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東部振興株式会社(鳥取市松並町)

 昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年4月15日号より、東部振興株式会社を紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。

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【事業所めぐり13】東部振興株式会社(鳥取市松並町)


東部振興㈱というより、東部自動車学校をはじめとする東部タクシー、東部不動産など多部門にわたる「東部グループ」の中核的存在として、その名を知られている。ことし、56歳という金田文夫社長にまず、同グループの沿革から語っていただいた。

37年8月に同社を設立すると共に同年11月には、売り上げ実績8年連続中国一を続けるという「学校法人東部自動車学校」を開校。続けて42年8月に「東部カードック」・45年7月に「東部タクシー㈱」(独立は51年10月)・46年4月「東部不動産㈱」・51年4月「東部学園さくら幼椎園」開校、と実に地歩を固めてきた。

「―夢を描いて悔いなき事業、をモットーとしている」と、いわれる通りロマンのある事業に意欲を見せる同社長。その中でも出色なのは、一億五千万円の巨費を投じて昨年4月に開校したばかりの「さくら幼椎園」であろう。
幼児教育の重要性を指摘する同社長の方針に従って、山陰では類を見ない充実した設備と指導陣を誇っており、その華麗な建物は桜谷団地の中でもひときわ幼児の夢を誘う。

夢といえば、今年8月に完成を予定している湖山町青葉台の住宅街作りにも、それが生かされている。この住宅街、一万坪の土地に46戸を予定しているが、変っているのは電柱や電線が一本もないこと。これは、美観を考えての理想的な街作りをめざす一貫した趣旨のもとに煩瑣な電線・電柱を取り除いてすっきりと落ち着いた雰囲気を演出しようというもの。

最後に48年の石油ショックをもろに受けた形の不動産部門、そして不調を伝えられるタクシー部門について質問してみた。

「不動産については、ウチの場合ブローカー的な投機性という側面は薄く、むしろ手持ちの土地を有効に生かして未来の街作りという形でやっているものですから、他業者とは多少事情が違うでしょうが独自の路線を堅実にやっているといえます。ただ、タクシー部門については、問題がありますね」と、やや不満気味である。

タクシーに限らず、鉄道・バスなど運輸行政全般にいえることだが、と前置きして「運賃の問題、台数制限の問題にしても公共的性格が強いですから行政指導は必要ですが、それがあまり過保護になると、逆に業者間のいい意味での競争の芽を摘んでしまうことになる。企業努力をおろそかにして、ヌルマ湯的経営に安住してしまう危険がある」と、業界の現状を批判、体質改善の要を説く。(昭和52年4月15日号)


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