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何の前触れもなく十龍之介のことしか考えられなくなったオタク


 そこに十龍之介がいたから

 ここ4年私は同じ男にしか眼中になかった。現場苦手だった私がライブに通いつめ、右も左も分からなかった私が一人でフラスタ出して。同担と語り尽くしたいのに同担と話したくなくて同担拒否拗らせて。元々二次元コンテンツ追いかけるのに気疲れして、この男を最後に二次元オタク辞めると四年近く意気込んでいた。


 その男の属するコンテンツがあまりに規模が小さくて、ソシャゲ第一弾(第二弾は誠意製作中(今年(2023年)リリース予定なのに12月突入しても続報なし))も畳まれもうすぐ2年。自分で金落とさないとコンテンツに未来ないからまず金を。他の旬ジャンルにうつつを抜かす暇があるなら投資。Twitterで話題の旬ジャンルを観ることさえせず。個人の事情が重なり今年上旬のライブ後倒れ入院、20代前半にして4ヶ月もの入院生活を送った。

 中盤1ヶ月はスマホに触れることすら許されず、もう全部どうでもいいって人生投げ出したくなったときも一度や二度じゃなくて。

 諸々の事情で8月中旬に退院したものの諸々の事情で色々精神的にも参った状況下。やっと落ち着き復職までの虚無期間。復職までしばらく自宅待機を命じられつつもう仕事戻りたくない鬱状態に苛まれて。それでも何もしないのが一番辛い。何をして過ごそうか、好きなアニメも大抵見尽くしてしまった。今は同じ作品周回する気力もない。さて何をしよう。

アイナナ続き観よう(本編開始)

 私のアイナナ歴ですが、この時点で完全初見ではありませんでした。アプリでは当時ダンマカイベがあった頃(2020年冬)。その頃ちょうどAbemaでアニナナ1・2期一挙放送があり、当時昔から仲の良いフォロワーに勧められて観て、少ししてアプリも入れた。沼入りしたの今年夏なのに21年のi7りばれŹĻの正月カード(TRGだけ出てこなかった)と四葉逢坂のダンマカカード持ってるのなにゆえと聞かれたらこのためです。


 当時1・2期を完走し、全体的に良かったなぁとは思いつつ、2期終盤の鷹匡の展開でちょっとうん……?となったところがあったんですね。2期三月のMCの悩みのところで「これこれこういうのが見たかった!」ってぶち上がったところでしたが、アイドルがアイドルに苦しむ話が見たいのであって脇のおじの陰謀に振り回される話見たいわけじゃ……?って疑念がちょっと突っかかっていました。だから3期は放送してるの知っててもアニメは追ってなかった。

 でも3部おもしれーらしいし三月良かったしŹOOĻのヒールポジ知ってる上でそういうキャラ大好きだし何より六弥ナギとかいう顔面最強男気になる。当時金髪碧眼元外国籍のひょうきんで博愛主義に見えて特定の人間に激重感情抱いてる男に目がなかった(冒頭の4年愛し続けた男参照)ので、二期まで一挙放送観た時点での最推しは六弥でした。名前の字面圧倒的美だし記者会見と三月の下り良かったし何より顔面最強。これまでの展開的に3部でメイン掘り下げ来るかもしれないし。

 そんな期待を込めながらも読み始めた1部1章。

 読んでも読んでも七瀬のバスケリッシュセブンで歌もダンスもライブも練習もちっとも始まらなくてそっ閉じして月日流れて3年半。


アイナナ続き読むか~~~~~~~~~~(本編開始)


 履修開始時点で2023年8月。アニメは3期も完結していたものの時間だけは山ほどあったので意を決して3部1章から読み進めることに。1部2部はこの時点では捨てました。また2クォーター分はあるバスケで躓きたくないので。

 2期までの内容はぼんやり頭の片隅に置きつつ、どうしても記憶と接合性取れないところはおもしろかったら後で読み返すか~と読み進めること3部中盤。


 見事十龍之介のことしか考えられなくなりました(本編完結)

※以下メインストーリー3部以降のネタバレを含みます。


 ツクモと花巻関連は仲良しフォロワーが度々話題に出してた(花巻このままアフターフォローないの的な意味で)ので彼ら彼女らに対するヘイト感情は予想より少なかった。元々彼らのようなキャラはメインキャラの活躍のための道化と割り切って俯瞰しているので。寧ろアキヒトには欠片はあった(2-16の八乙女)フォローが花巻は自己退陣という形でしか描かれないことに同情しかなかった。

