たまらん漫画と出会ってしまった

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たまたまNHKの「漫勉」という番組で、この作者坂本眞一さんの回を見て、まあなんて綺麗な絵を描くひとでしょう、と思ったのがきっかけ。wikiで代表作を見てみたら「イノサン」というのがあった。

仏文学者・安達正勝の『死刑執行人サンソン』(集英社新書)というのを元に描かれた、フランス革命ごろに実在した「死刑執行人」の話。

舞台は18世紀パリ、王を頂点とした身分制度の時代。主人公シャルル=アンリ・サンソンは代々にわたってパリの死刑執行人を務めるサンソン家四代目当主として生まれる。
死刑執行人は、国王から直々に任命される「正義の番人」であると同時に、処刑のための研鑽で得た技術や知識を医療行為を通じて社会に還元するも、時に苛烈な刑務の印象ばかりが先行するあまり、世間からは「死神」と蔑まされるという“矛盾”を抱えた過酷な職業であった(この時代、死刑執行は民衆に公開されており、残酷な処刑は重要な娯楽エンターテーメントであった)。シャルルは『ムッシュ・ド・パリ』と呼び恐れられる、その職を継ぐことに苦悩する。だが、「いつか死刑を無くす」ことを志して、死刑執行人を務め上げることを誓った。(wikipediaより)

心理描写がすごい。死刑執行人とは正反対だけど、最澄と空海を描く『阿・吽』(おかざき真里)と近いものを感じる。求めているものはおそらく同じ。だから苦悩もとても近い。

一気に9巻読んでしまって、明日続編の「イノサンrouge」12巻が届く。完結しててよかった(笑)

『ベルサイユのばら』で育った世代としては「え?ルイ16世って!マリー・アントワネットって!」みたいな描かれ方だし、他にもベルばらで見たことのある人たちがたくさん出てきて、これはこれで趣深いのだけど(ちなみにベルばらにはそこまでハマらなかった)、いやぁ、あの時代の貴族たちってエグいわ。日本も変わらないけど。権力や財力持つと人間って腐るのかなと思ってしまう。そんな中で「イノサン(イノセント)」に生きるということの難しさよ、と考えてしまう。

年末の忙しい時に困ったもんです。いや、でもほんとすごい。




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