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【カーレンジャー】第23話~第24話


第23話「王女様にオーバーヒート!」

 直樹、楽しい遊園地デートの巻。
「信頼できる伝説筋」の情報をもとに、パワーストーンを使ったチーキュ花火作戦をぶち上げるリッチハイカー教授。なんだろう、このいかにもダメそうな感じ……パワーストーンとバリバリアンのおいしい水を合わせることで爆発が起きる、という説明も眉唾であるが、そもそもガイナモのネタ元もスポーツ新聞「宙スポ」なのでどっこいか。「ガイナモ総長クビ」などと書かれた一面の見出しなどを読む限り、どこの宇宙でもスポーツ新聞の信憑性はあまり変わらなさそうである。というかガイナモ、そこは怒るところじゃないのか。さては自分でも与太話のつもりで話題にしたな。派遣したVVゴリーンも宝石つながりじゃなくてスポーツつながりだもの……。

 一方のカーレンジャー御一行は珍しく皆でサボリ中。ソフトクリームを舐めたり竹下通りを冷やかしたり、そろそろ社長の堪忍袋が心配になってくるが、今回ばかりは結果オーライである。VVゴリーンに狙われたパワーストーンとカレン王女を守るため、5人揃って颯爽と駆けつけるカーレンジャー。思いのほか苦戦している最中、王女を連れて逃げるよう命じられたブルーだが、生憎彼は可愛い女の子がそばにいると緊張してへなへなになってしまうのである。思春期か!? 思春期だ!!
「入社当初もそうだった」と菜摘たちが懐かしがっていたが、あどけないティーンエイジャーの男の子が急に年上の美人おねいさんたちと一緒に仕事をすることになって、そりゃ緊張するのも無理はない。ともあれ、アガりすぎて変身も解けてしまった直樹は、再変身も出来ないまま逃避行を繰り広げることになる。

 遊園地を駆け巡りながら、ゴリーンのオリンピック風味な技の数々を封じる方法を考える直樹。心配そうにパワーストーンのペンダントを握る王女の姿を見て、彼はゴリーンの胸にある金メダルを思い出す。
 相変わらず物理的距離を開けつつではあるもの、王女と直樹は二人でゴリーンのメダルを奪おうと画策する。町娘に化けてゴリーンに縋り付くなど、危ない役は体を張って自分でこなす直樹。一方の王女も浪人に扮してゴリーンに斬りかかるなど、守られるだけではなく精一杯協力することを厭わない。それもそのはず、彼女の国の伝統では、王位継承者は17歳になると一人で旅に出ないといけないらしいのだ。この伝統は一種の運試しや占いの側面も持っており、継承者が宝石と共に無事国へ戻ってこられれば、その後も国は安泰なのだとか。これ以上直樹に迷惑を掛けられない、と別れを告げようとする王女だが、直樹はそれを固辞する。そのタイミングでVVゴリーンが二人に追いつき、直樹はゴリーンの腕に囚われてしまう。
 ゴリーンに捕まった直樹を助けるため、王女は大切な宝石を自ら差し出そうとする。が、彼女は足を踏み外し、高所から落ちかかってしまう。咄嗟にゴリーンを振り払い、直樹は王女の手を強く握りしめて間一髪で引き揚げた。抱き合うほどの至近距離にいるのに、直樹はもうへなへなにはなっていない。二人で危機を乗り越えたことによる信頼関係、そして王女の誠実さに応えようとする直樹の思いが、彼にハンデを乗り越えさせたのだ。ひと夏の成長……! 無事に再変身も果たしたブルーは、絶叫マシンに乗ってやってきた他の仲間たちと合流し(仕事をサボって楽しむ遊園地……)、見事VVゴリーンを撃破する。

 ラストシーンは祭りの夜、唐突なカーレンジャー音頭で踊りまくる一同。カレン王女は直樹の手を取ってそっと踊りの輪を抜け出す。賑やかな櫓から少し離れた、夏の夜の薄明り。彼女は「御礼」と称し、直樹の頬に不意打ちでキスをする。
 一皮むけたとはいえまだまだ経験値不足の直樹は、くにゃりとその場にへたり込んでしまうのであった。がんばれ青少年!


第24話「急発進?! ニューリーダー」

 ボーゾック、楽しいスイカ割り(未遂)の巻。妄想シーンとはいえ、市太郎がまた鉢植えになっているぞ……。よくよく大変な目にあいがちな市太郎であるが、シグナルマンに夏休みの宿題をやらせるちゃっかりさの持ち主でもあるのでなんとなく釣り合いが取れている気も。その学校机椅子セットはどこから出したのだろうか。
 市太郎だけではない。TTテルリンに捕らえられた子どもたちは、「怖いときは、泣こう!」と一斉に泣き出したり、様子に応じて一斉に泣き止んだりする。まるで「か弱い子どもらしさ」を自ら演出しているようなしたたかさ。夏休みの宿題をボーゾックに手伝わせようとするくらいだから、やはりこれくらいのたくましさはあって然るべきか。

 一方の恭介と実は、まるでこちらのほうが子どもであるかのような喧嘩を繰り広げている。口喧嘩から取っ組み合いにまで発展してしまったのだが、ぶん回される恭介のスラッとした足の長さにはついつい見惚れてしまうものであるなあ。変身してもしなくてもスタイルが良いというのは本当にありがたいことである。拝もう。
 閑話休題。恭介がお昼のそうめんを全部食べてしまったことを発端として、実は恭介の思いやりのなさを糾弾する。子どもたちの宿題を手伝うのは正義の味方として当然の思いやりであり、それを嫌がる恭介はやっぱり思いやりのない人間だ――というのが実の主張だが、宿題の手伝いが思いやりになるのかどうかは判断の分かれるところ。残りの3人も、わざわざ自分たちが手伝いに行くようなことではないと冷めたスタンスだ。子どもたちに頼まれたからではなく、自分から進んで手伝いに行こう(そしてあわよくば子どもたちの人気を獲得しよう)とするのは、実の営業マンらしさと言えなくもないか。
 仲違いの結果、リーダーの座を恭介から譲り受ける実。だが、「ヒーローたるもの子どもたちの宿題を手伝う」と大見得を切って出かけてしまったため、いざボーゾックが本性を表しても、仲間たちにはその緊急性を信じてもらえず、ついには通信を切られてしまう始末。直後に恭介が発した一報との対応落差(即変身、即出動)がなんとも不憫。結局は普段の行いが物を言うのだ……。恭介も取り立てて生真面目というわけではないが、少なくともみんなを引っ張るリーダーの器ではある。

 さて、通信を切られて意気消沈し、おまけに鍵も落としてピンチに追い込まれた実は、窮地を救ってくれた恭介とあっという間に仲直り。恭介は恭介でたまたま怪しいチラシを見て通りかかっただけなのだが、何を言っても聞かない実がたまたま良いように誤解してくれたので、あえて追及せずに和解を成立させる。仲間の性格を見抜いて手綱を取るのもリーダーの腕の見せ所である。駆けつけたブルーたちに子どもらの救出を任せ、レッドとグリーンは仲直り記念の大立ち回りで無事TTテルリンを撃破。見事ボーゾックスイカ割り大会の野望は打ち砕かれたのであった。めでたし!

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