運用レポート2020.5.9

【週間為替市況】

週明けはドル円、株、原油が大きく下窓を開けて寄付き。
先週末のトランプ大統領の中国への発言が材料視されたが、夜間になると底を打ったかの様な動きとなり、株と原油は持ち直した。
やはりこの場合もコロナ相場特有の動きとなり、株価と原油価格の上昇と共にドル円が売られるという巻き戻しのリスク選好のドル売りという動きとなった。
ドル円はこの日付けた107.05円付近が週間高値となる。

翌火曜日はユーロの日となった。
欧州時間にドイツ連邦憲法裁判所はECB(欧州中央銀行)が各国の国債を購入する量的緩和策を「一部違憲」と判断。ECBが今後3か月以内に明確な理由を説明できなければ、ドイツ中銀が行っているPSPP(公的部門証券買入れプログラム)に基づいて行っている国債購入を停止する必要があると指摘。
当然ユーロは大きく売られた。EURUSDは一気に80pips程下落。
欧州株が下げ、NYダウや日経平均にも飛火。
また、日本勢がGW中で不在のため、ユーロ円も大きく売られる事となった。
NYタイムに入るとISM非製造業が予想を上回り、株価が買われドルが売られたが、ユーロの持ち直しは続かなかった。

水曜日、日中は株価が堅調に推移。
ところがNYタイムに発表されたADP全国雇用者数が2023万人減と衝撃の数字が現実のものとなった。
株価は弱含んだ、ドル円は売られたが前日に結構重いニュースがあったユーロやポンドは買われず結果として円買いが発生。
更に深夜にトランプ大統領が「中国は貿易協定を維持するかもしれないししないかもしれない」と発言。
この、NYクローズ前後(日本時間早朝5時前後)に株価を大きく動かす出来事はもう定番になっている。
株が急落し、ドル円も売られた。
この水曜日くらいから徐々にドル相関が戻ってきた感がある。

翌木曜日。
昨晩の出来事が嘘だったかのように株価が持ち直す。
GW明けの日本勢も安かった株価を確認すると参戦した様子。
のっけからリスクオンの動きとなった。
また夕方に前日のトランプ大統領の発言を否定するかのように、「米中が早ければ来週にも貿易に対する電話会議を行う」と米中の歩み寄りを一部報道。

GW明けの日本勢の株買い、ドル買いも重なって、株高、円安となった。
NYタイムに発表された新規失業保険申請数は予想を下回ったが伸びが鈍化しているとの見方から、然程材料視はされなかった。
ところが米債利回りが急激に低下。米2年国債が一時0.125%と過去最低の利回りに
引けに掛けて株もドルも売られ当日の上昇分を半減。

米2年債利回り一時間足

米2年債利回り一時間足

この大きな国債購入はドル相関相場回帰のメッセージの様に思える。

そして昨日の雇用統計ナイト
当然の事ながら日中は様子見ムード。
発表された数字は全てにおいて予想を上回り、大きなインパクトにはならなかった。
非農業部門雇用者数: 2050万人減(予想:2200万人減)
失業率: 14.70%(予想:16.00%)
製造業雇用者数: 130万人減(予想:250万人減)
平均時給: 4.70%(予想:3.30%)
と予想が酷すぎたため、戦後最悪の雇用統計だったが、期待するほどの大きな動きにはならなかった。
ただ、楽観できないと早速ロイターが報じている。
米失業率、4月の実態は20%近く 労働省「隠れ失業者が多数」 -ロイター
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-unemployed-undercount-idJPKBN22K2JQ


ドル買いというか、円売りに動いた。
欧州もロックダウン解除が囁かれており下がり難く、消去法で円が売られるという展開となった。
雇用統計発表後、一服した際に再度米債利回りが低下し、米2年国債が再び過去最低を付けたが持ち直し、ドル円も株価も高値を維持して引けた。


【取引レポート】
先週レポートした通り、悪い指標を見て株をショート。
火曜日は一旦踏まれたが市況レポートで前述している謎の引け間際の急落で利益確保。
NYダウCFD一時間足

