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【ゴセイ】第26話

epic26「護星天使、爆笑!」

 楽しいサンミュージック回、もとい笑う門には天狗が来たるの巻。
 人間の笑いが嫌いだという理由で、笑っている人間を次々ひょうたんへ閉じ込めていく天狗のヒッ斗。わちゃわちゃしてコミカルな動きやお声が正直ちょっとかわいいまであるが、その能力は本物だ。笑いを感知すれば敵味方関係なく吸い込もうとするひょうたんのみならず(自分も吸い込まれかけてこわごわひょうたんを眺めている筋グゴン……)、両手の羽から巻き起こす強烈なくすぐり風は強制的に人々を笑わせてしまう。
 たまたまお笑いライブを見ていた護星天使たちもヒッ斗の洗礼を受ける。漫才に笑っていたところを吸い込まれたモネ、その後の戦いでくすぐり風を受けて笑ってしまったアグリとエリ。残されたのはアラタ、そして「戦いに笑いなど不要」と考えているハイドとゴセイナイトである。

 前話でモネとの即席コンビネーションをあれだけ完璧にやってのけたゴセイナイトだが、ハイドとの初戦はなぜかうまくいかない。

 前話は上記のような感じ。「援護して、ゴセイナイト!」の一言で自分のやることを全て了承し、スマートに仕事をこなすゴセイナイトの超人ぶりに痺れる。
 突然のコンビプレイという条件は一緒だが、今回はブルーもゴセイナイトも前に出てしまい、うまく連携が出来ない。ヒッ斗の攻撃を受けたブルーに、「私が突撃したら、お前はフォローに回るべきだろう!」と怒るゴセイナイト。「前もっての打ち合わせも無しか」と毒づくブルーに、ゴセイナイトは「お前はそれでも護星天使か!」とさらに語気を強める。
 前回と今回、いったい何が違うのだろう。
 モネは「援護して」とゴセイナイトに依頼し、ゴセイナイトはそれを了承した。両者の役割分担は明確である。綿密なすり合わせがなくとも、ゴセイナイトはイエローの戦い方を承知しているし、それに合わせて援護をするだけの技量も十分に持っている。
 対する今回、戦闘前にレッドは「ハイドとゴセイナイトを中心に戦う」と告げた。それを受けたゴセイナイトは、「どうする、ゴセイナイト?」と尋ねるブルーには目もくれず、いきなりヒッ斗に向かって走り出してしまう。「中心に戦う」を、そのまま「メインで突っ込む」と解釈したのだろう。そして、護星天使ならば打ち合わせなど無しに自分の戦い方についてこられると期待している。自分と同じ水準を仲間たちにも求めている、という感じだ。対等に思ってくれているのは有難いが、それで戦闘が破綻してしまっては元も子もない。

 再度の戦いのさなか、とうとうアラタまでもがヒッ斗の卑怯な攻撃によりひょうたんに吸い込まれてしまった。おならで爆笑するアラタ、オヤジギャグにめっぽう弱いハイドをあまり笑えないのではないか。ともあれ仲間や人々を救うため、ハイドが考案したのはゴセイナイトとの漫才であった。漫才!? しかも自信満々! 堂々たる立ち姿、自分の笑いのセンスに一点の疑いも持っていない!
 当然のように渋るゴセイナイトを、舞台裏でブルーは根気強く説得する。
「信じてくれ。俺たち二人が連携しつつ、お互いの力を引き出しあわなきゃ、地球を救うことはできないんだ……!」
 金管楽器のハードボイルドなBGMが流れる中、いつになく熱烈に言葉を重ねるブルー。そしてゴセイナイトは、「お前を信じてみよう」とその熱意を真っすぐに受け止める。祝え! コンビ結成の瞬間である……!
 ともあれ、今度こそハイドとゴセイナイトの連携は成功する。今回のミッションが「一人でヒットに突っ込むこと」ではなく「ハイドにツッコみ、協力してヒットを笑わせること」であると完全に理解したゴセイナイト。するべきことさえわかれば、後はそれに全力で取り組むだけである。
「連携しつつ、お互いの力を引き出しあ」うことを学習したゴセイナイトは、巨大戦に於いてもその役割を全うする。ゴセイグレートがシーイックブラザーに換装する時間を稼ぐため、指示されるまでもなく自ら身体を張ってヒッ斗の風を防いでくれたのだ。えらい!

 ところでゴセイナイト、護星天使たちに「ナイト」と呼ばれていることが判明。今までフルネームで呼んでいたのが下の名前になったみたいな親近感。一瞬びっくりしたがなんともよきかな。ゴセイナイトも自然と受け入れているのでまんざらではなさそうだ。ハイドとのコンビのみならず、一人一人と触れ合うなかでどんどん打ち解けていってほしいなあ。


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