luckyのすゝめ
An odeに収録されている、Lucky。
An odeとはそもそも「特定の人物や事柄に向けて筆者の主張の思考や感情を表現した詩」という意味であり、seventeen史上初のダークコンセプトであるFearを収録したアルバムであるーまあこれは引用なのでさておき。
An ode自体がそもそも恐ろしいアルバムなのは言うまでもない。ブチ上がる曲があると思えば涙が出るほどしんみりする曲もあり、かと思えば明るいテンポの曲、激重曲で一周するだけでもこちらの情緒はまるでジェットコースターのように揺さぶられる。
そんなウルトラスーパー感情アルバムの9曲目、Lucky。
ラッキーとは普段から「おっPayPay当たった、ラッキー」や、「おっCだけど単位くれた!ラッキー!」と言ったように結構気軽に使えるポジティブな言葉である。
気軽に使える言葉であるので、こっちも気軽にこの曲を聴くのだが、この曲はそれどころじゃない深みでこちらの精神を“救済”しにきてくれるのである。
まず、明るい徐々に浮上していくテンポに耳を傾けると、気持ちの良いビートが2拍入り曲が始まる。
出だしはジョシュア、歌詞は「U 괜찮아」
U 괜찮아
君は大丈夫
え?????
見てほしい、一言目からあの甘い優しいボイスでこちらを救済しに来るのである。
これを聞いただけでまず人生が一旦終わる。そしてまた新しい人生が始まるのである。
彼の一言でここまで救済されることがあるだろうか。
凹んで、傷ついて、荒ぶった精神にまず“大丈夫”と言ってもらえることがどれほど心強いか。
ここで正直衝撃がデカくて頭を抱えてしまうので、終わらせたいがここで終わらないのがこの曲のヤベーーーーーところである。
歌詞を一旦見てきてほしい。
涙が出る。
伝わりますか?この曲はlucky、と幸運な時に聴く曲に見せかけて実は落ち込んでる我々に対して、SEVENTEENが大丈夫だよと安心させてくれる、メンタル回復曲なのである。
ここでしっとりした曲調にせず、涙を誘わないのがseventeenさんの凄いところであり、イ・ジフンの凄いところであり、そしてこの救済歌詞を書いているのはバーノン、ミンギュ、スングァンである。もうこれだけで飯が一生食える。
特に着目してほしいのがここである。数々のブランドのアンバサダーを務め、世界を飛び回るSEVENTEENが飲み会、月給、宿題についてこのように歌っているのである。なんと親しみやすいことか。
学生、社会人、子供、大人…全ての世代が共感できるような工夫、優しさがこの部分に詰まっている。
自分だけがこんな目に合っているのか?
他人はもっと幸せに生きてるんじゃないか?
誰しも一度は抱えるであろう、そういう寂しさ、不条理さを歌にして歌うことでみんなそうだよ、皆そういうことで悩んでるんだよ、一人じゃないよと安心させてくれるのである。
凹んだ時に前を向けるように、次の動きを考えた明るい曲調なのである。歌詞で寄り添い、曲調でハチャメチャ背中を押してくれる。凹んでいる時に「大丈夫?」「辛かったね」と情緒をサポートしてくれる、いわゆるF型のような寄り添い方をする歌詞。
そして「こうしたらいいんじゃない?」と方法を提案してくれるT型の寄り添い方をする曲調。
この一曲であらゆる不安、悩みを多様なアプローチでサポートしてくれるのである。
まさに救済ソングと言える。
ダメなら辞めればいいのである。
雨が降った後はLife is beautifulなのである。
SEVENTEENがいれば俺らはいつでもLuckyなのである。
大ヒットアルバムに佇むトンデモ救済曲、歌詞を噛み締めて是非聞いてみてください。
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