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幸せを選ぶと、人生はもっと楽しくなる

こんなエピソードがあります。

とらわれの身である二人の男が、鉄格子から外を見ていた。
一人は下を向いて地面の泥を眺めながら絶望感を抱き、
一人は上を向いて空に輝く星を眺めて希望を抱いていた。

 つらいことがあった時に、星を眺めていた男のように、ふと美しいものに気がついて気持ちが晴れた経験はありませんか?

 私たちは下を向くか上を向くかを、全て自分で選んでいます。

 何を見て、何を大切にするか、どちらの方向に進むかを自分で選ぶことができるということは、自分で自分を幸せにする選択ができるということです。選んだ結果、下を向くことになってしまっても、それが自分で選んだことならば後悔は少なくなり、納得のいく人生を歩むことができます。

 そんなふうに自分で選びながら生きていくと、誰かと自分を比較したり、誰かの真似をしたり、自分を取り繕ったりすることが減っていき、自分の信念に基づいて生きていくことができるようになります。

 さらには、鉄格子から空を見上げた男が希望を見出したように、自分の見に起きることをポジティブに捉えられるようになり、絶えず自分の内側からポジティブなエネルギーがあふれていきます。

迷ったりブレたり回り道したほうが毎日は輝く


「自己肯定感が高い人」と聞くと、「ブレない自分らしさ」「強い心」を持つ人が思い浮かぶかもしれません。
 自分に自信を持っていて、どんなときも堂々と自己主張ができる人をみると、「あの人は自己肯定感が高いんだろうなぁ」なんて思いませんか?

 確かに、それは自己肯定感が高い人の一つの特徴ではありますが、全てではありません。自己肯定感が高い人の最大の特徴は、柔軟性があるということです。
 柔軟性がある人の心には「あそび」があります。

 あそびがあると、考えるときや感じるとき、自己表現をするときに、「絶対にこれ」と一つに執着することがありません。
 「あれもいいし、これもいいし、どっちでもいい気がする。でも、今はこれにしておこうかな」と選択肢にやわらかさゆとりがあるのです。

 「私はこれでいい」と思っていても、周りの状況や他者の意見しだいでは「それもいいよね」と、ゆるやかに考えを変えていけます。

 そう、自己肯定感が高い人は、頭と心がとてもやわらかく、いいことも悪いこともすべて笑顔で受け入れられる人なのです。

 もう少し、あそびについて考えてみましょう。
 あそびとは、自分の内側にある、まっさらで自由な空間です。そのまっさらな空間があると、自分の身に起きるすべてのことを受け入れることができます。

 思い通りに物事が進まなくても、あそびがあれば、「そういうこともあるよね」と広い心で受け入れることができるのです。
 
 その空間は、誰の心の中にもあります。
 
 右に行ってもいいし、左に行ってもいいし、上でも下でもいいと、自由自在に変化していける姿勢が持てるようになると、人生はさらに楽しいものになっていきます。

 ぜひ、一緒にやわらかな心を育てていきましょう。

 ところで、「ブレない自分らしさ」や「強い芯」ですが、次々に変わりゆく時代の波に乗っていくには、それらはかえって邪魔になってしまうことがあります。

 「ブレない自分らしさ」に従って、うまくいった過去のやり方を貫こうとした結果、失敗してポキっと心が折れてしまう可能性だってあります。

 それに白黒はっきりつけてしまうと、社会にたくさんある、豊かで複雑で素晴らしい「多様性」という光が見えなくなってしまいます。

 自己肯定感が高く、しなやかな心を育てるために必要なのは、絶対的な強固な自分軸ではなく、風が吹けば自然と揺れる、野に咲く花のような気ままで透明感のある柔軟性です。

 生まれて来たばかりの赤ちゃんを思い浮かべてみてください。いかなる価値観や思想にも染まらず、純粋無垢に世界を楽しんでいます。その生きる姿には、まさに柔軟性があります。

 大人に成長するにつれ、様々な思い込みや決めつけによってそのしなやかさはすり減ってしまいがちですが、私にも、あなたの中にも柔軟性は必ずあります。

 自己肯定感が高く、幸せに包まれているのが、私たちの本来の姿だからです。
 思い出して見ましょう。

「生きているだけで楽しい」
「人と出会うだけで楽しい」
「何をしていても楽しい」


そんな柔軟な心は、すでにあなたの中にもあるのです。

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