【談話】後期高齢者患者負担2割化に抗議する
2021年5月11日 幹事長 服部良一
⒈75歳以上の後期高齢者医療の窓口患者負担を、現行の原則1割から2割に引き上げる改正案が11日の衆議院本会議で強行可決された。社民党はコロナ感染症の最中に、高齢者にいのちと暮らしを脅かす改悪案に強く抗議するとともに、徹底審議と廃案を求めていく。
⒉この内容は、一人世帯で年収200万円以上、夫婦二人世帯で年収計320万円以上を引き上げの対象とし、約370万人が対象となる。政府は「現役世代の軽減をはかり世代間公平性を確保する」とするが、これは事実ではない。政府のねらいとは「高齢者の医療費を実質2倍化の負担増」とすることと、それにより「高齢者の受診抑制を強いる」ことで、国などの公費負担と事業主負担を軽減することだ。3年間の緩和措置後は、推計で合わせて1800億円の公費を軽減するつもりだ。さらに今後、高額療養費制度を崩し、2割負担を低所得者まで広げ、患者負担3割の対象者も増やす狙いもある。しかも、この改悪を全世代の医療・社会保障を壊すことにつなげたいのだろう。
⒊「現役世代の保険料負担を軽減するため」という政府の騙されてはいけない。現役世代の被保険者の保険料は一人当たりわずか年400円、月にして33円の軽減にしかならないのだ。高齢者の生活は、増税や保険料負担増と年金額に削減などで、今までになく貧困化している。コロナ感染症災害は、この暮らしを脅かす実態をさらに強めている。しかも後期高齢者医療の平均年齢は83歳である。この高齢者層に受診抑制を強いることは、確実にいのちを奪うことにつながる。社民党は世代間の「分断と対立」ではなく、事実を事実として明らかにしていく。そして全世代の連帯を求め、この改悪に抗する闘いの先頭に立っていく。
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