 そういったつなしに対するシナリオ的苦境もそうだけど、それ以上に印象深かったのが今でも度々議論になる彼の家族観。

 私自身は家庭環境には恵まれているとは思います。特別良い関係ではなくとも特別悪い関係ではない。それでも親が離婚し経済難に陥っている苦しみはよく分かっているつもりなので『家族と不仲なのは不幸なことだよ』を言えるつなしも、つなし家の親事情と借金難を聞いていながら『十さんは暖かい家庭で育ったんですね』を言える逢坂も両方理解できなかった。(しばらく先まで話読んで別件でパブサしてたらこの件(後の逢坂家の件含め)で叩かれてたのつなしだけで泣いた、つなしが叩かれるのも仕方ないけどこれに関してはどう見ても脚本の問題だし逢坂にも落ち度はある(つなし家の事情本人から聞かされていながら十さんは温かい家庭~、TRIGGER生放送不当占拠)(なんなら花巻に最初に移籍を持ち掛けたのは七瀬)のに叩かれるのつなしばかりなのだけは理解不能で正直逢坂担に良い感情持ててないというかどうしても怖くて逢坂担だけはTwitterフォローできない(趣味でやってる対人関係で傷つきたくない))

 波乱万丈の3部読んで頭の中つなしつなしで埋め尽くされて拮抗読んでさあ4部。ノースメイア諸々色々諸々さあTRIGGERオーディション。あらつなし寝息かわいいねあら電話どちらさま

十龍之介人間ではないのでは??????

 私は3部時点でずーる好きだし月雲了も花巻も(鷹匡もセトも序盤宗助も)脚本上の道化だと割り切っているしそれらを推察させる文脈も全部脚本上に含まれているから悪行そのもので彼らの人格否定(≠悪行そのものへの批難)はしないけど。それは神視点の脚本を読む私だからできることで、実際に彼らからアイドル人生、もっと言えば実家の借金返済と弟たちの大学進学のために上京してきた彼の人生の意義そのものを潰されるところだった(つなしのゴシップ火種が今なお続いていたら弟たちの信用問題にも繋がりかねなかった)つなしはそうではない。地獄に堕ちろ月雲了のように(特に花巻教唆に加担した)御堂を非難する権利を誰より持っているはずだった。

 願いはSOSお披露目の舞台を踏み躙られた件は一生許さない。それでも御堂が過ちに気づいたことと彼らのレッフェス成功を祝えないことは別。それをはっきりと(しかも意識もまどろんでいるだろう寝起きに)本人に言い渡した十龍之介という存在。

 パブサするまでもなく3部を踏まえたつなし担TRIGGER担のみならずアイナナユーザーの目玉だったことは分かる。この先ずーるを脚本やイベストに落とし込む上で彼らを上手く処理していかなきゃならない。(後述するけど3部読了後ムビナナと8周年で配られたチケで各イベスト読んだのでずーるの扱い自体は4部前から知ってはいた)

 下手すればこのつなしの言葉次第で3部めぞ関連みたいな「言わされている感」でつなしを受け入れられなくなることも覚悟していた。それで傷ついて去ってきた過去コンテンツを幾度もあった。

 それでもつなしはどこまでも『十龍之介』だった。一瞬でも疑った私が恥ずかしくなるくらい、つなしという男の生き様しか考えられなくなった。

 ずーるくん総出で謝りに来た時の「無理なんかしてないよ。絶対許さないって言ったじゃないか」でようやく、私がつなしを、ずーるを好きでいていいんだって安心できた。3部時点で好きだったとはいえ、悪行とキャラ造形は別だと最初から割り切っていても、つなしを好きでいながらŹOOĻを好きでいることにどうしても後ろめたさは感じていたから。

 それを罪は罪、断罪などしないと突き放した上で、彼らを好きでいることを肯定してくれたのが外ならぬ最推しのつなしでいてくれたこと、心から嬉しく思う。

 十龍之介人間じゃないのでは? という疑念を頭の片隅に留めながら。

 エロビ(エロエロビースト)売りしかり家族観(子が心配じゃない親は~だけじゃなく実父の借金難で自分が義父のホテルで働いたりそーすけのスカウトでアイドルになるために上京したりの自我抑圧的奉仕精神)しかり3部しかり、私がつなしに抱いているのって素とのギャップによる身近感共感性じゃなくて、人間なのにも関わらず誰より人間離れした彼という生き様への畏怖と敬意そのもので。エロビ営業と素の人間性、双方を含めた十龍之介という生き様が誰より「アイドル」という、浮世離れした、輝いていたアイドルだった。

 三日月狼受かった独白読んだとき「これでもう楽や天に迷惑~」って下りで、ここは1ヶ月くらい「3部(俺のせいとか考えるのは辞める)と矛盾してない?ダブスタガバ脚本?」って結構引き摺ってはいたんですけど。6部まで読んで1~2部もじっくり読み返して。イベストも特ストもメインストも何度も何度も読み返して。それが二人への罪悪感から来る贖罪だったと同時に、宗助から指摘されてきた自我解放精神の確立だと、ようやく本心から咀嚼することができた。

 十龍之介というアイドルを崇めつつ、ようやく彼が「人間かもしれない」と胸を撫で下ろし始められた契機だった。


 気が付いた時にはアイナナ専垢を設け会社に復職申請を送り、自室の傍らにはモンつなを付けた仕事用バッグがあった。あれほど人生に諦観していた人間をオタクに引き戻した。二次創作する活力も枯れ何もなくなっていた私に毎日楽龍SSを書かせるエネルギーを取り戻させてくれた。そして何より「このままではつなしに申し訳が立たない」と復職する勇気をくれた。私にとって十龍之介は『推し』を飛び越えた『人生の恩人』なのだ。