NYダウCFD一時間足

これを見るとトレンドフォローを行う場合、引け間際は注意したい。

また、週頭からEURUSDのロングが急増。
こちらを見てEURUSDショート参戦。


EURUSDリテール売買動向

EURUSDリテール売買動向

できるだけこまめに利食いを入れて利益確保。
ただ、木曜日の米債利回り低下で踏まれ、昨日の円売りで踏まれ現在ナンピンで売り持ち中。
まあ、高い所でも売れたので結構、利は大きくなると思われる。

木金とGBPUSDのロングも増加したため、ポンドの戻り売りを狙ったが大きな動きにはならなかった。
この暴れ馬を飼いながらの越週は怖いのでこちらは薄利で撤退。
GBPUSDリテール売買動向

GBPUSDリテール売買動向

今週はポジションが相当寄ることを期待したが、そこまで寄らなかった為、
大きな取引は行わなかったが、GWが明けた今、ようやく準備が整った。
来週から本腰を入れて取りに行きたい。


【来週からの戦略】

CFTC円先物投機筋NOP(円先物のため売買反転)

CFTC円先物投機筋NOP(円先物のため売買反転)

投機筋は円買い傾向。

ドル円リテール売買動向

ドル円リテール売買動向

見えにくいかもしれないが昨日ロングが減少した。

CFTC投機筋日経225先物NOP

CFTC投機筋日経225先物NOP

まだまだ増えないポジション。

ドル円ロング減少
EURUSD、GBPUSDロング増加

もうこれはドル押目買いだろう。
また円売りも面白い。

中でも注目しているのがこちら

CFTCスイスフラン先物投機筋NOP

CFTCスイスフラン先物投機筋NOP

直近2年間で最も買われている。
これは減ってくる可能性大。

CHFJPY週足

画像9

また、週足のチャートも良い。遅行スパンが実線に接触。
安値更新で長めの下ヒゲ、先週は安値更新で下ヒゲ陽線だったが、ダマしとなった。
そろそろ投機筋のロングはロスカットに合っていると思われる。


ましてこの状況。
Goldや株が底堅い。オマケにBitcoinは再び10000㌦を付けた。
もう皆キャッシュに愛想を尽かしたのだ、あれだけ輪転機を回せば仕方がない。

その中でも、為替でマシなモノはドルやフランだろう。
本来ならこの中に円が入るのだが、今回のコロナ騒動でやらかした中の日本には中々買いが入らないのではないか?
欧米や中国はもう経済再開に入っている。
日本は今月いっぱい緊急事態中。
もうリスク回避の円買いというのはあまり無いのではないか?
というより、戻るもんは既に日本に戻ってしまっているだろう。
国内で収益化できないと解っている日本の資金は、経済活動が再開しつつある外国に向けて発射される可能性が高いと踏んでいる。
とはいえ、一定の不安はある。
この戦後最悪の雇用環境は新型コロナウイルスが落ち着いたら本当に元に戻るのか?
オリンピックまで中止という前代未聞の対応までして各国国境を封鎖したが、本当に元に戻せるのか?
等々
そうなってくると、消去法トレードというのが一番ハマる気がする。
やはり、ドルかフラン、そしてGoldだろう

CFTC金先物投機筋NOP

CFTC金先物投機筋NOP

Spot Gold週足

画像11

先週このコロナ相場の23.6%戻しをブレイク失敗。
禊(みそぎ)は済んだだろう。

カナダドルというのもいいが、原油がまだまだ荒れそうである。
シカゴの投機筋は昨年6月以来の水準まで売り込んでいる。
相当下がれば買ったみたい。

以上のことから来週は
ドル買いの場合は割と大きめのポジションで短期で取っていく。
フランやGoldのロングは小さいポジションで長期で取っていく。
勿論引き付けるのは必須。
という戦略で行こうと思います。

今週もありがとうございました。
来週もよろしくお願いいたします。

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