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ワークコートに潜ませた決意のようなもの。

新しい始まり。
新品の制服を着る時の、これから始まることにそわそわとわくわくが混じったような新鮮さ。

オンとオフの気持ちを切り替えられる、料理人で言うとエプロンのような存在。

1月で約8年働いていた職場を離れ、2月から新しく始まる仕事に向けてワークコートを作ることにした。

新しい職場であるリネンを専門に扱うお店は、ベルギーからやってきた色とりどりの上質なリネン生地がずらりと並ぶ。
とろんとした質感のものや、くたっと洗いをかけたもの、風にふわりとなびく柔らかなものなど、リネンとひとくくりに言っても質感はさまざま。

そんなお店に似合うマイワードローブを作ろう。出来れば毎月1着。と自分の中で決めた。「決意」というほど固いものではないけれど、毎月自分のワードローブを作るのは公私ともに豊かなことだと思ったのだ。
それから、ここ数年の「変わりたい」欲求も合わさっているのかも。
自分自身をアップデートさせたい。
でも、どうやって?日々の生活に、不満があるわけではなかった。
むしろ、満足している。だとしても…。
それで満足していて本当に良いのだろうか?
そんな疑問がいつも心の中にぽん、と座っていた。時々大きくふくらんだり、ちっちゃくなったり。消えて無くなることはなかった。
そんな折、長年勤めた前職を離れることを決めて、自分のスペースを開けた。
開けたスペースの分、いいものが入ってくるということを知っていたから。

そしてそのスペースを使うとするならば、学生時代から続けていた服作りを、自分のためにしてみてもいいんじゃないかな、そしてそれが仕事服として、ゆくゆくは自分が着たいものを自分で自由に作れるようになったらとてもすてきなことのように思った。新しい職場には、上質な生地が揃っている。こんなぜいたくなことってないなぁ。としみじみと思う。
それならば記念すべき第一着は、憧れのアトリエコートにしたかった。
私の思うアトリエコートというのは、いわゆるメゾン、シャネルやディオールの服作りの部門の人たちが着ている作業服。

Dior & I

メジャーやペンやメモをたっぷり入れられるポケットがあり、清潔で、足さばきの良いもの。
きちんと感のあるテーラー衿。ばさっと着られるサイズ感。そんなスタイルで仕事をする人たちがかっこよくて、それをするなら今しかない!と思い立って自分による自分のためのアトリエコートを仕立てた。

アトリエ勤めではないからワークコート、なのだけれど。
働き始めてちょうど1ヶ月が経つ。ワークコートは使いやすくどんなスタイリングにも合い、とても気に入っている。
すでに2着目のことを考えている。

ポケットは、ノートとペンが入れられるように。ペンは隠しポケットに入れて無くさなくていい!

胸もとにはポイントにパールピン。
これをつけるだけでスタイルが締まる。

無地っぽく見えるけれどリネンのヘリンボーン、ポイント使いに綾織のストライプ。ホームウエアのようにも着れて気に入っている。
コートを引っ掛けるリボンも付け足した。

おまけ。ワークシューズも調達。ドクターマーチンは15年ぶり位に購入。インソールでクッション性ばつぐん。


自分で作ることの特権は、ぴったりのサイズで作れること。
身長が低い私はなかなかぴったりのサイズがなかったから、嬉しい発見(今さらながらだけどね)。