに洗濯機に放り込んで回したのである。うーん、考えうる限り最悪な洗濯。

無限に出てくる紙屑と赤いジェル。洗濯したらああなるのね。皆さんは一生知らなくていいです、こんなこと。こんな始まり方の1日ってあるだろうかとため息をつきながら撤収作業に追われた。一点、良かった点としては奴はジェル状なので、服にシミみたいな感じで移ってはないということ。もちろん母の洗濯物もあったので、固形物は全て取り除いてもう一度洗濯機へ。

どうにも私は生活力が低い。なんだか人間として大切なものが欠けている気がする。今は母娘2人暮らしだからどうにかなったけど、3年前なら洗濯は父の仕事だったから……。想像すると身の毛がよだつ。皆様、こんなことやらないと思うけどどうかお気をつけて。結構、へこみました。


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