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【Covid Quarantine Birding <ヒレンジャク・キレンジャク>】

ご存知のように、レンジャクは尾の色で判別できます。ヒ=緋色、キ=黄色 ですね。
(写真はキレンジャク)
実はレンジャクの仲間は世界に3種類しかいません。
緋:ヒレンジャク(Japanese Waxwing)
黄:キレンジャク(Bohemian Waxwing)
姫:ヒメレンジャク(Cedar Waxwing)
「姫」は北米にしかいませんが、「緋」と「黄」は日本で冬に観察できます。

ヒレンジャクは北半球全域に生息するキレンジャクとは違い、シベリア東部・中国北東部のアムール川・ウスリー川流域という限られたエリアで繁殖します。しかし近年森林の減少と環境悪化によって個体数が減少。準絶滅危惧種になっています。
そして彼らは冬になると越冬のために南下。その一部が日本にも来ます。レンジャク大好き野鳥カメラマン(僕もそう)に追いかけられて写真をいっぱい撮られ、Facebookや Instagramはレンジャクの写真で溢れかえる、ということになるわけです。
レンジャクの仲間は必ず群れで移動します。そしてエサになる周囲の木の実を食べ尽くしたら、また群れで別の場所に移動する、そういう行動パターンです。

レンジャクの英語名はWaxwing。これはキレンジャクの翼の一部に蝋(ろう)状の突起物があることに由来します。ベトベトしてるらしい。触ったことないけど。
ドイツ語名は「Seidenschwanz」(ザイデンシュヴァンツ=シルクの尾)で、僕はこっちの言い方の方が好き。
確かに毛並みが"シルクな"感じがしますよね。

中世オランダではキレンジャクは、「ペストの鳥」と言われていました。ペストの流行と同時にキレンジャクが大量に発生する(渡ってくる)ことがあり、キレンジャクが食べる杜松の実(ジュニパー・ベリー)がペストの感染を防ぐと考えられ、人間も同じ実を食べ、木の枝を焼いて、その煙で家屋を消毒したそうです。
ペストに負けないキレンジャク!ってことでしょうか。

またレンジャクは亜寒帯地方で繁殖するため、カッコウの托卵の標的にされるのですが、托卵されてもすぐにその卵を排除します。実はレンジャクの仲間は300万年前!から托卵の標的にされていたため、進化の過程で托卵されたカッコウの卵を排除する術を身に付けたらしいです。

#野鳥  #バードウォッチング #ヒレンジャク #キレンジャク

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