衆議院大阪12区ならびに沖縄3区の補欠選挙の結果について(談話)

2019年4月21日
社会民主党幹事長・選挙対策委員長
吉川はじめ

1.本日、安倍首相が自民党総裁選で連続3選して以降、最初の国政選挙であり、参院選の前哨戦ともいわれる、衆議院大阪12区(北川知克議員の死去)ならびに沖縄3区(玉城デニー議員の辞職)の補欠選挙の投開票が行われた。社民党は、大阪12区で無所属新人の宮本岳志候補を大阪府連合が推薦し、沖縄3区でオール沖縄の無所属新人の屋良朝博氏を沖縄県連合が支援し、ともに全力で闘った。大阪12区では宮本候補が維新公認候補に敗れたものの、沖縄3区は、屋良候補が自民公認候補を下し勝利することができた。両候補を支持していただいた有権者の皆さんに、心から感謝を申し上げたい。

2.大阪12区は、維新公認の藤田文武候補、自民党公認の北川晋平候補(公明推薦)、無所属の樽床伸二候補、無所属の宮本岳志候補の有力4人の争いとなった。宮本候補は、「安倍政治ノーの声を真正面から受け止めて、野党共闘勝利ののろしを上げよう」と訴え、野党の幹部も応援に入り、無党派層の支持も得て最後まで追い上げたが、届かなかった。しかし、「弔い合戦」でおいの北川晋平候補に有利であり、さらに安倍首相自身が現地入りするなど政府・与党が総力を挙げたにもかかわらず、自民党候補が敗北したことは、国民が安倍内閣にノーを突き付けたに等しいといえる。

3.沖縄3区は、オール沖縄の屋良候補(社民党、立憲民主党、国民民主党、共産党、自由党、沖縄社会大衆党が支援)と自民公認の島尻安伊子候補(公明党と日本維新の会沖縄県総支部が推薦)の一騎打ちとなり、事実上与野党激突の選挙戦となった。沖縄3区は米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古を含む選挙区であり、辺野古新基地建設問題が最大の争点となった。2月24日の県民投票で辺野古埋め立て「反対」が40万票を超え全体の7割超に達したのに続いて、「辺野古の海には絶対に1本の指も触れさせない」、「沖縄から政治を変えていこう、民主主義とはいったい何なのか問いかけていこう」などと、新基地建設反対を明確に訴えた屋良候補の勝利は、辺野古新基地建設反対の民意の強固さを改めて示すものである。社民党は、安倍政権に対し、今回の結果をしっかりと受け止め、強権的な土砂投入を直ちに止め、辺野古不要の普天間返還に向け、沖縄県との話し合いを始めるよう求める。

4.また、屋良候補は、保育拡充、高齢者ケア充実、子どもへの暴力・虐待の撲滅、人材育成や社会保障といった「人への投資」、第1次・第2次産業の拡充や物流費低減などによる県民所得の向上も強調している。屋良候補の勝利はアベノミクスが届いていないことを示している。安倍政権に対し、沖縄振興制度を否定する露骨な基地と予算のリンク論をやめ、沖縄経済の発展と格差是正に積極的に取り組むとともに、トリクルダウンではなくボトムアップへの経済政策への転換を強く求めていく。

5.塚田一郎前国土交通副大臣、桜田義孝前五輪担当相が相次いで辞任する中、自民党公認候補が2つの選挙区とも惨敗したことは、公文書の隠蔽・改ざん、データの偽造・ねつ造、虚偽答弁、統計不正に見られるような行政や政治の私物化を続け、消費税増税や改憲を目指す安倍政権の政権運営に対する厳しい審判が下された証拠といえる。野党が共闘を強め一本化すれば、安倍一強に十分立ち向かえることを示している。社民党は、今回の両補欠選挙の闘いを弾みとし、総括すべきは総括しながら、7月の参院選に向けて、社民党をはじめとする立憲野党の野党共闘を強化し、32の1名区での候補一本化を加速するとともに、立憲主義・民主主義・平和主義の回復をめざす市民の皆さんとの連携を強め、改憲と安倍政権の暴走を止めるため全力をあげていく。

以上

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