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片翼の魂 /乱れる文 青紗蘭

自身の命、部位、自分の持っているもの
が奪われるより。
片翼を奪われ喪うことの方が耐えられない。

かつて、私の片翼になってくれたひとは、
最も気高い魂を奪われ、羽をもぎられ
地に血に伏した。

私の片翼は、描いた作品を盗作され、二度とその道に進めなくなった。

権力を持つに値しない者が、愚行を働き。

私の片翼は、争いを嫌い暴力を振るわれるがまま、二度と描けなくなった。
そして…自ら命を散らした。

今から20年ほど前の話だ。

盗作とは、表現するものの魂を盗むことだ。
大罪だ。私は、そう思っている。

復讐したとて、私の片翼であったひとは帰ってはこない。

しかし、盗作をしたものは、その瞬間から内側から腐ってゆくことに気がついていないのだ。哀れなものだな。


20年経っても盗作の話は、聞こえてくる。
その度に私は、片翼の血の涙を思い出し、ともに血の涙を流す。

片翼の君よ。
私は、あなたに生きていて欲しかった。
そして、闘いたいというなら迷わず手を差し出した。しかし、選ばなかったね。君は魂を内側を守って逝ってしまった。



才能に対して葛藤したり、思い悩むことはあるだろう。突然気力を失うこともあるだろう。

だが、大罪を犯すな。
魂を盗み、内側から腐ってくれるな。

私は、表現するものを心から尊敬している。







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