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【N/S高政治部】 3党の代表と考える、野党の役割と若者

初めまして。
N/S高 政治部4期生のYNです。

今回の記事は、野党3党の代表による「野党の役割」についての講義を受けて、私が考えたことを書きました。私は「政治について議論する場や機会を得る」ために政治部への入部を希望しましたが、この記事を通じてより多くの方に私の意見を発信することで、自分の考えを整理することにもつながる貴重な経験になるのではないかと考え、記事を書きました。

拙い文章ですが、この記事がみなさまにとって、政治について考えるきっかけに少しでも繋がったら嬉しいです。

講義の概要

今回の講義は、 政治部顧問の川邊健太郎さんを司会に、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の代表にご登壇いただき「野党の役割」について対話型講義をしていただきました。

講義のアーカイブはこちらからご視聴いただけます。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=j1NgYjwjJ40

講義前には、ご登壇いただく皆様のご経歴や3党の特色について調べました。私の所属するEチームは「野党の役割」というテーマの中で、より細かいテーマを設定し「政権交代を目指す党は、高齢者からも支持を得なければいけない中でどのように若者の声を反映させるか」を考えました。その後、私たちの政策提言のテーマの「主権者教育」を絡めた質問を検討しました。

また、講義に参加する前の私は、野党の役割とは「与党の気を引き締める」ことだと考えていましたが、これまで野党議員の方から直接お話を伺ったことはなかったので、実際は「与党の批判ばかりしている」のか、そうでないのかもよくわかりませんでした。

3党代表の回答とそこから考えたこと

今回の記事では、Eチームからの2つの質問について取り上げます。

Eチームの質問①

「日本ではインターネット上で政治家に直接意見を届け、政策を共創していくプラットフォームが導入され始めています。このようなプラットフォームにどのような可能性や価値を感じますか」

Eチームの質問①への回答を受けて

馬場さんの「若者の政治離れは政治家が原因」という意見については、私は政治家が主な原因だとは思っていませんが、それが全く影響していないわけではないと思います。政治家は国民に興味を持たせるためだけに活動をしているわけではありません。やはり、教育を通じた政治への関心の醸成が必要だと感じました。

また、馬場さんは被選挙権の引き下げについてもお話をされていました。私も年齢を引き下げることに賛成です。例えば、イギリスで2015年に20歳のマリ・ブラックさんが元閣僚の現職を破り、下院議員になった等の例もあります。同世代が選挙に出るなら、若者と立候補者との接点が増え、興味を持つ若者が増加することは間違いないと思います。

しかし、年齢引き下げのデメリットとして投票者の選定理由が短絡的になってしまうことが考えられ、政治にエンターテインメント要素が増えるかもしれません。候補者や政策、社会問題をどのように見るか、といった知識が重要に感じました。

Eチームの質問②

配信講義後に、
「若者の声を聞く中で重要視していること、また課題を感じていること」について伺ったので、その概要を以下にまとめました。

立憲民主党 泉さん

「立憲民主党は、全国各地に支部があるので、同時多発的に若い世代の皆さんと政治家が意見交換できる機会を増やしたいと思っている。そういった形で『距離』を縮めていくのをぜひ増やしていきたい」

国民民主党 玉木さん

「国民民主党の学生部は全国で250名ぐらいだが、大学生が多い。例えば高卒で働いてる人や非正規の若者の声が『若者』と一括りにした中で、なかなか伝わってこない。そういう声をどうやって拾い上げるのか気をつけていかないと、四年制大学に通っている人とか、そういう声を中心に『若者』になってしまわないように注意が必要。より幅広い声をとれるように、Xやインスタなど、色々なメディアも活用しながら意見をもらっている」

日本維新の会 馬場さん

「若者の保守化がとても進んでいる。私たちの世代は、なんとかチャレンジしてやってやろう、という人間が多かった。今の若者が保守化しているのは、社会に夢や希望がないのが最大の要因。政治の役割は、そういった夢や希望を持てるような社会を作ること。若い人と話すと、それを強く感じることが多い」

Eチームの質問②の回答を受けて

馬場さんがおっしゃっていた「若者の保守化が進んでいる」という意見は、今回の講義で初めて知りました。実際に、こちらの第49回衆議院議員総選挙 全国意識調査 によると、比例代表選挙での投票先が自民党であると回答した割合は、18-29歳が39.5%と、70-79歳の40.2%と80歳以上の49.2%に次いで全体の3番目の高さでした。

