ラーメン屋で話すようなことば

「それじゃあ届かないよ」
「ラーメン屋で話すようなことばで語らないと」

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尊敬する絵本作家がいる。長谷川集平というにんげんだ。彼が描いた『日曜日の歌』という作品を読んで、ぼくは目が覚める思いをした。

3年前のある日、ぼくは集平さんとはじめて話すことになる。

きっかけは、こんなメールを送ったことから。
「集平さんへ ぼくが虜になった作品をより多くの方に知ってもらいたいので、集平さんの紹介動画を撮らせていただきました。YouTubeにアップロードしたいと考えているのですが、許可をいただけないでしょうか。」(ほんとうはもっと長々したメールだった)

お返事が届いた。
「ありがとう。でも、きみは大事なことが、2つも、3つもわかっていない。今度、インタビューしてもいいから、もっといいものをつくらないか?」

かっこいい人だと思った。それで、ぼくは、集平さんと翌々日にオンラインで話すことになった。

思ったよりもやわらかな表情をしていていたけれど、決して聞き流したり、見て見ぬふりをしない人だった。冒頭に書いたのは、その日、集平さんが贈ってくれたメッセージだ。

ラーメン屋で話すようなことば。それは、だれの日常にもある平易なもので、受け手のミットにパシンっと音が鳴り響くような、そんなことばだと解釈している。

まっすぐに向き合っていないと扱えない。
油断している自分に気がついたら、ラーメン屋で話せているか?と問いかけるようにする。

その後も、いっぱいの言葉をもらって、いろいろあって、ぼくは今ここにいさせてもらっている。

* * * * * *

ゴールデンウィークが明けると、いろんなプロジェクトが走りだす。日々は、ぼくが走るよりもはやいスピードで過ぎ、状況は刻々と移ろいゆくだろう。

くたばるなよ、自分。腰を落として、よく見て、よく聞いて、よく考えてやっていこう。

〈今後のイベント案内〉

▼「語ろう!ぼくたちのこれから」
日時:5月17日(金)19:00-21:00
会場:京都市五条で検討中

▼ 船岡山オープンパーク
日時:5月19日(日)11:00-15:00
会場:船岡山公園

▼ 床張りワークショップ
日時:6月1日(土)-2日(日)
会場:TAKASHIMA BASE(滋賀県高島市)

▼ ぼくみん事務所びらき
日時:6月9日(日)お昼くらいから
会場:ぼくみん新事務所(京都市五条)




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