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『60分でわかる!SDGs超入門』 バウンド著、技術評論社

・本書は技術評論社の「60分でわかる!シリーズ」のSDGs版。SDGsの概要から始まり、元になったMDGsとの関係、CSR、CSVとの違い、国内、国外の状況なども踏まえて、その目的、意義、我々に課せられた使命を丁寧に紹介している。

・内容は企業の経営企画担当や各部門の管理監督者向き。初期段階での知識習得に適しており、入り口として理解しやすく、組織内への周知手段として本書を活用することも有効と考えられる。図表を多く用いているので初心者でも分かりやすく、企業内での導入教育のテキストとしても使用できる。

・事業活動とSDGsを関連付けた「SDGs×バリューチェーン・マップ」を用い、「事業プロセスとゴール&ターゲットの関係がひとめ目でわかる!」と訴え、企業内での取り組みにヒントを与えている。さらに経営者が事業活動を進めていくうえで必要なお金についても、ESG投資を事例も加えて説明することでSDGsへの期待感を醸成している。

・国連グローバル・コンパクトなどが共同開発したツール「SDG Compass」を使い、企業の取組手順を提言しており、経営者、経営企画部門、また各部門の実業務の中で活用できる。加えて、企業の取組事例を多く載せることで自社での具体的なアクションを考える上で参考になる。

・本書をお薦めしたい先は中規模以上の企業と考える。既にマネジメントシステムが採用されている中で、導入教育目的で活用することで、SDGsを身近に感じ、具体的なアクションに素早く着手できることに期待したい。

鈴木 清(協会会員)