FMひらかた閉局で思う事。

2021年10月25日、FMひらかたより2022年2月28日を持って閉局が発表されました。(翌26日には枚方市も発表)

http://www.kiku-fm779.com/goodbye779/
https://www.city.hirakata.osaka.jp/0000037017.html

閉局の一番の理由は市からの委託金が無くなるそうで。

いち(隠れ)リスナーとしては残念でしかありませんが、市のHPで公表されている資料を読む限りでは企業努力を行った後に閉局でも良かったのではと感じます。

自分が隠れリスナーになった理由。
単純に、面白く無くなったからです。
検証結果にも同じ答えが書いていたので、考えていきたいと思います。

簡単に自己紹介を。
FMひらかたを聞き始めたのは15年程前。
枚方市民でも大阪府民でも出身でもありませんが、当時からインターネットでも聴取可能で知人が聴いているので聴き始めました。
一時期は毎日聴取しており、H30年のアンケートにも参加しました。

では、検証へ入ります。

資料には
検証項目(1)災害情報伝達手段としての有効性①~⑥
検証項目(2)平常時の市提供番組の効果
検証項目(3)経営戦略プログラムの検証①~③
と9ページにわたって結果が公表されています。

リスナーとして答えられる項目を検証していきたいと思います。
一部を書き起こしているだけですので質問の詳細はHPよりご確認ください。
なお、資料は「エフエムひらかた」と記載されておりますがこちらでは「FMひらかた」とさせていただきます。

検証項目(1)災害情報伝達手段としての有効性
①割愛させて頂きます。

②FMひらかたの聴取率
H26年度12.7%だったのに対し、H30年度では7.4%(1126人中83人)に減少しています。
H26年度を同じ人数にした場合、143人の計算。
わずか4年で60人も聞かなくなったという事ですね。
検証項目(3)の②で答えに近い内容が書いているのでそちらで改めて述べたいと思います。

③災害時における活用実態
・災害時のFMひらかたでの災害情報発信について
必要…67.4% 不必要…5.2%
・大阪北部地震時に活用したか⇒聞いた…3.9%(44人)

「災害時にラジオは必要だが聴くのは他局」という結果でしょう。
災害時に電池だけで動くラジオは必要です。(我が家の避難袋にも入っています)
しかし、どの局を聴かれますか?と聴かれたらFMひらかただけではなくコミュニティFMと答える方はどれだけおられるでしょうか。
おそらく多くの方はNHKと答えるでしょう。
一方で、コミュニティFMだからこそ町名レベルでの細かい発信を繰り返しする事が出来ます。
だからこそ67%の方が発信は必要だと思われている。
現にFMひらかたも大阪北部地震の際は夜通しパーソナリティの方が生放送されてましたし、緊急時には電話回線で割込み放送されていたと記憶しています。

このように災害時は積極的に臨時放送をしているのにも関わらず、アピールが出来ていなかったのは残念でしかありません。

④災害時における情報収集
インターネットで情報収集していた結果というのはHPへのアクセス解析から分かるので偽りのない情報でしょうね。

⑤高齢者における情報収集手段
割愛させていただきます。

⑥災害伝達手段としての活用
「FMひらかたを聞いている人は少なく、情報伝達手段としては効果が低い。」と締めくくられています。
③を踏まえてでしょうね。

検証項目(2)平常時の市提供番組の効果
①等はなく、最初は委託内容が説明されています。
2つ目に主管課へのヒアリング結果が書いており、結論的に言えば「FMひらかたで放送するくらいなら広報ひらかた等での告知の方が効果的」という事のようです。
下記アンケート結果によると半数近くの方が広報ひらかたを読まれているようですし、FMひらかたより遥かに認知されているのでしょう。
https://www.city.hirakata.osaka.jp/0000022925.html

検証項目(3)経営戦略プログラムの検証
①災害時の放送体制の確保
割愛させていただきます。

②リスナーの拡大
・放送業界で評価の高い賞を受賞するなど、魅力的な番組作りに取り組んできた。
・自動車納車前にラジオにプリセットするなど、民間事業者の協力による取り組みを精力的に進めてきた。
⇒それらの成果として、FMひらかたの聴取率の向上には繋がっていない。
リスナーからすると、「ギャラクシー賞を受賞した」と言われても正直「ふーん、で?」という感じです。
言ってしまえば単発番組が受賞しただけで、それに積極的に取り組んでいる訳ではありません。(コロナの事はもちろん発信されてますけどね)
車のプリセットも、特定の局しか聞かないという方やラジオ自体消していたり好きな音楽をかけている方も多いと思うので精力的にと言われても…。(ちなみに自分は音楽をかけています)

リスナーが求めている事と企業努力でしている事が異なっているからこそ、検証項目(1)の②でリスナーが減っているというのにも直結するのではないでしょうか。
もちろんH26年とH30年を比べるとスマートフォンが更に普及し、SNSも発達し…と環境の変化はありました。
おそらく他のラジオ局も財政上厳しいのではと思います。

最初に書いた投稿を辞めた理由の「面白く無くなったから」。
聞き始めた頃に比べると明らかに視聴者プレゼントが減りました。
時には今は亡き近鉄百貨店5,000円分の商品券をプレゼントというのもありましたし、オリジナルグッツも豊富でした。
クローゼットを探せば防犯ブザーやクッション等出てくると思います。
今でも映画のチケットや特番でプレゼントはありますが、それでも減ったのではないかと思います。
そして面白く無くなった理由のもう一つは、リスナー離れに伴う新規リスナーの入りずらさ。

③安定した財務基盤の確立
H25年度H30年度と比べ、委託費は約1000万円減少していますが委託費以外の収入が約800万円増加しています。
なんだかんだ言っても市提供番組はいくつかは残ると思いますし、事業規模等の見直しで自立経営が出来る可能性の余地はあると締めくくられています。


ここからは個人的な思いを。

FMひらかたとして委託費が廃止された場合を想定し色々模索したそうですが、それらを試す事なく閉局・解散を選ばれたのは相当な赤字だったのでしょうか。
ですが市に変わる新たなスポンサーを探せなかったのも、バックに市がいるから宣伝しなくても大丈夫だという思いがあったのかと思います。
市の委託という事で市職員の天下りもあって赤字の会社というのは許せなかったのでしょうか。

地域のコミュニティFM局とはいえ、ネットで聴取可能という事で世界中から聴くことが出来ます。
市議会へ委託費廃止署名がTwitterで行われ200人近くの賛同があったそうですが、おそらく枚方市出身アーティストのファンの方が大半だと思われます。
現に閉局のお知らせのリプライを見ると(もちろん市民の方もおられますが)枚方市出身アーティストのファンの方が多いように見受けます。
イベントや番組コーナーで枚方市の事の中継や発信し、枚方にある大学の番組はありますが、市提供番組以外で発信は少なかった気がします。
それを考えると枚方市民をないがしろにしていた結果なのではないでしょうか?
枚方市民で聴いている人数が少なすぎるのが表しています。
収入の約3分の2が委託費なのであれば、根本的に編成の見直しを行うべきでした。

閉局は残念ですし残してほしいという思いはありますが、胡坐をかいた結果というのがこれだと思います。


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