死刑執行に強く抗議する(談話)

2019年12月26日
社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.本日、法務省は、福岡拘置所の1人の死刑を執行し、死刑囚の氏名や犯罪事実を公表した。死刑制度の維持・正当化を狙う偏向した姿勢の表われのように、第2次安倍政権以降では、17度目、計39人という異常なハイペースで死刑の執行が続いている。社民党は、死刑制度が人権に反するものとして、その存置に強い疑問を呈し、見直しを求めてきた立場から厳しく抗議する。

2.今年3月に熊本地裁が「松橋事件」で再審無罪を決定し、最高裁も滋賀県で起きた「呼吸器外し事件」で再審開始を決めたほか、5月には再審無罪となった「布川事件」について、東京地裁が証拠開示や警察の取り調べを違法と認め、国と茨城県に賠償を命じるなど、警察・検察の捜査方法に強い疑問が向けられている。そうした中での死刑執行の強行は、捜査や司法のあり方についての冷静な議論を妨げるものであり許されない。

3.2018年時点で死刑廃止国は106か国となり、さらに28か国が事実上廃止するなど、死刑廃止は国際的な潮流である。また、米国のトランプ政権が16年ぶりに連邦レベルでの死刑執行再開を表明し、今月にも死刑囚4人の執行が予定されていたものの、ワシントン連邦高等裁判所は、差し止めを命じた連邦地方裁判所を支持する判断を下している。来年は日本で東京五輪や国連犯罪防止刑事司法会議が開かれ、世界から日本の人権状況に注目が集まることは間違いない。社民党は、政府および法務大臣に対し、早急に国際人権基準に沿った法改正への道筋をつけるとともに、国会で死刑制度の存廃や死刑に代わる措置などについての徹底した議論を行っている間は、死刑の執行を停止するよう求める

以上

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