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鳥取スズキ販売有限会社(倉吉市伊木)

昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年10月5日号より、鳥取スズキ販売有限会社の記事をご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、事業内容・方針、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。


【事業所めぐり48】鳥取スズキ販売有限会社(倉吉市伊木)


鈴木自動車工業㈱の鳥取県総代理店として、山陰では最右翼の位置にある。44年に倉吉本社を新築、翌45年には鳥取営業所を開設、と急速な車の増加と共に順調な経営を続けてきたが、石油ショック、排ガス規制と相次ぐパンチを受けてこの業界の前途も険しさを増している。

特に修理屋、自転車からの転業組も合わせて県内に大小400軒もあるといわれるように、乱立による過当競争は深刻な問題となっている。「中古車の無理な下取り、車検時のダンピングによる整備不良の問題など課題は多い」
と宇崎会長も業界の持つマイナス的体質については顔を曇らせる。しかし、いずれもメーカーとの問題や車検システムの問題など複雑な要因がからみ合った積年の課題だけに「一朝一夕には解決はできない」と業界一丸となった地道な努力に期待する。

しかし、同社の場合、主力商品としては軽トラックが大半を占めるせいもあって減速経営下にあっても、比較的順調な伸びを示している。「酒屋さんやスーパーなど、業務用で小型トラックを使用していた店が、経費の削減ということで軽トラックに切り換えるという事業所が出てきた」ということもあり、その意味では軽トラック部門に関する限り、各社の緊縮対策が逆にさいわいしたともいえる。宇崎会長は「ウチの場合、地理的にも郡部におけるシェア比率がかなり高いですから、むしろ農家の景況による影響のほうが大きい」ということで、農村経済の先行きを注目している。

車の買い換えの時期については軽トラックの場合、「三年半から四年」と、乗用車とは逆にややサイクルが伸びている。それと、現在各ディーラーとも頭を痛めている問題として、下取り中古車の在庫過剰という難門がある。この点について「新車との販売比率で90%前後」ということだが、スクラップにしてしまう分も含めるため実際にはもう少し落ちる様子。課題の減量経営については「合理化は必要だが、セールス部門にはまだまだ優秀な素材が欲しい」と販売部門の充実、強化に意欲的で、場当たり的なセールスではなく、顧客との信顆関係で結ばれた営業マンの育成に力を入れたい様子である。修理部門も13人をそろえ、「お客へのサービス第一」をモットーに「信頼されるディーラーとして成長したい」と同会長。
(昭和52年10月5日号)


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