以下つなしへのオタク語り

【イベスト編】

 本当に初期触れたときの思い出補正で4部読了後ダンマカ読んだの何より後悔した。ストーリー云々というより「他のイベスト読んだあとのつなしの役のギャップで萌え散らかす」人生で一度の契機を逃したショックで。

 ダンマカは色々思うところはあれど個人的にはそれなりに好きな話。何よりクヴァルとフーガに色々感情抱きがちになる。あとオルカも好き。棗のフーガの印象が強すぎて5部読み出して棗とのギャップでリアルに飲んでた白湯スマホに噴きだした。

 物語への総評は各話思うところが違うから別の機会に書くとして、「十龍之介」をアイドル・素、双方を完全に昇華したキャラとして一番好きなのは星巡りのファング。船長で王様で明るく朗らかで、コーダに身分を明かさぬまま彼と航海を続けていた二律背反的面。時にしたたかでビースト要素全面に出した肉体的精神的双方の強さ。蛟もこれに近い系統で(何より英八乙女と(二回も)バトルするから)大好きだけど、十龍之介像の完全昇華体としてファングを好きにならないわけがなかった。

 これを浴びたからこそBSS(僕が先に好きだったのに)幼馴染激重感情騎士のクヴァルの衝撃をじっくり噛み締めて浴びたかったーーーーっっっ!!

【特スト】

 人狼が昔から大好きなので特ストもアイドル人狼真っ先に読みました。人狼が好きでも特に二次元キャラの作品内人狼(もしくはそれを模倣した二次創作人狼SS)が好きなのも、そのキャラの思想や価値観をベースにした人狼がゲームの完成度を問わず大好きだからなんですよね。陣営の勝敗を描くだけでなくそういったキャラの掘り下げや思考を基にした作品にこそ身内村二次元キャラ人狼の価値が詰まっているから。アイドル人狼好きすぎて支部でアイナナ人狼SS書いた。

 そしてその中でも終盤のつなしの描写が110億点満点。疑わしいと思っても彼の中で疑念が確信に変わるまで口にしない慎重さ、天を信じているからこそ彼の不審な動きを疑うことができた。推しは誰も勝利陣営にいなかったけど私にとっては大優勝! あと六弥が有能枠すぎて最初に嚙まれたの嬉しかった! 推しが警戒されて早期退場するの観戦してる身なら嬉しいことこの上ない! ゲーム参加者は地獄だけど。

あと棗しかり六弥しかり八乙女以外の私の推しものの見事桜春樹関係者ばかりで最近桜春樹が好きなのかもしれない現実から目を背けたくなる(桜春樹好きだけど推しとはどうしても認めたくないジレンマ)

【追記】俯瞰的整理とオタク的高揚の両立

 付け加えて言えばつなし含むメインストをより俯瞰的に、各個人の導線に沿って考えられるようになったのも、にじさんじの卯月コウ(敬称略)のアイナナ実況を観たのも大きかった。普段あまり積極的にVtuberを観るタイプのオタクじゃなかったけど、アイナナ実況を機に彼の配信と価値観に沿った実況を聞いていたら、自分一人だと気付けなかった視点の考えに触れ、それを抵抗なく自分の中で驚くほどすんなりと享受出来ていた。自分以外の他人の考えをリアルタイムで共有できることで精神的に安定できるのも大きかったし、シンプルに1オタクとして聞いていて楽しかった。楽が好きでユキにブヒって鷹匡好きで春原百瀬に前世で失恋した記憶持ちだすけどそこ推しじゃなくても全然楽しめるから興味ある人はぜひ見て欲しい。



十龍之介ありがとう

 全部がとっ散らかりすぎたしオタクの感情書き殴ってるだけなので構成もへったくれもないけれど。
 私が今こうしてオタクしてるのも、人生に希望持ててた私が自分を好きになれたのも復職できたのも、全部全部十龍之介という男に出会えたおかげ。

 2部終盤の鷹匡の懐疑心でアイナナに触れるのに遠回りしたけれど、いざ触れて彼らアイドルたちの生き様、そして十龍之介という最高のアイドルに出会えた感慨を思えばやっぱりちゃんと履修して良かったと心から思えた。

 まだアイナナに本格的に触れて三ヶ月だけれど、貴方に出会えたおかげで今毎日が幸せです。貴方のシクレを手に入れたくて走ったSugao復刻イベラン778位何もかもが楽しかった。

 アイナナ垢作って素敵な方々と繋がれたのも、好きで毎日毎日SS書く楽しみを思い出せたのも、本当に感謝しかない。お金貯まったらいつかライブ現地も行きたいな。


 十龍之介に出会えたすべてにありがとう。

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