見出し画像

いよいよ発売! 日本で初めてのアフリカンプリントBOOK  「アフリカンプリント 京都で生まれた布物語」

「ツバメ」や「カシューナッツ」「太陽の文様」など、最近日本でも密かにブームが起きている、アフリカンプリント。実はこの鮮やかな布が、かつて京都でつくられていたことがあったのです!

そんな驚きの事実をまとめた本書では、「なぜ京都で?」「なぜアフリカンプリントを?」という不思議を、京都工芸繊維大学美術工芸資料館の所蔵資料とともに紹介していきます。

アフリカンプリントっていったい?

不思議な幾何学文様、「手」や「コイン」の柄など……日本のテキスタイルにはあまり見かけないようなデザインが興味深いアフリカンプリント。大きく「ワックス・プリント」と「カンガ」の2種類に分けられ、最近日本でもじわじわと人気が高まってきています。
例えばこんなカラフルな布を、見かけたことはありませんか?

色とりどりのテキスタイルは見ているだけでも、ワクワクするようなかわいさ! このアフリカンプリントは、もちろん現在もアフリカでは広く愛用されている、暮らしに密着したテキスタイル。先日、西アフリカのセネガルへ行ってみると、生地ストリートだけでなく、町中の小さなお店でも「ワックス・プリント」が売っていました。

伝統的なアフリカのテキスタイルのように思われがちですが、この布、オランダやイギリスがインドネシアのバティックをもとにし、植民地であったアフリカ市場に好まれるデザインを生み出したことがはじまりでした。そのため、現在アフリカやヨーロッパの多くの国々で「アフリカンプリントとは?」という議論が繰り返されています。

さて、そんなアフリカンプリントですが、実は、1960年代を中心に、京都で生産・輸出されていたのです…! 今まで公にされてこなかったその事実は、最近になってようやく表に姿を現しました。

時を超えて現れた数々の資料

ことの始まりは、2008年。京都の大手染工会社・大同マルタ染工が閉鎖するときに、ある人によって入手された、ホコリだらけの数個のダンボールが発端でした。開いてみればそこには、海外向けにつくられた輸出全盛期の生地見本の数々が保管されていたのです。

現在でも遠く感じるアフリカ。しかし約50年前の当時、大同マルタ染工はアフリカンプリント制作のために、参考になる生地を入手しようと現地まで足を運んだり……さまざまな努力を重ねていたのです。より鮮やかで堅牢度の高いものをつくれるようにと、研究を重ねていた様子が、当時の研究ノートから垣間見られます。

ちなみに本書では、制作全盛期の当時を知る、元大同マルタ染工のお二人と、ホコリだらけのダンボールを入手したご本人による座談会も実施! 実はこの3名は、京都工芸繊維大学の卒業生でもあります。

左に立つ吉岡さんが入社した年に、アフリカ向けの輸出生産が始まったそう。その大同マルタ染工では、こんな魅力的な布の数々を手がけてきました。


大流行の兆し!?
じわじわ広がる、アフリカンプリントの世界

1990年代には日本での生産を終えたアフリカンプリント。輸出していた当時とはかわって、いま日本では、この布を輸入して洋服や傘、雑貨などをつくる方が増え続けています。数年前にファッション業界で取り上げられるようになったことをきっかけに、徐々に注目が集まり始めている模様。
2017年には三越伊勢丹グループでも、クリスマスキャンペーンでアフリカンプリントが用いられたほど! まさか百貨店がアフリカンプリントのデザインで彩られる日が来るとは……!

本書ではそんなブランドや制作活動をしている方を最終章で取材。それぞれのアフリカンプリントとの出会いや、布に対する思いをお聞きしました。


読み終える頃には、アフリカンプリントのおもしろさとともに、みなさんも布の魅力にどっぷりハマっているはず。そして、布が欲しくなっているはず…! そんな方のために、巻末にSHOP LISTも用意しています。

ブランドやお店はたくさんあれど、布自体のデザインバリエーションが多く、オーナーさんによって選ぶ布も違えば、使用方法も違います。たとえ同じデザインの布を買い付けていたとしても、各ブランドによって全く違うテイストの商品が生まれることがあるのも、魅力の一つです。

話は逸れますが……最近私が気に入っているアフリカンプリントの洋服はコレ! 今回の書籍をつくっていく過程で、ますますアフリカンプリントが好きになってしまいました。


「アフリカンプリント 京都で生まれた布物語」は、全国の本屋さん・Amazonで販売中です!
関西圏にお住まいの方は、今週5/31〜6/4に大阪・SAAにて行われる、関連イベント「AFRICAN MARKET VOL.3」もお見逃しなく!
今回取材させていただいたブランドやSHOPを中心に、アフリカンプリントの洋服や小物、雑貨などが会場に大集合します。

会期中6/2(日)には、著者による刊行記念トークイベント(アフリカの軽食・ドリンク付き)を開催。そのほかにも、6/1(土)には、アフリカ旅行の専門会社・道祖神のツアーコンダクターの方による、「アフリカのおしゃべり会」なども行われ、イベントが盛りだくさん!
この旅行会社はとってもおもしろく、先日も「サプール」に会いにコンゴへ行くツアーなどを企画されていました。普段はなかなか知り得ない、さまざまなアフリカに出会えるチャンス!

イベントご参加希望の方はコチラ

青幻舎では、みなさまのご感想なども、お待ちしております〜!


担当:小島知世(編集)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?