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み~んな~!エスクベルクッキングの時間だよ~!





「ねえチカチカさん」





「ねえ」





「ねえ! そこのチカチカした人! 惑星さん!」
「なに」

「はいすみません調子乗ってまじすみませんほっぺた高速で上下に動かすのやめてすんませあぁぁぁぁぁ」

「なに」

「あーいたただわーでもこれでほっぺの無駄なお肉落ちたかもしれません」
「なに」

「あーすんませんすんませんこの前地球さんから送られてきた『ふるさと惑星便』の食材を使って楽し気なことがしたいって話です」

「そう」

「なんかエネルギー的なあれやこれでエスクベル人には食べさせちゃいけないんでしたよね? 地球さんのボイスメールが話脱線し過ぎて途中うとうとしててあんま覚えてないんですけどそうだ地球さんにもらった綺麗な布どうしようあれはクダヤ人に頼んで服作ってもらってもいいんですよね? それともチカチカさんが作ってくれます? そうだなーお揃いのパジャマとか? パジャマ! 興奮度しか上がらないのでお揃い決定! あでもみんな服は窮屈だからヘアバンドとかにしようかなねえみんな――」
「脱線うるさい」

「はいすんません。えーと、なんの話してましたっけ」

「食材」

「そうそう、それそれ。なんかあ、よくある結婚を決意したきっかけ、みたいなエピソードでえ、『風邪を引いた時に看病してもらい、家庭的な面にグッときた』みたいなやつ? ほんとかよってやつ。チカチカさん、私もグッとされたいから家庭的な面見せたいです。チカチカさんと島のみんなに。それで『グッときてすごいと思いました』って言われたい褒められたい」

「ばからしさにグッときてすごいと思いました」

「違う! そういうんじゃない!」

「フォーン」
「ぴちゅ」
「コフッ」
「キャン」
「クー」
「キュッ」

「……みんなありがと……でもまだなんもしてないっていうか……ボスもありがと……やさしさ……ありがと……」

「『はる’s キッチン』まであと30秒」

「っえ」

「25秒」

「えっえっなになに何が始まるのえっそれその宙に浮いてるやつ映画の撮影とかでみる開始の合図出すやつじゃなにそれすごく本格的」

「10秒前」

「やばい時間がない」

「5秒前」

「ひえっ」


透過クッキング映画開始_-_コピー - コピー



「えっなにこれカメラ? あっ始まった……!? えーとえーと…………はい、皆さんこんにちは! 本日もようこそお越し下さいました! ……ん? お越し?」

「お越し」

「ちょ、惑星さん! 観覧の人やスタッフの笑い声とか必要ないタイプの番組ですー真面目な料理番組ですー」

「お越しになりました」

「笑いすぎですー。まったく! ――さて、気を取り直して、本日のレシピは……えっと、風邪に良さそうな、食べやすい、栄養たっぷりのなんか、なんかすごいやつです!」

「すごいやつです」

「副音声いらん。アシスタントもいらん。手話もいら――あってもよし。さあ材料の紹介からいきましょう。玉ねぎ卵にコンソメの素です!」




透過クッキング材料_-_コピー - コピー




「そしてこれを、えーと、玉ねぎを……チカチカさんあれ何切りっていうんでしたっけ、これをこういう風に切ってくやつ」



「――あれ? チカチカさん聞いてます?」



「……えーとなんか食べやすい消化しやすそうな感じに玉ねぎを切っていきましょう!」

「食べやすい感じと言いますのはどの程度の食べやすさを基本としているのかそちらを個人の感覚に委ねてしまうと実際は消化しにくいサイズというものが出てきてしまうのではないでしょうか」

「うわっめんどくさっ。適当族にはめんどくさいタイプの視聴者きた。チカチカさんそんな対応もできるんだ……惑星すげえ……聞いた事ない長文しゃべった……。と、とりあえず細かくいかにも消化しやすいよって感じに切ってくださいね!」



透過クッキングカット_-_コピー - コピー



「そして次は水を自分が食べたい分だけお鍋に入れてー、コンソメの素を好みの量入れましてー、そこに先程カットしました玉ねぎを投入しましょう」

「カット」

「いいじゃん! 別に横文字使ったっていいじゃん!」



透過クッキング鍋画像_-_コピー - コピー



「はい、では沸騰してぐつぐつなってきて火が通ってそうな良い感じそうなら卵をお好きな数割り入れて適当にがばっとかき混ぜます。それでまあまあ卵が良い感じに固まったらできあ!! 生姜忘れてた。え、これチカチカさんこの地球産の生姜って皮剥くの? どうやって? すりおろし器ってありましたっけ? いつもチューブだったからわかんないや。……今からすりおろすのめんどくさいかもしれません」

「おばあちゃんの知恵袋知りたい?」

「……あーそれはまた今度お願いしてもいいですか? え、マッチャすりおろしてくれるの? ありがと~! お願いします!」

「キャキャキャン!」

「何やってんの! 犬は生姜――あれ? いいんだっけ? そもそもダクスって中身なに。犬だけど犬じゃないみたいな……? まあダイレクトに食べるもんじゃないよ。あっちでランチョンマットのコーディネートお願いできる?」

「キャン!」

「ふふふ、チョロ犬」

「コフッ」

「ふんふん。ダクスー! ナナの今日のオススメこれだってー!」

「ぴ」

「キイロのスープボウルはこれにする?」

「キュッ」

「ロイヤルそれくちばし入る? まあいいけど」

「フォーン」

「包丁はもう洗ってもらって大丈夫かな? あ、もう彩りでその辺の食材適当にちぎって追加してもらって。うん、ありがと~」

「クー」

「保温もこれでばっちりだね~ありがと~」

「余った生姜の鮮度保ち保管方法どのパターンにする?」

「パターン!? なんでそんなによその惑星の知恵袋知ってるんですか……かっこいいパターンでお願いします。お? ボスありがと。じゃあみんなの分も用意して――――さあご覧の皆様これで完成でーす!!」

「ご覧の皆様」

「んもう! 惑星もう!」





透過クッキングスープ画像_-_コピー - コピー





「は~おいしかったね~」

「キュッ」

「……ロイヤルその羽の可動域すごくね? どうなってんの? 人? 綺麗に飲み干すじゃん。CM依頼来るよ」








透過クッキングロイヤル広告_-_コピー - コピー










デザインセンスどこいった適当レシピおちょけ企画
~FIN~



LOVE&PEACE&WORLD&MOFU