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❖読書:都会の鳥の生態学

都会に住む野鳥、興味のない人は通勤途中で鳥が鳴く声が聞こえても全く気にしないだろう。電線に鳥がとまっていても、その鳥の種類や♂か?♀か?等、全く気にしないだろう。
私も野鳥撮影が趣味でなければ、全く気にしなかったと思う。
私は通勤途中、駅まで15分程度歩くが数種類の鳥の鳴き声を聞きながら歩いている。どうしても気になる時には立ち止まって鳥を探してしまう。
(失礼だがスズメ、カラス、ハトはいいとして)モズ、ヒヨドリ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、コゲラ、カワセミ、ガビチョウ、オナガ、セキレイ、季節にもよるがジョウビタキ、アオジ、ツグミ、ムクドリ、ウグイス、ツバメ等の鳴き声が確認できる。都心には他にも多くの野鳥が人間と同じ空間で生きている。

  • 銀座4丁目のビル街にいるイソヒヨドリ

  • 新宿副都心の超高層ビルにいるハヤブサ

  • 明治神宮にいるオオタカ

猛禽類が東京都内で繁殖しているとは驚くばかりだ。
この本ではそんな都市環境と野鳥の関係、栄枯衰退が語られている。

鳥社会というのは完全なる縦社会だ。弱肉強食、油断していると餌になる。
猛禽類のような体躯の大きい鳥が上にいて、メジロのような体躯の小さい鳥が下にいる。冬の季節、餌が乏しくなれば鳥が鳥を捕食する。
結構えげつない。

スズメはツバメの巣を横取りして自分の巣とする。
スズメとツバメは対立関係にあるが、そこにカラスが現れた際には一緒にカラスの撃退に立ち向かうという。カラスが去った後、また敵対関係に戻る。
「敵の敵は味方」という言葉があるが、鳥社会では「敵の敵は敵」なのだ。
鳥社会は気を抜く暇もなさそうだ。

小さい野鳥を撮影していると時々面白い場面に遭遇することがある。
地面の餌をついばんでいた野鳥が突然空を見上げることがある。
私が上空を見上げると猛禽類が旋回していた。
あの小鳥の猛禽類探知レーダーはどんな仕組みなのか、何か電波でも飛ばしているのだろうか。
余談だが、猛禽類は2km先のネズミを見付けられる視力を持っている。

頻繁に聞く鳥の糞問題、人は鳥を害獣のように追い払おうとするが、鳥からすれば人こそ環境を破壊・改変する害獣だと思っているのかもしれない。

歩いていると突然目の前に現れるヤマガラ
案外近くの河川にいるカワセミ
皆さんも週に何回かは出会っているシジュウカラ
冬になると庭の樹木にもいるジョウビタキ

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