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『絵本をよんでみる』 五味太郎

著:五味太郎 小野明
出版社:平凡社
発行年:1999年(新版)
価格:1,100円
「Amazon」より

 著作数450冊を超える絵本作家、五味太郎による絵本論。『キャベツくん』、『よあけ』、『エンソくん きしゃにのる』など、五味を「絵本好きにしたであろう自作以外の絵本」全13作品が語られる。まず初めに語られるのは、自身がいちばん長く読んでいる絵本という『うさこちゃんとうみ』であるが、その読みっぷりが実に愉快且つ明晰なのだ。ふわふわさんのセリフは「うさこちゃんの「我」を揺さぶる問いかけ」である、作品に登場しないうさこちゃんの母親は「〈うさぎ産婦人科〉に入院しているんじゃないだろうか」とまで「深読み」を展開する。画面に見惚れ、想像力を膨らませ、深く味わう五味の語りに、読者は1冊の絵本がこんなにも楽しめるのかと驚くことに違いない。そして、彼の意見は「絵本を読む」ために役立つだけでなく、人生観をも豊かにさせてくれるのだ。あらゆる人に手に取ってご覧頂きたい。

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