東京駅で東北・上越・北陸新幹線と表示された改札口を見つけた時には、思わずほっとした。 実は今まで、ぼくが一人で乗車したことがあるのは、東海道新幹線だけなのだ。だから歳月を重ねるごとに複雑さを増す東京駅で、方向音痴のぼくが“無事に東北新幹線の改札を見つけることができるのか”という心配は、昨晩の家族会議における最重要議題だった。 いや、家族会議というのは大げさかもしれない。なぜならリビングのテーブルに座っていたのは、二人だけだったのだから。東北大学の学生である娘は、タブレッ
我が親父はエッセイを書いては友人に添削して貰っただけで満足していたが、僕は子供の学費などを稼ぐ必要がある。 そこで自分の強みを生かして売れっ子作家になる方法を考えてみた。僕としては一年で100万円以上を稼ぐ中堅作家になることは十分に可能だと思える。仮にも本職は企画屋なので、一年後の自分が振り返りをするため記録を残しておくことにする。なお記事の内容に関しては一切の責任は負えないし、返金にも応じられない。決して購入しないことを強くオススメする。
久しぶりにAmazon Kindleで電子書籍を出版した。このところ原稿作成はキングジムのポメラで作成している… つまりテキストデータで作成している。また今のご時世でも原稿用紙は不滅であり、Microsoft Wordにデータを流し込んで原稿用紙化してしまった作品も多い。 (それに誤字脱字くらいはチェックしようとすると、Microsoft Wordの構成機能は便利だ) ところで僕はKindle向け電子データを作成する際、あらかじめ用意したMicrosoft Wordテン
N氏が在宅勤務をしている時に、突如として後ろから声がした。 「おめでとうございます。あなたが初めての当選者です」 振り返ると、そこに金色のランプとアラビア風な衣装の巨漢が存在していた。 「……」 そんな不審げな表情をしないでください。あなたはめでたく何でも願いをかなえることのできる私と遭遇したのです。 「そうですか」 「ずいぶんと冷静ですね。たった一つだけですが、何でも願いがかなうのです。金持ちになりたい願いでも大丈夫です」 「……」 「若くて美しくて可愛くて料理が得意
これは生まれて初めて書いた小説。1万字を超えているので、短編といって良いかな。この頃の私は拙かった。(今でもそうだけど) ------------------------------ トンネルを抜けると、そこは雪国だった。 いや、違う。これは僕のことじゃない。 なにしろ僕が乗っているのは、横浜市営地下鉄だ。ずっとトンネルの中を走り続けている。 改めて言いなおそう。。 トンネルの中を走り続けていくと、電車が辿り着いたのは横場駅だった。 間違いなく、横場駅だった。 「
とりあえず自分が長編小説を書けるかテストしてみた作品。結果は73,025文字。誤字脱字のチェックすら一切していないのでご容赦。 (しかし習作作品にしても、「寄生獣」以上のタイトルが思い浮かばない…) ------------------------------------ 増えた花嫁 .一月四日 ..1 午後三時を過ぎた頃に、声をかけられた。 「森さん、一時間ほどお時間だいじょうぶでしょうか?」 「うん、いいよ」 「ありがとうございます。それでは今からだと急だから、四時
とりあえず自分が長編小説を書けるかテストしてみた作品。結果は90,977文字。誤字脱字のチェックすら一切していないのでご容赦。 ------------------------------------ #序章・天使の手毬唄(てまりうた) 私の名前は尾花結花。湘南四葉学園高等部の一年生。 自分で言うのも何だけれども、とてもかわいいと思う。これはうぬぼれではなくて、本当のことだ。なぜなら祖父母や両親、ご近所の皆さんが「結花ちゃんはかわいいねえ」と言って下さるからだ。他人の
「赤い竜について調べてほしい」 ダイナマイトは突然に……ではないけれども、なんかそんな感じの歌謡曲があったことを思い出した。 えーっと、あれは……。 「おい和樹! ちゃんと聞いているかい。赤い竜について調べて欲しいんだよ」 仕方がないので溜息をついて、読みかけていた本を閉じた。顔を上げて、声の主を見る。 「聞いて入るけど……いきなり『赤い竜について調べてほしい』って、一体どうしたんだい? 裕也」 「英国で赤い竜が出現したんだ」 「そりゃ赤い竜が出現するとしたら、英国だろ
「おっ、珍しく考え事をしているね」 「『珍しく』は余計だよ」 「そうかな?」 ずけずけとした言い方で、ずかずかと僕の部屋に入って来た芹沢裕也はニヤリと笑った。全くもってして失礼なヤツだ。 そして僕が昼寝用に調達した座椅子へと、遠慮なく座る。 ジャケットのポケットに手を入れかけたが、ふと気がついたように動作を止めた。どうやら僕が煙草嫌いであることを考慮して、一服するのは遠慮したらしい。 少しだけ気の毒になったので、机から立ち上がって冷蔵庫の方へ行った。よく冷えた缶コーヒ
その日の魔王城では、盛大なパーティーが開催されていた。 魔王が老衰により亡くなったのである。 人心掌握……いや、魔心掌握に長けていたので、彼の支配していた領地からは多くの魔物が参集した。 「亡くなるのに盛大にパーティーを開催するなんて……」と思われるかもしれないが、人間でも亡くなった者を盛大なパレードで送る地域は存在する。死者が寂しくないようにするための配慮とか、死は必ずしも悲しいことではないという理由で。 ここ魔王城でも似たような理由でパーティーが催されていたが、
今回は友人Aに関する話となる。 彼の友人Kがコンピュータ業界のノーベル賞とも呼ばれるノイマン賞を受賞した。たまたま僕はAと一緒に居酒屋へ行く機会があって、Kのことが話題になった。 「それにしても、あの若さでノイマン賞を受賞するというのはすごいな」 それを聞いたAは、急に顔を曇らせた。 「たしかにすごいよね。彼にしかできないことだと思うよ」 「なんだか『訳あり』って感じだね。まあ何かを成し遂げる人ほど尖っていることが多いものな」 ストレートに表情に出ることは余程のことだ
「ともかく考えるよりも前に書いてみるという」ということで、短編を書いてみることにしました。 とある山での出来事
さて前回の記事では、iPhone 12 Pro Maxを実家へ送ることを報告した。しかしそれで全て解決してくれれば嬉しいけれども、人生はそんなに簡単じゃない。 今日も僕の実家とLINEビデオ通話をしたけれども、我が家のお嬢様の描いたイラストを見たいということで、実家のiPadで全画面表示させてみた。もちろん最初から縦置きに設置してあるので、それを見て大喜びしてくれた。 (老母は足が不自由なので、予めベッドの近くにiPadを立てかけてある。自動接続する設定にしているので、