Eチームでは、若者は本当に保守化しているのか確かめるため、この話題を扱った複数の論文を読みました。しかし、論文の結論はそれぞれ異なり、若者の保守化が進んでいるとは断言できませんでした。個人的には「自民党の政策をみて支持する」というよりは、「自民党以外の政党について知らない」「野党に良い印象がない」などが若者が投票する理由として考えられると思いましたが、あくまで仮説なので実際どうなのかはわかりません。

「政治家とそれ以外との距離を縮めること」はとても重要であり効果的だと思います。実際、政治部に入部し、講義等で直接お会いすることで、私にとって「テレビの中の人」「国民の関心をひくための過激な口調や発言」「熱意があまりない」という印象は、「前よりも身近な存在」へと変化しました。

また、義務教育期間における主権者教育の意義についても併せて考える必要性を感じました。この点が曖昧だと、高校や大学に進学する人としない人の間で政治への関心について大きな差が生じ、政治により幅広い意見を取り入れられなくなるのではないでしょうか。どのようにしてその期間に主権者教育を充実させるべきか考えてみたいと思います。

講義全体を通して疑問に思ったこと

泉さんは「若者の政治離れはなんとしても改善していきたい」とおっしゃっていました。他に登壇された馬場さん、玉木さんを含め、若い世代の政治離れの解決に向けて、前向きな姿勢だったと思います。そもそも、なぜ「若者の政治離れは解決されるべきだ」という風潮が存在するのでしょうか。

私は、若者に限らず幅広い層の政治離れ、もしくは一部の人しか政治に興味を持たなくなるのは民主主義を維持するために解決されるべきだと考えます。若者が政治に興味を持たなくなったら、その世代は政治の動向を追わなくなるでしょう。その間に政治家たちがどのようなことをしていても若者は興味がないため気づきません。

政治家が少数派の意見を顧みず、多数派の意見だけを元に政治を行った結果、最終的に損をするのは若者だと思います。同時に、「若者の政治離れは解決されるべきだ」と思っている人はどれほどいるのだろうという疑問も湧いてきました。

また、チームで「若者は人口の面で少数派であり、そもそも政治に興味のある人が少ない。よって、若者に目を向けても党にメリットがない」という課題について問題提起がありました。講義を受けて、私は今の若い世代が中高年になる未来に向け、例え若者は少数派であっても政治家が彼らの票を得ようとすることは役立つのではないかと考えました。

こちらも前述の調査によると、2021年に行われた衆議院選挙で投票率が前回比2ポイント程度の微増であった理由について、最多の回答は「野党が与党に対抗する政策を提示できなかったから」、 2番目は「最初から与党が勝つ選挙だったから」であり、この2つで半数以上を占めています。私はこの結果を知り「調査の回答者は一体どのような基準や理由によって、野党が与党に対抗する政策を提示できなかったと考えたのか」と疑問に思いました。

野党は国会において与党より数が少ないので、少数派の声を政策に反映させる役割があると思います。多数派によって与党が選ばれた以上、野党も少数派の人々の声を無視すれば、国民の代表としての職務を果たせるのか疑問に思うからです。

これらを踏まえて、野党のあり方は民主主義の在り方に関係するのではないか、と考えています。近年はロシアのウクライナ侵攻やガザ地区の戦争に代表されるように、国と国との価値観の違いが浮き彫りになりました。世界の民主主義はこれからどこに向かうのか、とても難しくて興味深い問題だと感じます。また、少し調べたものの「世界的に共通した民主主義の定義や基準」は無いようなので、「この国・政治は民主主義である」と言い切るのは難しいと思いました。今後は、「〇〇主義」といった言葉の意味や、日本を含む世界の国々の「〇〇主義」について、勉強してみたいです。

まとめ

私たちEチームは、主権者教育について調査、研究しています。今回の講義を受けて、私は政治家との接点やお話する機会を増やし、政治を身近に感じられるようになる主権者教育を導入する必要があると感じました。

学校において現実の社会課題をより多く扱ったり、選挙の際の候補者の選び方を学ぶことにより、政治を身近なものとして感じ、興味関心を持つ人が増えて、投票率は向上すると思います。このような変化が現れれば政治家も、若い世代の動向は無視できないと考えるようになり、国民はより政治に関心を持つようになるのではないでしょうか。

今回の講義で野党の皆さんの若者と向き合う真摯な姿勢を感じることができました。また、私は政治に関する知識を増やし、主権者教育により若者を含めたより多くの人が政治に興味を持てる社会の実現に向けて、今後の政治部での活動を頑張っていきたいです。

最後になりますが、この講義に関わってくださったすべての皆様に、このような貴重な機会をいただけたことを、この場をお借りして感謝申し上げます。ありがとうございました。


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