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【Covid Quarantine Birding <シロエリオオハム>】

有名な話ですが、アビ/オオハムの仲間の英語名は、イギリス英語とアメリカ英語で異なります。

イギリス英語ではDiver、すなわち「潜る人」の意味。
一方アメリカ英語ではLoonと言います。
この語源は、古英語または古スカンジナビア語の「不器用な人」lumme, lumからきています。
なんでアビ/オオハムの仲間は「不器用」なんだろう?それは彼らが"歩けない"から。
営巣の時には、脚で体を押して這うように地上を前進します。その姿は怪我をしてるように見えますが、元々歩けない鳥なので仕方ないのです。

さて代表的なアビ/オオハムの仲間の名前は以下のとおり(ここではloonを使います);

アビ(Red-throated loon)
 ▶︎赤い喉のオオハム
オオハム(Black-throated loon)
 ▶︎黒い喉のオオハム
シロエリオオハム(Pacific loon)
 ▶︎太平洋のオオハム

歩くことはできないけど、オオハムの仲間は潜水するのと飛翔するのは得意。水中では 90秒間息を止めることができます。逆に言うと、潜ったとしても90秒以内には水面に現れる。
飛ぶのも得意で、24 時間ノンストップで1,078 km の飛行を記録したことがあります。

そして注目すべきは、オオハムの仲間は「縄張りの維持率」が高いこと。ライバルに縄張りを侵入させたりはしない!縄張り維持率が0.92。完全に縄張りを維持できていたら1なので、オオハムの縄張り維持率がとても高いことが分かります。
一夫一婦制であるオオハムの仲間は、巣にいる愛する妻と雛を守るために戦います。
巣に近づいたものは、威嚇するだけでなく殺傷もします。2020年、メイン州の湖にハクトウワシの死体が浮かんでいるのが見つかりました。検死解剖の結果、オオハムにくちばしで心臓を刺されていたことが死因だと判明しました。
自分の縄張りを犯すものに対しては、大変攻撃的な鳥で、飛んでいるセスナに対しても威嚇のディスプレイを行ったという記録もあります。

写真は最近観察したシロエリオオハムです。この時は親鳥が2羽。子どもが1羽で計3羽が仲良く泳いでいました。
まもなく北国に向かって旅立ちますが、この親子が無事に故郷に帰ることを願わずにはいられません。家族の団結力が強い鳥ですから、きっと3羽が仲良くいたわりあいながら旅をするのでしょう。

#野鳥  #バードウォッチング #シロエリオオハム #オオハム

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