月冴え

年が明けて早くも10日が経ってしまった!
こんな感覚で2023年もあっという間に終わり、人生が過ぎていくのだろうと考えるのは早計かもしれないけれど、どうせ後になっても同じことを言うのだろうなぁと思う。

しばらく日常のことや考えていることの言語化をさぼっていたが、やはりわたしは言葉にしていないものを数えられないので、今年はたくさん文章を書きたいと思う。
好きなもの、嬉しかったこと、美味しかったもの、少しだけ伸ばした思考の枝を記録して、後から見返したときになんて幸せな日々なのだろうと思わせるものが残っていたら心地が良い。


最近は眠ることに幸せを感じる。
10月頃からアトピーが悪化して、痒みのためによく眠れない日々が続いていたが、デュピクセントという注射治療を始めてから症状が落ち着いてきた。途中で起きることも減ったし、年末年始は早く起きる必要もなくて、よく眠れている。
その間わたしは夢の中にいるのだけど、日常生活にちょっとしたイベントが起きるくらいの内容で毎夜楽しい。


初夢はある男性とイタリアンのお店へ行くという内容だった。2人で食事している間に他の男性がやってきて、食事に行きませんかと誘われる。場面が変わって、幼馴染と恋愛の話をしている。
なんだか私の1年分のそれよりも随分浮ついた内容の夢だった。欲求不満ということ…?

人生の3分の1は睡眠であるというし、それを快適に満足に行えるのはこの上ない幸せだと思う。

冬期講習のバイトがずっとあって、今日で7連勤になる。
中学生たちはえらい。毎日塾へ来て毎日勉強!
基本は個別体制で5人分なので、わたしもかなり数学の問題に慣れてしまった。まだ彼らに教師面できるくらいの脳みそは持ち合わせているようで、良かったと思う。
理科で扱う単元が天体になって、ずっと月の話をしている。昨日が満月だったら、今日はどんな形になる? 何時に月が昇ってくる? 
天体に纏わる物語が好きなので、ギリシャ神話やかぐや姫の話に脱線することもある。生徒たちが塾を卒業しても、ふと月を見上げる日が来てくれたらいい。

冬の夜の空気はさえざえとしていて、夜の寂しさに寄り添ってくれるようである。 
晴れた夜空に月と星々の明かりが散らばっている。
寒さで耳と鼻がつんと痛む。
四季の空の中では、冬の空が一番好きだと思う。


三秋縋の『いたいのいたいの、とんでゆけ』を読んだ。
題名からして、どろどろに優しい小説なのだと思って読み始めて、そうではないかもと思って、最後には改めて優しい物語であると感じた。「そうではないかも」の理由は、作中における出血量による。だけどそのぶん、この言葉はもっとずっと優しい砂糖菓子のような魔法の呪文になっていた。

本屋さんで尊大な本の選び方をしてきた。まずはじめにキーワードを決める。次に適当な本棚を眺めて、そのキーワードが題名に使われている本を見つけたら終わり。その本は今、部屋の本棚に積まれている。いつか読むだろう。

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