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クリスティアーノ・ロナウドは本当にコカ・コーラの市場価値に影響をもたらしたのだろうか?【Internet Bull Report】

UEFA EURO 2020のハンガリー戦の前、ポルトガルのスターであるクリスティアーノ・ロナウドは記者会見で2本のコカ・コーラを飲むことを拒み、それで企業は数十億ドルもの損失を受けたのであった。


そのあと数時間で、コカ・コーラの市場価値は40億ドルも落ちてしまった。企業の代表者は非常に控えめな反応を示し、飲み物の好みは人それぞれであるとだけ述べた。

それ以来、多くの記事やブログでは一流選手の行動が多国籍企業の市場シェアにおける大きな損失を招くと主張されてきていた。

ソーシャルメディアやニュースチャンネルでは、有名人の行動が数時間以内でいかにそのような大きな変化をもたらしうるかということがかなり強調されていた。

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しかし、ロナウド選手の行動は企業の市場価値にそんな大きな影響を及ぼしたというのは本当だろうか? 一流含む有名人はいうほど大きな影響をもたらしうるのだろうか? あるいは、他にも企業の市場価値の突然の変化をもたらした要素があるのだろうか? 

ロナウド選手がどの程度コカ・コーラの市場価値に影響を及ぼしたのかを評価するには、企業の市場価値に及ぼした可能性のある最近の要素があるかどうか分析しなければならない

また、過去にも似たようなことがあって選手の行動が企業の成長に影響を及ぼしたかどうかを考慮する必要がある。

数年前、サブウェイで減量して有名になったジャレド・フォーグル氏が児童ポルノ所持で逮捕され起訴されたとき、サブウェイの市場価値は大幅に落ちてしまっていた。

同様に、調査によると、有名人による推奨は消費者行動に影響をもたらしそれで有名ブランドが商品の推奨あるいは広告のために一流含む有名人に数百万ドルも払っているのである。

しかし、それでもロナウド選手の今回の拒否だけが市場価値の急な大幅下落の原因かは疑問が残る。

株式市場はいろんな出来事が同時に起こると影響を受けやすい。いろんな出来事どうしの関連性はつねにかなりはっきりしていないかもしれない。少なくとも、素人には理解できないかもしれない。もしロナウド選手がコカ・コーラを拒否した時におきた別の出来事に気づけたら、市場価値の急落についてよりよく理解することができるだろう。

多くはその時気づいてないかもしれないが、実はアメリカの株式市場全体がすでに安値で取引が行われていたのである。フォードでさえ市場価値が20億ドルも落ち込んだのである。これは単にいかに株式市場が動いていて突然上がったり下がったりすることがよくあるということである。

どの記事も考慮してなかった要素はもう一つある。それはコカ・コーラが6月14日に配当落ちしたということである。もしだれかが配当落ちの日に株を買ってしまえば、次の配当金支払いは最初に売り手の方にいってしまうので受け取ることができない。配当落ちの日に企業の市場価値が下落することはごく普通のことである。

よって、ロナウド選手のコカ・コーラ拒否だけが理由ではなかったということである。一流含む有名人が流行や市場トレンドに大きな影響をもたらしうることは本当であるが、突然企業の株式市場に影響を及ぼしたり自分の力だけで変えられるほどではない。

コカ・コーラ愛好者かロナウド選手のファンかどうかは関係ない。重要なのは、ソーシャルメディアで何が読まれているかをただ受け入れるのではなく大局的に物事を見ることとすべての物事の全容を見ることである。




【Internet Bull Report】
海外の経済ビジネス情報サイト。世界中のいろんな企業の経営状況や財務状況の情報など。
URL; https://internetbullreport.com/

翻訳記事;”Coca-Cola vs. Ronaldo – The Battle Between Influencers and Pubcos

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