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人と自然のダイアローグ

8/14

台風一過したのに最高気温が32℃だというので、昨晩思い立ってチケットを取りました。
国立西洋美術館で開催中の、「自然と人のダイアローグ」を観に行きます!

この展覧会は国立西洋美術館のリニューアルオープン記念に催されるもので、印象派からポスト印象派まで、てんこもりの贅沢企画展です。わたしにとってもリニューアル以来の訪問になります。
最近印象派を摂取していなかったので楽しみだ~!

上野駅から西美までの道のりはすぐなのですが、更に奥の方へ向かう家族連れの人々は国立科学博物館などへ行くのでしょうか…。引きこもりの体力しかないわたしには、8月の太陽の下で上野動物園を回るなんて想像もつきません。どうか恐竜を楽しんでくれていますように。

さて、こちらは涼しい美術館内であります。
昨晩思い立ってすぐにチケットが買えたので油断していましたが、展示室、結構混んでいました。特に人気なモネやゴッホの作品の前は動線が停滞しがちでした。しかし、少し待っていれば最前列で鑑賞できたので、ゆっくり楽しむことが出来たという気持ちです。

この展覧会では、印象派の芸術家が自然と向き合い、関わる中で生み出された作品を展示しているといいます。芸術家にとって自然がインスピレーションの元になるということは、当然のようにも感じられます。しかし、西洋の画壇において、自然というものにしっかりとスポットが当てられるのは印象派以降のことですから、印象派にとって自然とは大きなテーマのひとつであると言えるのではないかと思います。

人間と自然というものは二項対立のように扱われることもありますが、今日は人間も自然の一部なのだなぁということを改めて感じました。
例えば、ゴッホの《刈り入れ》は人が麦畑で収穫を行っている場面を扱っていますし、ルノワールといったフランスの印象派の画家は鉄道が整備され近代化し行く風景を画面に収めています。
自然の巡りの中に人間の巡りもあるのだと思います。ゴッホが刈り入れの情景を見て「死」を思った、ということもわからなくない気がしました。


今回の展覧会を通して、好きだなぁと思った作品はたくさんありまして、ポストカードをなんと6枚も買ってしまいました。
印象派の色調が全体的に好みなのです。
日本人の色彩感覚に当てはまるから日本人は印象派が好きなのではないか、というのは、わたしの仮説です。

さて、1枚だけ選ぶとするならば、今日はテオ・ファン・レイセルベルヘの《プローニュ=シュル=メールの月光》を挙げたいと思います。
レイセルベルヘの名前もこの作品もわたしは知らなかったのですが、惹きこまれるような青色の港の風景が広がっていて、思わず見入ってしまいました。ぱっと検索してみたところ、その同志はかなり多そうです。

夜空に浮かんでいるであろう月から発せられた光が、空と海を明るく照らしています。
月そのものの姿は描かれていません。
海にはシルエットになった船が何艘も浮かんでいますが、その中央には月光の筋が輝いて、船が花道を作っているようにも見えます。
海の奥には、港町か漁船であるのか、小さな人の明かりが点々と灯っています。
全体として青色を基調とした点描技法で描かれていて、空は明るく、手前になるほど暗くなっていきます。水面のゆらめきや空のまたたきが感じられます。
夜の暗がりの中で月光を一緒に浴びているような情景がありました。

常設展も周り、お腹も空いてきたところで美術館を出ることにしました。最寄り駅に帰ります。

明日会う予定の友達が先日誕生日を迎えたので、プレゼントを買おうと本屋さんへ向かいます。
彼女は文章を書く人で、辞書を読んでいるという話も聞いたことがあったなぁと思い、色に関する辞典を贈ることにしました。

大きい本屋さんにいるとあっという間に時間が過ぎてしまいます。

お昼ごはんには、お気に入りのサンドイッチ屋さんでジャークチキンサンドと、スターバックスコーヒーでチャイティーラテを購入しました。午後2時、さすがに蒸し暑くなってきました。

帰りましょう。




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