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ライオンのおやつ

余命を告げられた主人公が、瀬戸内海に浮かぶ小さな島のホスピスで生活することになります。
これまでの人生や残りの人生について考えざるをえない環境で、一緒に暮らす人々とどのようにかかわり、何を考えるのか。
主人公の胸の内を、丁寧な描写で語られている物語でした。

じくじくと広がって染み込んでいく痛みを、じんわり優しい温かさでコーティングしたような感覚がする話です。

死に方を考えることは、生き方を見つめ直すこと。

生と死は表裏一体だという至極当然のことを、忘れていたことに気づきました(考えないようにしているのかもしれません)。

人生経験の浅い今の時点では結局のところ、薄味で中身もないようなことしか言えない私です。が、死ぬ間際にこの本をもう一度読んだとしたら、何を感じるのだろう、と気になります。

この本を読める心と体の余裕を持って死にたいともいえるかもしれません。

書いた人:M.T


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