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【一陸特】2020年(令和2年)10月 工学Aの問題〔9〕解説

どんもー。今回は第一級陸上特殊無線技士の2020年(令和2年)10月、工学Aの問題〔9〕です。

◆ 掲載の問題及び回答の全ての著作権は「日本無線協会」にあります。 ◆​​

〔9〕次の記述は、直接スペクトル拡散方式を用いた符号分割多元接続(CDMA)ついて述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
 1 疑似雑音(PN)コードは、拡散符号として用いられる。
 2 傍受されにくく秘話性が高い。
 3 遠近問題の解決策として送信電力制御という方法がある。
 4 拡散後の信号(チャネル)の周波数帯域幅は、拡散前の信号の周波数
    帯域幅よりはるかに狭い。

【解説】

 1 疑似雑音(PN)コードは、拡散符号として用いられる。

CDMA (Code Division Multiple Access)は、携帯電話で運用されている日本国内のアクセス方式です。
擬似雑音(PN:pseudo random noise)コード(符号)は、拡散されることでノイズを低減している。
よって、これは正しい。


 2 傍受されにくく秘話性が高い。

携帯電話に使用されているのもこれが要因の一つかと思います。
よって、これは正しい。


 3 遠近問題の解決策として送信電力制御という方法がある。

「CDMAの遠近問題」という言葉があります。これは、遠くの携帯端末の弱い信号が基地局に近い携帯端末の強い信号に埋もれて基地局で受信できない現象が起きる問題を言います。
これを解決する方法の一つとして、携帯端末の送信電力を基地局からの電波を受信する際に制御する、送信電力制御(TPC:Transmitter Power Control)があります。基地局に近い携帯端末は制御され、その分遠くの携帯端末に影響がないようにしています。
よって、これは正しい。

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 4 拡散後の信号(チャネル)の周波数帯域幅は、拡散前の信号の周波数
    帯域幅よりはるかに狭い。

拡散するということは、各周波数に広げるという解釈でいいと思います。拡散後の周波数帯域幅は広いはずです。
よって、これは誤りです。


というわけで、正解は4です。

この問題に関連したワードはハッシュタグにまとめています。また、マガジンで資格ごとに、科目ごとにまとめていますので、ご参照ください。

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