足利鹿島園温泉
足利に来るのは去年の6月に訪れて以来。
あの時はまず栃木に降り立って、次に佐野、そして足利というなかなかの強行軍的散歩で、最終の足利は雪輪町あたりを散策したのち花の湯でしめた。
しかし今日はその花の湯ではなく足利鹿島園温泉へ向かう。
Googleマップで調べると足利駅から足利鹿島園温泉までは4.9km、徒歩で約1時間の道のり。足利鹿島園温泉への直通バスは無いけれど近くまで運行しているバスはあるようだ。
歩いてほどよく疲れたところで温泉に浸かったほうが気持ち良いだろうし、そもそも散歩を兼ねてのお出かけなので歩く以外選択肢はない。
ぶらぶら歩いて小一時間、ゴルフ練習場のネットに「足利鹿島園 天然温 」の文字が見えた。
坂道を登ると壮大な看板が。
見応えのある趣き、これから入ろうというワクワク感を増させるというもの。
夜になって光っているところも見たい。
薄暗い通路を抜けると受付のロビーに出る。
入浴料は平日は550円、土日は600円と格安。さらに毎月第三水曜日はサービスデーの300円。この価格で温泉に入れるのだからありがたい限りだ。
ちなみにロビーの写真がブレているが、写真以前に人として軸がぶれてるのだから仕方がない。
肝心の温泉は地下の大浴場と2階に露天風呂がある。
まずは地下の大浴場。
天井のコンクリートむき出しと錯綜する配管、そしてこの仄暗さが醍醐味だろう。
浴場内は、奥にある大きめの風呂とその横にバイブラ、さらに打たせ湯にサウナと水風呂を備えている。
程よい湯加減で風呂を出た後の冷たいビールを想像しながら、只管打坐ならぬ只管打湯。ひたすら湯に浸かるべし。
源泉の温度は40.5℃、泉質は単純温泉(弱アルカリ性低張性温泉)。「本物の温泉」を紛い物と疑うお客でもいるのだろうか。
風呂からのビールという勝利の方程式。
窓からの木漏れ日がさすだだっ広い空間でひとり飲む。たまらん。
食堂では生ビールなどの酒類、つまみに食事も売っている。
注文したのはゲソの唐揚げ。
レンチンしたものだろうなと侮っていたが、これがどっこいカラリと揚げたてじゃありませんか。美味い。
出来上がった料理は厨房前にあるこのマイクで館内放送よろしく呼ばれる。
味のあるマイク、思わず歌いたくなるね。
大広間の風景。
ぼけない五ヶ条は、五以外は該当しなかったのでボケること必至である。まあ今だって酒飲んでボケてるんだからねえ。
ひとしきり寛いだところで露天風呂に入ろうと2階へ向かう。
踊り場に吊るされた素敵なシャンデリア。
階段を登っているとなにやらご機嫌な歌声が聞こえてきた。
おとうさんがひとり座りながら熱唱しておられた。
カラオケは人気なのか予約に不正が行われるらしい。割り込み予約とかなのかな。
2階はカラオケのある広間と喫煙所、個室にVIPルーム、それから露天風呂へ繋がる出入り口がある。
個室内に無理やり作った喫煙コーナーがなかなかシュール。タバコもかおるが昭和のにおいもプンプンするね。
ゆるめの温泉マークの描かれたサンダルを履いて露天風呂へ向かう。
でんと中央に構えた風呂。頼もしく荘厳なさまである。天井が剥がれているがアーティスティックな飾りであると言われれば、なるほどそんなものか…と納得の雰囲気だろう。
ここ、ずっと浸かっていられるな。
完全な露天ではないがむしろ建物に入っていることが純粋な露天風呂よりも雰囲気を良くしている気がする。
後ろ髪を引かれつつ館内を出ると出入り口の奥にダンスホール。営業している様子はないが、かつては賑わったんだろうな。
鉄塔のアルファベットは鹿島園のKだろうか。
古びた鉄塔と咲き始めの桜を眺めながら、温泉と酒で火照ったおじさんは足利市内へと向かうのであった。
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