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「軍隊ってどんな環境なの?」 負のループから改善策まで。"星の王子さま"からヒントを得る。

久しぶりに日本語で本を読みました。
入隊時には、本を全然持っていかなかったのですが、先日の休暇で10冊ほど持ってきました。やっぱり、日本語で本を読むと良いもんです。すんなり入ってくるというだけあって、深く思考も巡らせられるし、感受性も豊かになります。


一番大切で、一番好きな本。



さて、軍隊で(日本語で)読む記念すべき一冊目は「星の王子さま」でした。(フランスの本ではあるけども。)

僕にとって一番大切で、一番好きな本。
誰かに本をプレゼントするとなれば、迷いなくこの本を選びます。何せ、この本は、人として在るべき姿に、人の接し方、社会の成り立ち。そして、思考法に忍耐や友情。さらには、愛まで。生きる上で忘れてはならない知恵が詰め込まれているんです。

毎年、数回は必ず読む「星の王子さま」。
今回はまた、深く感じるものがありました。

前回は、たしか去年の2月にプーケット行きの飛行機で読んだな

(読む度に、その時その時と感じるものが違うからいい。)

僕は今、軍隊という特殊な星にいる。


今回、この本を読みながら、「ぼくは、今、星の王子さまと同じだな。」と感じていました。

星の王子さまは、自分がいた星を発ち、様々な「大人」がいる星に旅に出るのですが、まさに僕は今、軍隊という特殊な星に旅に出てるのです。

王子さまが訪れた星はとても小さく、各星には「大人」が一人ずついます。誰もいないのに自分の威厳に溺れている王様に、とにかく褒められたいうぬぼれ男。存在意義を見失った酒飲みに数字にとらわれたビジネスマン。命令に支配され考える力を失った点灯夫に行動をおこさない地理学者などと。

共通して言えることは、客観視する環境がないということ。物事や目的をどのようにして見るのかということがわからないのです。

僕は今、軍隊というとても小さい星に来ています。 色んな人に出会い、良い意味でも反面教師という意味でも学びの日々を送っています。

この小さな星は、社会とは完全に隔離されており、軍事機密漏洩防止のため中の事は決して外に知らされない。自分や他者の階級も、訓練の内容も、自分が何処の部隊に所属していて、どういう勤務をしているのかも、全て機密事項です。

韓国男子は、ほとんどが大学一年生を終え入隊します。彼らがこれまで出会ってきた大人たちは、親に学校の先生、バイト先の店長ほどです。韓国では日本のように部活もあまりないので、先輩後輩の関係を知らない人がほとんどです。人との接し方もろくに経験してこなかった、そんな二十歳前後の若者たちで構成されている社会です。

そんな若者たちが、下っぱの時にはひたすら耐え、時が経つと階級が与えられ、後輩ができると、上からやられたことをそのまま繰り返します。人との接し方に慣れていないため、どのように振る舞えばいいのかわからないのでしょう。(DVを受けてきた子どもが大人になれば、またDVを繰り返すような感じてかと)

軍隊という特殊な環境のため、なぜこのような組織が形成されているのか、なぜそのような対人関係の築きかたになるのかは、理解はできます。

ですが、本当にもどかしいものです。


悪しきループを絶ち切る方法


正直、軍隊のこの悪しきループをどのように絶ち切ればいいのかは、今の段階ではまだわかりません。

ですが、「軍隊だから仕方ない」では終わらしたくないんです。なんかそれで放棄し耐えるなんて虚しくないですか...?

だから、これからも僕はこれを絶ち切る方法を模索していきます。

とにかく、必要なことは、
□ 客観視する力を得る(外の世界を知る。無知の知。)
□ 階級に捕らわれず、人へのリスペクトをもつ(これまじで大事)

人をリスペクトするためのメソッドは「星の王子さま」に出てくる薔薇やキツネの話が参考になります。

リスペクトというのは、愛するということだと思います。恋愛的な愛するではなく、どれほどその人を大切にするか。たとえ嫌だとしても。

その人が、表面的に自分にしてくれたことやメリットだけを見て判断するのではなく、まずは与える精神を持つこと。そうすることで、絆を結ぶのです。

シンプルなはずなのに、大人になるにつれて難しく複雑に考えてしまうものです。だからこそ、素直になるって大事なんですよね。

僕もまだまだ、これからです!!


余談


僕が、この本に初めて出会ったのは、2019年12月でした。そう、クリスマスシーズンです。

その時、僕は人生で初めての挫折を味わっていたのです。日本の大学を辞めようかと、自分の進路や在り方に迷い「人ってなんのために生きているのか」とまで自分を追い詰め生きる希望までも見失っていたのです。

その時に、ふと立ち寄ったのがJR天王寺駅に直結している百貨店MIOの9階にある紀伊国屋。

そこには「クリスマスプレゼントに本を」と、おすすめの本が平置きされていたのです。そこではじめに手を取ったのが「星の王子さま」でした。

あれから、4年と少し。

当時の僕が、今の僕を見たらビックリどころではすまないでしょう。なんせ、韓国で軍人してるんですよwwww

あの頃は、韓国に行くことさえ到底想像できなかったでしょう。

韓国にきて、SNS活動をはじめ、本当の沢山の仲間や人に恵まれ、学生団体を運営し政府の財団から後援名義をもらい、大手企業と協賛し、TVにも新聞にも取材を受け.....

確かに言えることがあります。

「人生は酷だ。本当に酷だ。だけど、そんな人生も悪くないぞ?」


D-424
#いるぼねそん軍隊日誌
#いるぼねそん読書記録

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