内科
某県に住んでいた事がある。背中の痛みに不安をおぼえて、でも遠くまでの大きな病院に行くことは億劫で。内臓のなにかしらの不調かと不安も大きくて。
徒歩で行けるほどの距離の小さな内科に行った。診察は結局レントゲンに落ち着き、さてどこも異常は無いと医者は言う。
「背骨も本当にきれいに並んでいます」などと言うことも無かった為か少しお世辞気味に医者は言う。診察は丁寧だったと思う。
その内科の名前を事実そのままに書くことははばかれるが「どうしようも内科」「とんでも内科」「しょうが内科」というようなニュアンスのちょっとびっくりするような名前なのだった。
まあなんとか折り合いをつけて健康であると納得して医院を出た。
それから数年後、なんの理由かは忘れてしまったのだがまたその内科を訪ねた。内科で診てもらったのだから大丈夫、という安心感をもらう為だけにまた訪れたのだった。
診察結果はやはりまあ大丈夫でしょう、というようなものだったと記憶している。やはり診察は丁寧だったと思う。
会計をして帰ろうとすると「前回の会計を間違えたので二千円追加で頂きます」と言われ驚天した。電子化されたものではなく引き出しから紙のカルテを出していた事を記憶している。
そんな事を最近になって思い出し、その内科は今はどうしているかと検索してみたら去年の年末に閉院していた。仕方ないか。
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