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ケイデンストレーニングって必要?

少し時間が空いてしまいましたが、今日はケイデンストレーニングについて私が思うことを書いてみたいと思います。ケイデンストレーニングは必要?いや、必要じゃない?どちらの意見もあると思いますが、私が今考えていることを記していきます。


ケイデンス=1分間の回転数

自転車に乗る選手にとって、ケイデンスというのは比較的初期に出てくるワードで、実態がよく掴めないものじゃないでしょうか。

もしご存知ない方がいたらここから話が通じなくなるので、簡単に言えば1分間にクランクを何回転させているかというのが、ケイデンスです。

90回転/分?

一般的によく言われる適正回転数ですが、『90回転/分』がよく言われている気がします。ですが、なぜその回転数が適正か?という説明を、今まで私も色んな人から聞いてきましたが、正直しっくりくる説明というのは一度もなかったというのが本音です。

ですが、私の中でも基本となるのは90回転だと思っています。その理由ですが、人間の動きとして一番無理がない回転数が90回転ではないか?という仮説を持っているからです。

ランニングに学ぶ回転数?

自己紹介でも書いた通り、私は元トライアスリートなんですが、当然自転車の他にランニングも長い時間競技に取り組んでいました。

その中で、ランニングの脚の運びというのは自転車と比べて選手によっての差があまりなく、1分間でだいたい180ピッチくらいが基本となります。

ピッチ走法の選手で190~200というのはありますが、それ以上はほとんど見ませんし、ストライド走法の選手でも170程度です。

ピッチを回転数に変換

それを回転数に置き換えると・・・『180ピッチ=90回転』というのが基本になっているのでは?というのが私の仮説です。

重力に従った脚の下りるスピードと、そのスピードで力を込めるバランスが人間として心地良いと感じるのではないかという、完全に私のオリジナルの妄想です。信じるか信じないかはあなた次第です・・・。

それ以外の回転数を磨く意味?

では、巡航する理想的な回転数を90回転とした時に、それ以外の回転数をトレーニングする意味ですが、私は当初その意味を見出せずに必要のないトレーニングだと考えいました。

ランニングで250ピッチでチョコチョコ走ったり、150ピッチでジャンプに近いような走り方をするか?そんなことしませんよね。

なので、自分の意志でギアを変速して回転数を調整できるロードレーサーで、そんなトレーニングをするのは意味がないんじゃないかと感じたんです。それなら、90回転を突き詰めて無駄な動きを省くことが近道では?と考えていた時代がありました。

考え方が変わった!

ですが、ある時を境にその考えは一変しました。それは、トラック競技を知ってからです。ご存知の通り、トラック競技はシングルギアですので、決めたギアで回転数だけでスピードの調整をしなければなりません。

例えばポイントレースのような中距離のトラック競技の場合、勝負の掛かった場面では2~3分程度、流れがずっとハイペースになることがあります。その際に、自分自身が扱える回転数の上限が110回転だった場合、トップスピードで110回転以上になるギアを選択することはできません。

そうなると、ペースが上がっていないタイミングでは80回転や70回転というかなり重いギア設定をするしかなくなるため、ペースアップの瞬間にかなりの後手を踏むこととなります。

それが、140回転まで楽に扱える選手では、ゆっくりの時にも90回転程度のケイデンスで周りの様子を伺うことができますし、自分から一気にペースアップして動きを作っていくことも可能となります。

ペースの上げ下げの幅を大きくする意味でも、ケイデンストレーニングは非常に重要だと今は考えています。

90回転の中での効率を考える

また、そのようなことでケイデンストレーニングを取り入れてみると、それだけではない効果があることにも気付きました。

例えば1時間のケイデンスを100回転くらい保つのが限界の選手が90回転で走った時と比較して、1時間にケイデンスを140回転くらいで保てる選手が90回転で走った場合、どちらの選手が1回転辺りに意識できるポイントの数が多いと思いますか?

もちろん1時間140回転で保てる選手です。その選手にしてみると、90回転というのはかなり余裕がありますので、クランクが1回転する間に色んなところに意識を向けることができるようになります。その結果、とても効率的で力強いペダリングが可能となると感じています。

本当はランニングの自由度が少ない?

ここでランニングのピッチの話に戻りますが、人間の自然な動きが作り出すのが180ピッチだという話はしましたが、逆説的に言うとピッチの自由度のないのがランニングだとも言えます。

同じ動きを継続すると、同じ部分の筋肉を使い続けることになりますので、本来動きを変えた方が良いんだけど、それを変えられないのがランニングという言い方もできると思います。

ロードレーサーは動きを変化させられる

それからすると、ロードレーサーでは回転数を自在に変えることができますので、高体連でよく設定される2時間~2時間30分程度の競技時間の中でも以下のようなことが考えられます。

序盤の1時間30分程度までを100回転~105回転程度で筋力を温存し、後半30分~1時間の勝負の局面で90回転に近付けるような走り方をすることで、バランス良く身体の違う部分を重点的に使うことになり、よりパフォーマンスを向上させることができるのではないかと。

これが、勝負のタイミングでギアを掛ける!というのと、感覚的には近いのではないかというところですね。その際のキレを磨くためには、軽いギアで筋力を温存する!それをするためにはやはりケイデンストレーニングは必要だ!というのが最終的な私の理解です。

間違えていても良いから考えよう!

これが正解だと言い切るつもりもさらさらありませんし、別のことを仰る方もたくさんいると思います。私だって、時間が経てば違うことを言い出す可能性も高いです。

しかし、今日私が言いたかったのは『ケイデンス』という1つのことに対しても、これくらいのことを考えるのは競技者としては必要だということです。

指導者に言われたからやる、皆がそう言っているからやる・・・ではなく、なぜこれをする必要があるのか?を答えは出ないかも知れませんが考えることで、積極的にトレーニングに取り組むことができるような気がしています。

少なくとも、これ何の意味があるのかな?というトレーニングに対しては、自分なりの答えを出して取り組んだ方が(または指導者と相談して取り組まない)、必ず自分の実力はアップするはずです。

本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました<(_ _)>

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