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1965年のクリスマスタイム

b-flower
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#Xmas2014 『クリスマスの夢から覚める時』

子供から大人になる瞬間というのは何度かあると思うのだけど、最もその大きなコトのひとつだと感じるのはサンタクロースの存在にまつわること。

子供の頃のクリスマスは「宗教」でも「恋愛の戯れイベント」でもなく、聖なる感じの楽しい夢の日。
でもサンタクロースの存在を信じていられるのは、せいぜい9歳くらいまでか。


12月のある日、小学4年生の子供が母に言う。

子「なあ、かあちゃん。サンタクロースってほんまはかあちゃんなんやろ?」

母「えぇ、なんで?」

子「だってな、翔太くんが言うてたもん。」

母「そんなことないよ、サンタさんはちゃんと居るよ。」

子「翔太くん、毎年おかあさんに言ってる通りのもんが届くんはおかしいって。
そう言うたら僕もかあちゃんに毎年 何が欲しいか言うてたなぁと思って。」

母「かあちゃんが、いつもちゃんとお祈りしてサンタさんに頼んでんねやんか。」

子「大輝くんのお母さんはな、『プレゼントは5千円以内にして欲しいってサンタさんが言うてはる』って言うねんて。なんか変じゃない?」

母「まあ、サンタさんもたくさんの子供たちに配らなあかんから大変なんやわ。」

子「ひと晩で世界中に配るのもちょっと無理ちゃうかなと思うねん。」

母「サンタさんはたくさん居ててな、世界中の子供たちに配るんやけど、確かに忙しいからかあちゃんに預けていかはる時もあるわ、そう言えば。」

子「ふうん・・・。」





『1965年のクリスマスタイム』

赤い屋根の街
丘のオリーブに注ぐ太陽の光

夢で見た地図を 砂に描いたら
聖なる感じで 僕らは誓う

楽しい話をしようよ 遠い日の Fairy Tale
あんずのクラフティを焼く おばあちゃんに メリー・クリスマス


そうなればいいと どこかで思う

おいしいお茶をいれようよ たっぷり Honey & Milk
古いレコードかけて 回る想い メリーゴーランド

楽しい話をしようよ まるでそう Fairy Tale
あんずのクラフティ焼いて 子どもたちに メリー・クリスマス


ヒイラギの葉 そしてその赤い実
キッチンを充たす焦げた小麦粉と バタークリームの香り
夜の間に配られるであろうオモチャ(おそらくはブリキの消防車)
について想いをめぐらせながらベッドへ入ると
眠りは夢と現実の境界線を漂い
明日の朝には「バカみたい」と思うに違いない物語を上映し始める
赤い屋根の街 丘を白く塗りかえてゆく雪
誰もいない真夜中 回り続ける追憶のメリーゴーランド

夢に見た地図を砂に描いたら 聖なる感じで僕らは誓う
そうなればいいと どこかで思う

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