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賃上げの参考書(3)どのような経路によって人件費が引き下げられていったのか①

2024年4月23日
一般社団法人成果配分調査会代表理事 浅井茂利

<情報のご利用に際してのご注意>
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<概要>

*どのような経路を通じて日本の人件費が引き下げられ、低賃金構造が定着してしまったのか、という点については、①賃上げ率・額が低下し、「定昇込み賃上げ率・額」が定昇を下回り、「賃下げ」となった年が少なくなかった、②「同一価値労働同一賃金」が確立されないまま、非正規雇用が拡大してしまった、③いわゆる「成果主義」の導入が進み、中高年層の賃金水準が大幅に引き下げられた、の3つが代表的なものである。
*厚生労働省の「賃金引上げ等の実態に関する調査」では、賃下げとは「定昇込み賃上げ率・額」がマイナスになることであるが、本来の賃下げは「定昇込み賃上げ率・額が定昇を下回ること」である。
*「賃金引上げ等の実態に関する調査」を用いて整理すると、2000年から2005年まで、そして2009年から2013年まで、定昇込み賃上げ率が定昇を下回っており、賃下げ、ベースダウンとなっている。

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