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グンゼ株式会社倉吉工場(倉吉市福吉町)


昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年9月25日号より、グンゼ株式会社倉吉工場の記事をご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、事業内容・方針、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。



【事業所めぐり46】グンゼ株式会社倉吉工場(倉吉市福吉町)


“一本の糸を追求し、総合既製服メーカーの道を歩み続ける”グンゼ㈱の唯一のファンデーション製品製造工場。敷地面積3万6364平方㍍という工場規模を誇り、裁断機6台、電動ミシン約450台などの機械をそなえ、ブラジャー、ガードル、オールインワン、ランジェリー、ショーツ、ナイティーなど、婦人用下着を年間約600万枚生産している。

グンゼ㈱は、京都府何鹿郡の蚕糸業振興を目的として明治29年に創立。以来、生糸の品質向上のために研究を重ねた結果、数年のうちにその名は、海を越えて世界に広がるまでに発展していった。これにつれて同社は当時蚕糸事業だけだったのを昭和9年にくつ下、21年絹織物、22年メリヤス、30年合繊加工、32年レース、33年テキスタイルなど創業80年余りで11事業を手がけ、工場も20を数えるに至っている。特に、蚕糸をはじめとしてメリヤス、くつ下の3事業はわが国業界のトップを占める。昨年の年商は1000億円を超え、ことしも7月現在で前年比37%アップの売り上げ高。

わが国のファンデーション業界は現在、トップのワコールを除いて多くのメーカーがひしめき合っているが、同社もその一つで国内では7%のシェアを占めている。

倉吉工場は、大正8年の火災によって多額の負債を負った山陰製糸㈱を買収、昭和8年2月に設置され、製糸工場としてスタート。しかし、まゆが少なくなってきたことから、40年9月に生糸の製造を廃止して、新しくファンデーション製造工場に転換した。以来12年、ファンデーション事業唯一の工場として、卓抜した縫製技術を基に独自の設計による“クレカップ・ブラ”、“ユニカット・ガードル”、“ヤンレット”などの新製品を開発して多くのファンを確保している。

また、期待は栃木県から西は山口県まで19社の協力工場を有し共存共栄を図っており、昨年の生産額実績は70億円を上回り、54年度までには100億円にしたい意向。「すべてにおいて世界の一流に」という同社の企業目標に向かって同工場も前進が期待される。(昭和52年9月25日号)



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