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脳の可能性との出会い

私が初めて脳の可能性について考えるようになったきっかけは、生物学の学びの中で解離性同一性障害いわゆる多重人格との出会ったことでした。

紹介された書籍『24人のビリー・ミリガン』という本を読んで衝撃を受けました。

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この本は、実在のビリー・ミリガンという方が主人公です。彼は、アメリカ史上初めて多重人格を理由とする無罪判決を受けた人です。

驚くべきことに彼の中には24人もの人格が存在していたのです。

それまでに私は子供のころドラマ『ヤヌスの鏡』を見たり『ジギルとハイド』などを読んで、二重人格という言葉は聞いたことがあったのですが、人格がそれ以上になるなんて考えたこともありませんでした。

さらに、それ以上の記録もありました。『ジェニーの中の400人』

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これらの書籍の記録から、私が得た情報は大きく3つ。

いずれも虐待によって引き起こされた分裂であること。人間の脳の恐るべき可能性についてでした。そして、人の自分の命を守るための力の3つです。

ビリーのケースで言えば、人格によって年齢、性別、国籍も異なります。話す言葉の訛りや、特技も人格によって異なるのです。また、それぞれの人格の時には際立った特技が統合していくことで、発揮されなくなったと書かれていました。

24人や400人の人格を保有し、また、別の人間としての様々な能力、縄抜けや絵画、語学などを発揮していることを考えると人間の脳の許容量、処理能力のすさまじさを感じました。

ビリーの場合、イギリス人の人格が存在していたのですが、ビリー本人はイギリスに行ったことはないまま、真似では到底できないイギリスなまりの英語を話していたそうです。

人間の脳は一度見聞きしたものをすべて記憶している。幼児教育を学んだ時に、そう聞いたことがありました。ビリーの事例を読んでいると、そのことが信じられると感じました。

また、人格が生まれる経緯としては、ご本ににとって耐えがたい出来事を引き受けるために新たな人格が生まれていくという感じでした。

本を読みながら、彼に起こった壮絶な虐待に胸を痛めながら、人間はそこまでして、自分の命を守るのだなと、そのために人格を破壊したり増やしたり何でもするのだと、心にズンとくるものがありました。

逮捕後、13年に及ぶ統合の治療を経て、ビリーは現在もご存命で、50代半ばの今、統合はうまくいっているけれど、自分の中にほかの人格の存在も感じるとおっしゃっていました。

Youtubeなどで、実際の彼の取り調べや治療際の動画を見ることができると思います。

24人のビリー・ミリガン

この本を読んだころ、私は19歳くらいだったと思います。その時感じたのは、多分誰しも、自分の中にいくつもの人格を持ち、いろんな場面に応じて使い分けているんだろうなということ。ですが、違うのはほぼすべての出来事の記憶を持ち、統合が上手くいっているというところでしょう。

実は、ジェニーの方は、とても受け止める自信がなくて、読めていないのです。これらの本は、虐待する側の狂気についても色々と考えさせられるものがあります。

とても、思い書籍ではありますが、一方で脳の可能性を教えてくれたものでもあります。

私たちが、これほどの可能性のある【脳】を保有しながら、どう活用し、どう自分自身や、周囲の人への【価値】に変えていけるのか…

まだ、まだ、答えは出ていませんが、一緒に考え取り組んでいきたいなと思っています。




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