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ペンギンは空を見上げる


「地球は青かった。神は見当たらなかった」
「おれは自分のこの瞳で、確かめたいんだ。ガガーリンが言っていたように、地球は青いのだということを」
「何より。神様なんて、この広い宇宙のどこにもいないのだということを」というプロローグから始まるこの物語。
人類史上初の有人宇宙飛行を成功させたガガーリンの名言を引用しながらも、消極的な考えを持つ主人公。

ただ、本の帯には
【小学六年生、風船で宇宙撮影に挑む  奮闘するハルくんを、きっと応援したくなるはずですー  読み終えたあとは、もっと】
と書かれてあり、本当に応援したくなるのかな、神様なんていないと強調する「ハルくん」のことを。という思いを抱きながら読み進めていきました。

いざ読んでみると、「ハルくん」の意思の強さや達観した考え方に惹かれると同時に、ちょっとした「ある違和感」を感じながら読んでいきました。でもそれらは後半のある場面ですべて解き明かされ、作家「八重野統摩」さんの手腕に脱帽してしまいました。

なるほど、そういうことか! 読み終わってから実感できる帯の文。
一気に読んでしまう展開。
そして読み終わってから分かる題名の深い意味。

ちなみに、この本をドラマや映画などで映像化することは、無理でしょう。


                           書いた人:H.K


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