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『クリスマスのひみつ』ができるまで

パラパラブックスはもひ研さんの手作り作品をもとに、印刷会社と製本会社に制作していただいてます。
最初の作品から印刷会社M氏と製本会社S氏に関わっていただき、何度も試作をして、改良を重ね、完成にたどりつきました。
そんなお二人に新作の『クリスマスのひみつ』を制作について、インタビューをさせていただきました。今回の立体ツリーはこれまでの作品の中でも高難度の加工!
苦労ばなし、作家や青幻舎への要望などとても興味深いお話がきけました。

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●高難度の企画でしたが、M氏からどのように説明がありましたか?
S氏:新作のパラパラブックスは穴あき加工があると聞いたけれど、深刻そうな感じは全然なかったね。(笑)
M氏:パラパラブックを最初につくったとき、製本を引き受けてくれるところがなかなか見つからなかった。S氏だけが一緒に考えてくれた。だから新作もやってくれるだろうと思ってた。

●実際に穴あきの印刷物を見た印象は?
S氏:穴あきは今までのパラパラブックスで経験済だったので心配していなかったが、現物を見たときは想像と違いすぎて思わずM氏のところへ。「これをどうしたらいいの?」と言いにいきました。
M氏:とにかくやってみないとわからなかったので、試行錯誤しながら「こうすればできるのでは」と案を出しながら、工程をクリアしていった。

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●一番の問題は何でしたか?
S氏:丁合い(ちょうあい※)が機械でできないこと。機械に印刷物を入れると、穴の空いている部分がひっかかり順番にページを並べられない事態に…。穴あきページは1枚ずつ手でとって、頁をそろえることになってしまった。
(担当:ちなみに穴あきページは全体の約半分…。)
*丁合い:本文ページを順番に集める作業

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●思わぬ手作業が入った心境は?
S氏:進行している話だから、そこで頭をかかえるわけにもいかないので、手数をふやしてやるしかないと。販売機会も12月25日までしかないとわかっていたので。
(担当:ありがとうございます!)

●実際に制作をしてみた感想は。
S氏:作家と青幻舎は量産することを考えていないな…と思った(苦笑)
機械が使えないのにこれはどうするんだ…と初めは思った。
(担当:ほんとうにすいません!)
M氏:ツリーの形に抜き取るのが思ったより大変で、細かい作業だった。
抜き取ったあとも、頁を整えるのにひっかかったりと思わぬハプニングに見舞われたが、完成までたどりつけた。

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●著者や版元に言いたいことがあれば。
M氏:穴あき部分が繊細なものはちょっと…。できれば作りやすいものにしてほしい(苦笑)
(担当:善処するようにします!)
S氏:パラパラブックスは本当に特殊で、最初は本の形にするのも大変だった。最近はさらに穴あきの加工が増えて、ハードルが上がってきている。
でも、もっと上手く作れる方法があると思っている。

担当:貴重なお話をありがとうございました。
これからも無理をお願いすると思いますが、よろしくお願いします!

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