宮島ゆき

云わずと知れた「休みの国」の「悪魔巣取金愚」

「休みの国」はバンド名で「悪魔巣取金愚」が歌のタイトルである。

Spotifyでこの曲を聴いていたところ、奇妙な事に気が付いた。

この曲が始まる前に女性の独白が聞こえる時と聞こえない時があるのだ。怖い話をしたくてこしらえた話でもなく、家人にその独白を聴かせようとするが聴こえないのだった。

たしかに自分は二、三度たしかに女性の独白を聴いて「おや、こんな物が録音されていたのだな」とびっくりしていたのだが。



女性の声で

「非常に落ち着いた顔をしているけれど前の人に脅かされちゃいましてね、んーバンドだなんていうからバンドじゃなきゃいけないかと思って、でも一人なものですからバンドじゃないですね」

その後に「悪魔巣取金愚、ドゥビドゥ」と曲が始まるのだ。

自分の作ったリストの中の流れで聴こえるのかと思い今一度再生してみたところやっと事情が判明した。

この「悪魔巣取金愚」の前にリストしていた今は無き東横劇場での「唄の市」という1971年のライブ音源に収録されていたピピ&コットの「捨ててはいけないよ大切なものを」の演奏が終わった後の出番だったらしい演者の声だったのだ。

レコードでこの曲を聴く時代ならいざ知らず、細切れに好きな歌をサブスクリプションから並べて聴く現代ならではに起きた出来事で。

ピピ&コットの後にレコードで録音されていたその女性シンガーは宮島ゆき。

固い独白の声から想像できないような豊かな声量で2曲ほど自作らしい歌をギター一本で歌い上げているのだった。

53年の時を経て独白のようなMCの事を文章に書かれるとは夢にも思わないだろう。

宮島ゆきさん、あなたの事は何も知らないのですが、きちんとした生真面目そうな緊張した早口気味のMCを2024年の自分はしっかり受け止めました。


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