2020年度 第2次補正予算組み替え案の概要

6月10日、衆・予算委において、共同会派・立国社ならびに共産党は「令和2年度第二次補正予算案(一般会計・特別会計・政府関係機関)」に対する組み替え動議を提出しました。

令和2年度第二次補正予算組み替え案の概要

Ⅰ 提案理由

○政府の第二次補正予算は、野党が一次補正の際に提出した組み替え動議の一部を取り込んでいるが、事業や雇用、生活を守るには不十分。

○また、10兆円もの未曽有の予備費を積んでいるが、その使途について、政府にフリーハンドを与えることには、財政民主主義や国民への説明責任の観点から問題がある。令和2年度当初予算の予備費(5,000億円)から、アベノマスク配布に233億円もの費用が充てられたことは記憶に新しい。

○間隔を開ける等の「新しい生活様式」は、個人の努力だけでは進まない。国の支援が必要。

○第二波も想定し、体制の再構築の必要性あり。

○よって野党共同会派は、当面9月末頃までの対策として、総額34.4兆円の第二次補正予算組み替え案を提案する。いかなる対応も可能とするため、国会を閉じることなく、必要に応じて、第三次補正予算を編成すべきである。

○過大な委託費の問題等を勘案し、新型コロナウイルス感染症の収束や経済の回復状況等も踏まえつつ、行政事業レビュー等も活用し、必要性、有効性、効率性の観点から政府の事業全体を洗い直すべきである。

Ⅱ 組み替えの方針

1.追加歳出(一般会計+11.3兆円)

(1)事業継続等支援

①持続化給付金の拡充(+2.7兆円、総額7兆円)

○給付上限額の大幅増額を行うとともに、支給要件の緩和(現行前年同月比50%以上の売り上げ減少率を30%以上にする等)を行う。

②中小・小規模事業者等の賃料支払い猶予(+5兆円 ※財政投融資)

○事業用の不動産の賃料について、財政投融資を通じ、支払猶予を行う。

○家賃支援給付金は、弁済に充てる。

○なお、求償権の行使に当たっては、社会情勢、対象となる中小企業者等の事業の状況等に配慮し、適宜一般会計より措置する。

③NPO、公益法人支援

○子ども食堂をはじめとするNPOや公益法人などの民間公益活動が大きな影響を受けていることに鑑み、持続化給付金の支給要件に、新たに会費や寄付金等の減収も含め支給の対象を拡大するなどの支援策を講ずる。

④文化芸術関係者、関連業種従事者への支援

○活動の縮小や停止を余儀なくされている文化芸術関係者や関連業種従事者への支援について、支援対象者を拡大し、予算を大幅増額する。

(2)学生等支援

①授業料半額免除及び給付金(+1.2兆円)

○今年度分の授業料の半額を免除するとともに、アルバイト収入が半減した学生に対し、20万円を上限に給付金を支給する。

②学資貸与金等の返還免除(+0.7兆円)

○学資貸与金等の返還が困難な者に対し、今年度分の返還を免除する。

(3)生活支援

①児童扶養手当受給者への支援(+0.16兆円、総額0.3兆円)

○児童扶養手当受給者に対して、半年間、児童扶養手当の額(全部支給の額)に相当する額の臨時特別給付金を支給する。

②労働者生活支援給付金及び失業手当の拡充等(+2.0兆円)

○今回措置された雇用調整助成金の拡充等に加え、賃金が2割以上減少した全ての労働者に対し、労働者生活支援給付金を創設して支給するとともに、失業手当の給付額の引上げと給付日数の更なる延長、臨時職業訓練受講給付金の創設等を行う。

(4)自治体支援

①地方創生臨時交付金の追加(+2兆円、総額5兆円)

○自治体が地域の実情に応じ、休業協力金などの給付、テナント賃料の補助、介護施設への給付、保育や学童保育の支援などを独自で実施できるよう、地方創生臨時交付金を大胆に増額する。

○その際、自由度を高くし、交付手続も簡易・迅速なものとする。

○緊急事態宣言が早期に解除された自治体についても、経済回復までには時間がかかることから、十分な額の交付を行う。

(5)医療等支援

①新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の追加(+2兆円、総額4.4兆円)

○PCR検査体制の強化を含む緊急包括支援交付金について、大幅に積み増すとともに、保育・学童保育を含め、慰労金の対象者拡大を行う。

②医療機関等支援給付金の創設(0.5兆円)

○コロナ対応により経営環境が悪化している、歯科を含む医療機関等の経営を支えるため、給付を行う。

2.歳出削減(▲8.8兆円)

(1)既定経費等の減額(▲0.3兆円)

○問題となっている持続化給付金やGo To キャンペーンの委託費、延期により不用となったオリパラ関係予算等について、減額を行う。

(2)10兆円の追加予備費の減額(▲8.5兆円)

○追加予備費を減額し、1.5兆円とする。

○例えば、これまで講じてきた措置では十分な支援が届かない者への追加給付や地域の経済社会活動の基盤である公共交通の支援、減収した者への自動車税の減税等のため、使用するなど、幅広い活用が考えられる。

3.追加歳入

○特例公債の追加(2.5兆円)

○財投債の追加(5.0兆円)

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?