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【Covid Quarantine Birding <クロツラヘラサギ>】

「葛西のアイドル」と言えばこの鳥、クロツラヘラサギ!
英語名はBlack-faced Spoonbill。珍しく日本語名と英語名が完全一致しています。

絶滅危惧種であるこの野鳥が、大都会東京の都市公園に、毎年律儀にやって来てくれること自体が奇跡。
全世界で約4,500羽しかいない、スーパー絶滅危惧種です。
僕の故郷の鹿児島では結構な数のクロツラヘラサギが観察できるのですが、東京で容易に観察できることは感動的ですらあります。

あまりにも希少すぎてネットでこの野鳥のことを検索しても、環境破壊による繁殖地の減少や、各国の保護活動がどのように行われているか、という記事ばかりが大量に出てきます。
実際に各国の保護活動が身を結び、個体数は徐々に増えつつあります。
中国、台湾、韓国で保護活動が行われ、そしてあまり知られていませんが北朝鮮にもクロツラヘラサギの保護地域があり、そこでは人間の進入が禁止されています。
台湾では保護活動に成功し、クロツラヘラサギが個体数を増やした一方で、餌となっているボラがクロツラヘラサギの増加で逆に激減してしまうという問題も起きてるようです。
日本でも九州新幹線を八代海沿岸部に建設する際、クロツラヘラサギの越冬地に影響を与えないように慎重に計画されました。JR九州さすがです。

クロツラヘラサギはいつもは葛西海浜公園・東なぎさの遠くの端にいて、望遠鏡で見てもビニール袋のゴミにしか見えないことが多いのですが、時々近くに来てくれます。
写真は葛西臨海公園・鳥類園の杭の上に来てくれた時の様子。このスーパーアイドルを見ようと関東各地から熱心なバーダーの皆さんがやってきました。
後に伸びた冠羽と黒く立派なクチバシが、とってもカッコいい!うっとりするような美しさです。

クロツラヘラサギがやってくる葛西三枚州はラムサール条約登録湿地として保護されています。
僕ら人間が海や浜辺を汚さずに、生物多様性を理解して自然を正しく利用すれば、クロツラヘラサギのような希少種に限らず、多くの地球の仲間たちがやってきてくれるのです。

#野鳥 #バードウォッチング #クロツラヘラサギ

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